制御工学実験III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 制御工学実験III
科目番号 CI504 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 制御情報システム工学科3年次実験指導書(プリントもしくはPDFとして配布)
担当教員 寺田 晋也,柴里 弘毅,博多 哲也,中島 栄俊,西村 勇也,野尻 紘聖

到達目標

制御情報システム工学に関連する項目について,
1.実験内容を理解し,実験機器を適切に扱い,実験を遂行することができる.
2.実験に基づいた報告書が作成することができる.
3.Raspberry Piを通して組み込みシステムについて理解を深め,仕様にあったシステムを構築することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験原理・実験内容を理解し,実験機器を適切に扱い,率先して実験を遂行することができる実験内容を理解し,実験機器を適切に扱い,実験を遂行することができる.実験内容を理解しておらず,実験に参加しない
評価項目2実験レポートを過不足無く記載し,妥当な考察を作成することができている最低限整った実験内容・実験結果・考察など,実験レポートに必要な体裁を満たしている実験内容・実験結果・考察など,実験レポートに必要な体裁を満たしていない
評価項目3グループにて決めた詳細な仕様に基づいて,完成度の高いシステムを構築することができている.グループにて決めた仕様に基づいて,システムを構築することができている.グループにて決めた仕様がきちんと決められていない.または,使用に基づいたシステムの構築の完成度が低い.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前半には,Raspberry Piを使って,組み込みシステムについて実験を行う.後半には,制御情報システム工学の基礎となる制御工学、情報工学などの項目について実験を通して理解を深める。
授業の進め方・方法:
前半には,Raspberry Piを使って,組み込みシステムについて実験を行う.具体的には,センサーの使い方を学び,4年生後期から行ってきたRaspberry Piを使ってグループワークにより,創作物を製作する.後半には,制御情報システム工学に関連する実験を班分けをしてローテーションにて行う.以下の基礎知識:(1)基礎となる数学法則と物理原理 (2)エレクトロニクスの要素技術 (3)情報通信の要素技術 を習得する。また,実験ごとに期限内での実験報告書の作成・提出を通して,論理的な記述力および計画遂行能力を養成する.
注意点:
レポートの提出期限は各テーマの実験終了1 週間後とする.期限以降に提出された場合,遅れた週の数に応じてレポート点を減点する.ただし,提出期限から4週間を過ぎると再実験を実施する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験の概要及び目標,実験の際の安全対策を理解する.
2週 総合実験(1) Raspberry Piを用いたセンサーの扱い方を習得する.
3週 総合実験(2) Raspberry Piを用いたセンサーの扱い方を習得する.
4週 総合実験(3) Raspberry Piを用いたセンサーの扱い方を習得する.
5週 総合実験(4) グループ分けにより,創作課題の仕様設計をする.
6週 総合実験(5) グループ分けにより,創作課題の仕様設計をする.
7週 総合実験(6) 創作課題の仕様に基づいたシステムを構築する.
8週 総合実験(7) 創作課題の仕様に基づいたシステムを構築する.
2ndQ
9週 総合実験(8) 創作課題の仕様に基づいたシステムを構築する.
10週 総合実験(9) 創作課題の発表を行う.
11週 組み込みシステム系の総合実験 (1) ARM系組み込みチップを使い,基本的なシステムを理解する.
12週 組み込みシステム系の総合実験 (2) ARM系組み込みチップを使い,基本的なシステムを理解する.
13週 制御系CAD:実時間制御(1) matlab(xPCtarget)を用いたモデルベース制御系設計設計を行うことができる.リアルタイムシミュレーション,リアルタイム制御の基礎を理解し説明できる.また,リアルタイム性を活かしたHILSについて説明できる.
14週 制御系CAD:実時間制御 (2) matlab(xPCtarget)を用いたモデルベース制御系設計設計を行うことができる.リアルタイムシミュレーション,リアルタイム制御の基礎を理解し説明できる.また,リアルタイム性を活かしたHILSについて説明できる.
15週 実験レポート指導と復習 作成した実験レポートの不備点を理解し,加筆・修正できる.
16週
後期
3rdQ
1週 恒温槽の温度制御(1) D/Aコンバータ,半導体温度センサなどで構成した回路をH8で制御するプログラムをアセンブリ⾔語で作成し,恒温槽の温度を⼀定に制御することができる.
2週 恒温槽の温度制御(2) D/Aコンバータ,半導体温度センサなどで構成した回路をH8で制御するプログラムをアセンブリ⾔語で作成し,恒温槽の温度を⼀定に制御することができる.
3週 組み込みシステム系の総合実験 (3) ARM系組み込みチップを使い,与えられた課題のシステムを構築する.
4週 組み込みシステム系の総合実験 (4) ARM系組み込みチップを使い,与えられた課題のシステムを構築する.
5週 実験レポート指導と復習 作成した実験レポートの不備点を理解し,加筆・修正できる.
6週 回路シミュレーション(1) LTspiceを使った回路シミュレーションを行い,回路システムを理解する.
7週 回路シミュレーション(2) LTspiceを使った回路シミュレーションを行い,回路システムを理解する.
8週 モンションキャプチャー実験(1) 生体計測の代表的な手法であるモンションキャプチャについて,実験を通して理解する.
4thQ
9週 モンションキャプチャー実験(2) 生体計測の代表的な手法であるモンションキャプチャについて,実験を通して理解する.
10週 実験レポート指導と復習 作成した実験レポートの不備点を理解し,加筆・修正できる.
11週 制御系CAD:実機実験(1) モデルベース制御系設計をxPCtargetシステムを用いてアナログデータ,エンコーダデータの取得し,制御則にしたがってアナログデータを出力するシステムを構築できる.
12週 制御系CAD:実機実験(2) モデルベース制御系設計をxPCtargetシステムを用いてアナログデータ,エンコーダデータの取得し,制御則にしたがってアナログデータを出力するシステムを構築できる.
13週 信号処理(1) 基礎的な信号処理アルゴリズムを理解し,プログラムを作成て処理した結果について説明できる.
14週 信号処理(2) 基礎的な信号処理アルゴリズムを理解し,プログラムを作成て処理した結果について説明できる.
15週 実験レポート指導と復習 作成した実験レポートの不備点を理解し,加筆・修正できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4
共振について、実験結果を考察できる。4
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
ディジタルICの使用方法を習得する。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
複数の情報を整理・構造化できる。2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2
法令やルールを遵守した行動をとれる。2
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。2
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。2

評価割合

実験評価レポート評価合計
総合評価割合5050100
評価5050100