自律分散システム

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 自律分散システム
科目番号 CI512 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 自作プリント資料を配布
担当教員 大塚 弘文,永田 正伸

到達目標

1 自律分散システムのコンセプトを理解して説明できる。
2 コンセプトに基づいたマイクロコンピュータを応用した自律分散システムの構築方法の概要を説明できる。 
3 自律分散システムの基本三特性について理解して説明できる。
4 自律分散システムの応用として,群・知能ロボットを捉え基本三特性の視点から分析理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
自律分散システムのコンセプトと定義と基本性質1集中システムの問題点を踏まえて自律分散システムのコンセプトと定義および位置づけを説明できる。制御性と協調性という二つの観点から自律分散システムと従来システムとの相対的な位置づけを説明できる。自律分散システムのコンセプトと定義および位置づけを集中システムと対比して説明できる。制御性と協調性という二つの基本性質を説明できる。自律分散システムのコンセプトと定義および位置づけを説明できなない。また,制御性と協調性という二つの基本性質を説明できない。
オンラインプロパティを実現するための技術オンライン拡張性・フォールトトレラント性・オンライン保守性について理解し、各々の性質について従来システムの課題に対する理解に基づいて正確に説明できる。オンライン拡張性・フォールトトレラント性・オンライン保守性の概要について理解し、各々の性質について従来システムの課題に対する理解に基づいてその要点を概略説明できる。オンライン拡張性・フォールトトレラント性・オンライン保守性の概要も理解しておらず、その要点を概略説明できない。
自律分散ロボットシステム自律分散システムの応用としての群ロボットシステムの一般的な構成と、中央集権型ロボットシステムと比較した自律分散型ロボットシステムとの特徴および形態的分類について説明できる。自律分散システムの応用としての群ロボットシステムの一般的な構成と,その特徴および形態的分類についての概略を説明できる。自律分散システムの応用としての群ロボットシステムの一般的な構成と,その特徴および形態的分類についての概略を説明できない。
群知能ロボット群知能ロボットの集団行動の根源となる「協調」について、創発的アプローチと高度知能を口して協調を意図的に行うアプローチの二つのアプローチについて、事例を用いて説明できる。群知能ロボットの集団行動の根源となる「協調」について、事例を用いて解略を説明できる。群知能ロボットの集団行動の根源となる「協調」について、事例を用いて解略を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
従来の集中型システムでは解決できなかったシステム課題をマイクロコンピュータなどの工学技術と分子生物学といった科学(サイエンス)との融合から発生した自律分散システムのコンセプトとともに,システム構築法やその性質について解説する。また、具体的な応用例としてロボットシステムへの応用事例について系統的に解説する。
授業の進め方・方法:
授業は講義,Flipped Classroom 方式,演習などの形態により適宜実施する.Flipped Classroom方式授業および演習においては協働学習形式での演習課題に取り組み理解を深めていく.
注意点:
Flipped Classroom方式授業の場合は、授業前の事前学習を怠っていると認められる学生について授業での協働学習への参加を中止させ事前学習を個別に取り組ませることがある.事前学習の指示や教材提示は十分な余裕をもって電子メールにより行うので留意されたい。
この科目では、1単位あたり15時間の自学自習が求められます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本講義の学習内容や目標、評価方法について理解する。
2週 自律分散システムのコンセプトと定義 集中システムの問題点を踏まえて自律分散システムのコンセプトと定義および位置づけを説明できる。
3週 同上 同上
4週 自律可制御性 制御性と協調性という二つの観点から自律分散システムと従来システムとの相対的な位置づけを説明できる。
5週 自律可協調性 制御性と協調性という二つの観点から自律分散システムと従来システムとの相対的な位置づけを説明できる。
6週 オンライン拡張性 自律分散システムのアーキテクチャ上でオンラインプロパティを実現するための技術のひとつであるオンライン拡張性について理解し、機能モジュールの拡張、サブシステムの拡張、システムの拡張の三つのレベルの拡張について説明できる。
7週 同上 同上
8週 前期中間試験 前期第2週~第7週の学習項目の理解度を筆記試験により確認する。
2ndQ
9週 前期中間試験答案返却
フォールトトレラント性
自律分散システムのアーキテクチャ上でオンラインプロパティを実現するための技術のひとつであるフォールトトレラント性について、従来の信頼性との相違点を理解し説明できる。
10週 同上 同上
11週 オンライン保守性 自律分散システムのアーキテクチャ上でオンラインプロパティを実現するための技術のひとつであるオンライン保守性について、従来システムにおける課題理解に基づいて、保守技術の要点とアプローチを説明できる。
12週 同上 同上
13週 自律分散ロボットシステム 自律分散システムの応用としての群ロボットシステムの一般的な構成と、中央集権型ロボットシステムと比較した自律分散型ロボットシステムとの特徴および形態的分類について説明できる。
14週 同上 自律分散システムの応用としての群ロボットシステムの一般的な構成と、中央集権型ロボットシステムと比較した自律分散型ロボットシステムとの特徴および形態的分類について説明できる。
15週 群知能ロボット 群知能ロボットの集団行動の根源となる「協調」について、事例を用いて説明できる。
16週 前期期末試験 前期第9週~第16週の学習項目の理解度を筆記試験により確認する。
後期
3rdQ
1週 前期期末試験答案返却
演習ガイダンス
 後期演習課題の概要を理解する。
2週 processing入門(1) プログラム開発環境を構築し,Processing言語により逐次処理プログラムを記述できる.
3週 同上 同上
4週 Processing入門(2) オブジェクト指向でのソースプログラムを記述できる。
5週 同上 同上
6週 群知能ロボットの基礎演習
2台の移動ロボット課題
アルゴリズムの概念を説明できる。
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。与えられた簡単な問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。
7週 同上 同上
8週 同上 同上
4thQ
9週 同上 同上
10週 群低能ロボットの基礎演習
3台以上の移動ロボット課題
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを理解している。
11週 同上 同上
12週 同上 同上
13週 同上 同上
14週 同上 同上
15週 同上 同上
16週 プレゼンテーション ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを理解している。
同一の問題に対し、それを解決できる
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。
複数のアルゴリズムが存在しうることを理解している。
時間計算量や領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを理解している。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価レポート合計
総合評価割合4520530100
基礎的能力251031553
専門的能力201021547