国語I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 国語I
科目番号 LK1101 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 新編 国語総合 数研出版(代表著作者 坪内稔典)
担当教員 草野 美智子

到達目標

日本語に関する技能や言語感覚を育成することで、円滑な社会生活を送ることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
書く力自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が書ける。説得力を持たせるために、データ・先行研究、引用を駆使できる。自分の考えと引用を区別する。冗長な文章にならないために、一文の長さに気をつける。序論・本論・結論など文章の構成や何を伝えるのか方向性を考えて書く。文体を統一する。誤字・脱字がない。参考文献を書く。インターネットは、閲覧日とURLを明記する。自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が書ける。説得力を持たせるために、データ・先行研究、引用するときがある。自分の考えと引用を区別する。冗長な文章にならないために、一文の長さに気をつける。序論・本論・結論など文章の構成や何を伝えるのか方向性を考えて書く。文体を統一する。誤字・脱字がない。参考文献を書く。インターネットは、閲覧日とURLを明記する。自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が明確に書けない。データ・先行研究、引用の使い方が適切でない。自分の考えと引用を区別しない。一文が長く冗長な文章になっている。序論・本論・結論など論文の構成や何を伝えるのか方向性が曖昧である。文体が統一されていない。誤字・脱字がある。参考文献を示さない。インターネットは、閲覧日とURLを明記しない。
話す力聴衆を見渡しながら、視線を合わせることができる。さまざまな説明の方法や手段を駆使し、わかりやすく伝え、意見の異なる相手との相互理解を得ることができる。短く簡潔な文でわかりやすい語彙と表現を用いて話す。ゆっくりした口調で会場の広さに応じた声の大きさで、相手の理解度に応じて話す。自分の考えや意見を積極的に伝えようとする熱意にあふれている。一方的にならずに、相手からの質問や反論に適切に回答して、対話や議論を展開できる。自分の体験やこれまでの知識を駆使して具体性に話して、説得力を増して話す。時々は聴衆を見渡しながら、視線を合わせることができる。わかりやすく伝え、意見の異なる相手との相互理解を得ることができる。比較的短く簡潔な文でわかりやすい語彙と表現を用いて話す。比較的ゆっくりした口調で会場の広さに合わせた声の大きさで、時々相手の様子を見ながら話す。発表の機会を勉強ととらえ自分の意見や考えを述べる。相手からの質問に適切に回答する。これまでの知識を駆使して具体的に話す。聴衆と視線を合わせることなく、下を見て発表原稿ばかり読んで朗読になっている。何を話すかまとまっておらず、内容が伝わらない。早口であったり会場の後ろまで聞こえない小声で話す。相手の理解とは関係なく一方的に話す。発表の機会があっても逃げようとする。質問が出ても適当に答えるか、答えられない。話が具体的でない。
読む力文章全体に目を通し、どんなことが書かれているか、分からない用語を調べながら読む。書かれている内容をそのまま鵜呑みにせず、批判的に疑問を持ちながら読む。キーワードやキーセンテンスを見つけて読む。段落間のつながりを考えながら読む。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を意識して読む。よく通る声で感情をこめながら朗読できる。文章に目を通し、どんなことが書かれているかを意識しながら読む。書かれている内容をまずは正確に読む。繰り返し出てくる言葉をキーワードやキーセンテンスととらえて読む。前後の段落間のつながりを考えながら読む。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を抜き出す形で読む。範読に従って正しく読める。教科書を忘れる。自分から読もうとせずに、板書に依存する。分からない用語をチェックしない。書かれている内容をそのまま鵜呑みにし、疑問を持たない。キーワードやキーセンテンスを見出すことなく漫然と読む。段落間のつながりを考えない。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を自分から見いだせない。声がくぐもって発声が明瞭でない。漢字の読み間違いがある。
聞く力顔を挙げて相手の話を最後まで傾聴して、十分に理解した上で、さまざまな視点から考えることができる。相槌やうなずきを入れて相手が話しやすい雰囲気を作る。メモを取りながら、内容への質問や意見、疑問点を考えながら聴く。以前のメモを振り返って、今日の話と関連付けられるように聴く。多様な意見や考えを柔軟に受け入れて視野を広げる態度で聴く。相手の話を最後まで聴き、意図や気持ちなどまで理解できる。好意的な表情を浮かべて相手が話しやすい雰囲気を作る。メモを取る。様々な意見があることを受け入れる。相手の話を最後まで聴かずに、勝手な判断をしたり、鵜呑みにして、理解できていない。下を向いて話を聴こうとする積極的な姿勢が見られない。メモを取らない。自分の意見に固執して他人の考えを聴こうとしない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「国語」の授業では、皆さんが社会人となり、職場や地域、家庭等で、円滑なコミュニケーションを行う際に必要な技能や感覚、態度について取り扱う。大きく分けて「教養」と「ロジック」の2つのジャンルを学ぶ。「教養」とは「美しい日本語の表現」「正しい敬語の使い方」「漢字や熟語の知識」「手紙の作法」「文学の知識」である。「ロジック」とは「誤解されない説明の仕方」「的を射た受け答えの仕方」である。
授業の進め方・方法:
教科書による授業が中心となる。日本語による「読む」「書く」「聴く」「話す」の全領域について、精読を通して内容を的確に読みとり、語彙力を高め、理解する力を養う。教員と学生、学生同士のインタラクティブな活動により、考察力、表現力、コミュニケーション能力も磨く。「国語Ⅰ」の授業内容に「国語演習Ⅰ」を含むものとする。

