概要:
本講義ではマルチメディア分野の観点から人と人、人とコンピュータ間の快適なインターフェースを構築する音声・音響技術についての基礎的な解説を行う。急速に発展するマルチメディア分野における音声・音響技術では携帯電話やMP3等に代表されるマルチメディア符号化技術、ハウリングキャンエラー、バーチャルリアリティ等で核となる音場制御、バイノーラルシミュレーション、カーナビ等で用いられる音声認識、雑音除去技術が重要とされるが、それらの基礎となる諸変換、特徴抽出、およびフィルタリングに関して解説する.
また、音波伝搬の基礎となる波動方程式を解説し、日常の音響現象を理論的に解析する手法を解説する。
授業の進め方・方法:
前期:スライドを用いた講義を行い、必要に応じてPCを用いたシミュレーションを実施する。また、課題として、シミュレーション結果の提出を求める。
後期:自作プリント及びスライドを用いた講義を行う。
注意点:
本科目は4年次選択科目「信号処理」と関連があり、同科目を受講しておくことが望ましい。
1単位当たり30時間の自学自習が求められる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス・音声・音響信号の表現(1) |
本授業のガイダンスを行う。音声・音響信号のAD変換、量子化等の基礎について理解できる。また音声信号の特徴を理解し説明することができる。
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2週 |
音声・音響信号の表現(1) |
同上
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3週 |
音声・音響信号の表現(2) |
同上
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4週 |
音声・音響符号化(1) |
PCM,ΔΣ変換など各種サンプリング手法とその特徴、ならびにその等価回路を理解することができる
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5週 |
音声・音響符号化(2) |
同上
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6週 |
音声・音響符号化(3) |
同上
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7週 |
直交変換と時間周波数変換(1) |
音響信号を多次元空間ベクトルと捉えることができる。 N次元空間における直交変換を理解し、信号のベクトル射影について理解できる。また同ベクトル射影が最小二乗解となることを理解できる。
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8週 |
中間試験 |
前期前半に学習した内容の問題が解ける。
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2ndQ |
9週 |
窓関数 |
窓関数の使い方について説明できる。 窓関数とそのスペクトルの特徴について説明できる。また、窓関数による信号の歪みについて説明できる。
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10週 |
線形システムと逆フィルタ、適応フィルタ(1) |
音響システムにおける線形システムを理解できる。 逆フィルタの安定性について理解できる。 最小二乗法による安定した逆フィルタを求めることができる。 適応フィルタについて理解できる
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11週 |
線形システムと逆フィルタ、適応フィルタ(2) |
同上
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12週 |
線形システムと逆フィルタ、適応フィルタ(3) |
同上
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13週 |
音響測定(インパルス応答測定、適応フィルタによる伝達特性の推定、逆フィルタの性能評価)(1) |
無響室内において、インパルス応答を測定し、同期加算によりその精度を上げることができる。適応フィルタを用いて伝達関数を測定することができる。
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14週 |
音響測定(インパルス応答測定、適応フィルタによる伝達特性の推定、逆フィルタの性能評価)(2) |
同上
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15週 |
定期試験 |
前期後半に学習した内容の問題が解ける。
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16週 |
定期試験答案返却 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス・波動方程式 |
力学的波動の縦波、横浪を理解し音波伝搬理論を理解できる。
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2週 |
波動方程式 |
力学的波動の縦波、横浪を理解し音波伝搬理論を理解できる。
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3週 |
波動方程式 |
各種媒体を伝わる波動の速さを理解できる。
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4週 |
波動方程式 |
各種媒体を伝わる力学的波動のエネルギーを理解できる。
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5週 |
音波の伝搬 |
音波の性質、特に可聴音周波数帯域の伝搬(屈折・回析など)を理解できる。
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6週 |
音波の伝搬 |
音波の性質、特に可聴音周波数帯域の伝搬(屈折・回析など)を理解できる。
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7週 |
定在波と固有振動 |
定在波と固有振動を理解でき、一次元・二次元・円形膜における音波伝搬の様子を理解できる。
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8週 |
定在波と固有振動 |
定在波と固有振動を理解でき、一次元・二次元・円形膜における音波伝搬の様子を理解できる。
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4thQ |
9週 |
中間試験 |
後期前半に学習した内容の問題が解ける。
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10週 |
音声 |
音声解析手法としてWavesurferを用いたフォルマント解析を行う。
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11週 |
音声 |
Wavesurferを用いた第3フォルマント解析を行い、母音五角形を製作する。
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12週 |
音声 |
Wavesurferを用いて発破音、濁音のフォルマントを観察する。
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13週 |
音声 |
同音異義語のフォルマントを観察する。
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14週 |
音声 |
同音異義語のフォルマントを観察する。
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15週 |
定期試験 |
後期後半に学習した内容の問題が解ける。
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16週 |
定期試験返却 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 2 | |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 1 | |
電力量の測定原理を説明できる。 | 1 | |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 1 | |
制御 | フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 1 | |
情報系分野 | プログラミング | 代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。 | 2 | |
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。 | 3 | |
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 3 | |
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 3 | |
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。 | 2 | |
主要な計算モデルを説明できる。 | 2 | |
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。 | 2 | |
ソフトウェア | アルゴリズムの概念を説明できる。 | 3 | |
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。 | 3 | |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。 | 3 | |
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。 | 3 | |
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。 | 2 | |
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。 | 2 | |
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。 | 2 | |
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。 | 2 | |
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。 | 2 | |
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。 | 2 | |
計算機工学 | 整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 3 | |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 3 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 3 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 3 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 3 | |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 2 | |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 2 | |
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 2 | |
情報数学・情報理論 | 離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。 | 3 | |
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。 | 2 | |
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。 | 2 | |
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。 | 2 | |
その他の学習内容 | メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。 | 2 | |