注意点:
3単位科目 90時間の授業。国語はすべての教科の基本となるため、積極的に取り組むこと。課題は期日までに確実に提出すること。分からない点は、分かるまで授業中や後で質問をする。授業内容に関連する日常現象や出来事について触れたときには、自主的に内容を調べる。習った内容について、日常生活の中で当てはまる場面がないか注意して観察する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション
図書館ガイダンス
国語学習の概要について理解する。
2週 随想「ワンダフル・プラネット!」①  ・主旨を正確に理解する。
・語句の意味を的確に捉える。
・筆者の経験を、自分の体験に置き換えて考える。
3週 好きなものの紹介 ・筆者の経験を、自分の体験に置き換えて考える。
・発表する。
4週 小説「子供たちの晩餐」① ・登場人物の心理の変化を読み取る。
・作品の構成・展開を正しくとらえる。
5週 小説「子供たちの晩餐」② ・登場人物の心理の変化を読み取る。
・作品の構成・展開を正しくとらえる。
・作者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
6週 小説「子供たちの晩餐」③ ・登場人物の心理の変化を読み取る。
・作品の構成・展開を正しくとらえる。
・作者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
・感想を200字で書く
7週 評論「人生は『動詞』で変わる」① ・筆者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
・接続詞の働きや指示語の内容を正確に理解する。
・筆者の考える「ものづくり」の意味を理解する。
8週 評論「人生は『動詞』で変わる」② ・筆者の考えを叙述に即して的確に読み取る。
・接続詞の働きや指示語の内容を正確に理解する。
・筆者の考える「ものづくり」の意味を理解する。
2ndQ
9週 中間試験 授業の総括をし、試験を行う。
10週 答案返却
漢文入門①
訓読、書き下し文、故事成語
試験結果を返却し、誤答への理解を深め、異議に応じる。
・訓点の用法を理解し、訓読できるようになる。
・訓点に従って故事成語の訓読文を正確に書き下し文にする。
・故事成語の意味を理解する。
11週 漢文入門② ・訓点の用法を理解し、訓読できるようになる。
・訓点に従って故事成語の訓読文を正確に書き下し文にする。
・故事成語の意味を理解する。
12週 小説『羅生門』① ・主人公の心の変化を読み取る。
・作品の構成を理解する。
・主人公の心理変化と行動を把握する。
・近代を代表する作家の表現技術について考察する。
・グループ活動で劇にして上演する。
13週 小説『羅生門』② ・主人公の心の変化を読み取る。
・作品の構成を理解する。
・主人公の心理変化と行動を把握する。
・近代を代表する作家の表現技術について考察する。
・グループ活動で劇にして上演する。
14週 小説『羅生門』③ ・主人公の心の変化を読み取る。
・作品の構成を理解する。
・主人公の心理変化と行動を把握する。
・近代を代表する作家の表現技術について考察する。
・グループ活動で劇にして上演する。
15週 定期試験 授業の総括をし、試験を行う。
16週 答案返却 試験結果を返却し、誤答への理解を深め、異議に応じる。
後期
3rdQ
1週 スピーチ・集団討論① ・テーマに沿って人前でわかりやすく発表する。
テーマに沿って集団で討論する。
2週 スピーチ・集団討論② ・テーマに沿って人前でわかりやすく発表する。
テーマに沿って集団で討論する。
3週 小説『夢十夜』① ・文章に描かれた人物、情景、心情などを表現に即して読み取る。
・冒頭の一文の位置づけと、作品の構造を理解する。
・寓意について読み取る。
・作者や日本の近代文学についての理解を深める。
4週 小説『夢十夜』② ・文章に描かれた人物、情景、心情などを表現に即して読み取る。
・冒頭の一文の位置づけと、作品の構造を理解する。
・寓意について読み取る。
・作者や日本の近代文学についての理解を深める。
5週 創作「夢十夜」と相互批評 ・短編小説を創作する。
・相互に読み合い批評する。
6週 唐詩①
・近体詩の形式、きまり等を理解し、作者の意図を理解する。
・決まりに則って、詩を創作する。
7週 唐詩② ・近体詩の形式、きまり等を理解し、作者の意図を理解する。
・決まりに則って、詩を創作する。
8週 中間試験 授業の総括をし、試験を行う。
4thQ
9週 答案返却
評論「政治の本質」①
試験結果を返却し、誤答への理解を深め、異議に応じる。
・筆者の考えを叙述に即して的確に読み取り、ボランティアについての理解を深める。
10週 評論「政治の本質」② ・筆者の論理性をもったアプローチを理解し、内容を読み解くとともに、人生観や価値観を育む。
11週 評論「政治の本質」③ ・筆者の論理性をもったアプローチを理解し、内容を読み解くとともに、人生観や価値観を育む。
12週 十八史略「鶏鳴狗盗」「臥薪嘗胆」① ・句法に注意しながら口語訳し、出来事の経緯や登場人物の役割を的確に読み取る。
・さまざまな人物像を通して、人間の生き方について考えを深める。
・劇にして上演する。
13週 十八史略「鶏鳴狗盗」「臥薪嘗胆」② ・句法に注意しながら口語訳し、出来事の経緯や登場人物の役割を的確に読み取る。
・さまざまな人物像を通して、人間の生き方について考えを深める。
・劇にして上演する。
14週 十八史略「鶏鳴狗盗」「臥薪嘗胆」③ ・句法に注意しながら口語訳し、出来事の経緯や登場人物の役割を的確に読み取る。
・さまざまな人物像を通して、人間の生き方について考えを深める。
・劇にして上演する。
15週 定期試験 授業の総括をし、試験を行う。
16週 答案返却 試験結果を返却し、誤答への理解を深め、異議に応じる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。2
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。2
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。2
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。2
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。2
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。2
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。2
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。2
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。2
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。2
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。2
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。2
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。2
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。2
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
複数の情報を整理・構造化できる。2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2
法令やルールを遵守した行動をとれる。2
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。2
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。2
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。2
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。2
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。2
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。2
企業には社会的責任があることを認識している。2
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。2
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。2
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。2
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。2
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。2
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2

評価割合

試験発表合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000