国語IV

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 国語IV
科目番号 LK1401 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 自主作成プリント配布 補助教材
担当教員 草野 美智子

到達目標

将来性のある専門技術者養成の学校にあって、実践的な言語運用能力を育成するとともに、働くことの意味や、技術が与える社会的な影響などを考えることで、技術に関わる「自己」の存在を表現できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
書く力自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が書ける。説得力を持たせるために、データ・先行研究、引用を駆使できる。自分の考えと引用を区別する。冗長な文章にならないために、一文の長さに気をつける。序論・本論・結論など文章の構成や何を伝えるのか方向性を考えて書く。文体を統一する。誤字・脱字がない。参考文献を書く。インターネットは、閲覧日とURLを明記する。テクニカルライティングの狙いとやり方を熟知して、書くことができる。自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が書ける。説得力を持たせるために、データ・先行研究、引用するときがある。自分の考えと引用を区別する。冗長な文章にならないために、一文の長さに気をつける。序論・本論・結論など文章の構成や何を伝えるのか方向性を考えて書く。文体を統一する。誤字・脱字がない。参考文献を書く。インターネットは、閲覧日とURLを明記する。テクニカルライティングのやり方を知って書くことができる。自分の意見(主張)に対して、理由(根拠)が明確に書けない。データ・先行研究、引用の使い方が適切でない。自分の考えと引用を区別しない。一文が長く冗長な文章になっている。序論・本論・結論など論文の構成や何を伝えるのか方向性が曖昧である。文体が統一されていない。誤字・脱字がある。参考文献を示さない。インターネットは、閲覧日とURLを明記しない。テクニカルライティングのやり方にそった書き方ができない。
話す力聴衆を見渡しながら、視線を合わせることができる。さまざまな説明の方法や手段を駆使し、わかりやすく伝え、意見の異なる相手との相互理解を得ることができる。短く簡潔な文でわかりやすい語彙と表現を用いて話す。ゆっくりした口調で会場の広さに応じた声の大きさで、相手の理解度に応じて話す。自分の考えや意見を積極的に伝えようとする熱意にあふれている。一方的にならずに、相手からの質問や反論に適切に回答して、対話や議論を展開できる。自分の体験やこれまでの知識を駆使して具体性に話して、説得力を増して話す。時々は聴衆を見渡しながら、視線を合わせることができる。わかりやすく伝え、意見の異なる相手との相互理解を得ることができる。比較的短く簡潔な文でわかりやすい語彙と表現を用いて話す。比較的ゆっくりした口調で会場の広さに合わせた声の大きさで、時々相手の様子を見ながら話す。発表の機会を勉強ととらえ自分の意見や考えを述べる。相手からの質問に適切に回答する。これまでの知識を駆使して具体的に話す。聴衆と視線を合わせることなく、下を見て発表原稿ばかり読んで朗読になっている。何を話すかまとまっておらず、内容が伝わらない。早口であったり会場の後ろまで聞こえない小声で話す。相手の理解とは関係なく一方的に話す。発表の機会があっても逃げようとする。質問が出ても適当に答えるか、答えられない。話が具体的でない。
読む力文章全体に目を通し、どんなことが書かれているか、分からない用語を調べながら読む。書かれている内容をそのまま鵜呑みにせず、批判的に疑問を持ちながら読む。キーワードやキーセンテンスを見つけて読む。段落間のつながりを考えながら読む。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を意識して読む。よく通る声で感情をこめながら朗読できる。文章に目を通し、どんなことが書かれているかを意識しながら読む。書かれている内容をまずは正確に読む。繰り返し出てくる言葉をキーワードやキーセンテンスととらえて読む。前後の段落間のつながりを考えながら読む。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を抜き出す形で読む。範読に従って正しく読める。自分から読もうとせずに、板書に依存する。分からない用語をチェックしない。書かれている内容をそのまま鵜呑みにし、疑問を持たない。キーワードやキーセンテンスを見出すことなく漫然と読む。文章の構成を考えない。著者の最も伝えたいこと(主張とそれを裏付ける根拠)を自分から見いだせない。声がくぐもって発声が明瞭でない。漢字の読み間違いがある。
聴く力顔を挙げて相手の話を最後まで傾聴して、十分に理解した上で、さまざまな視点から考えることができる。相槌やうなずきを入れて相手が話しやすい雰囲気を作る。メモを取りながら、内容への質問や意見、疑問点を考えながら聴く。以前のメモを振り返って、今日の話と関連付けられるように聴く。多様な意見や考えを柔軟に受け入れて視野を広げる態度で聴く。相手の話を最後まで聴き、意図や気持ちなどまで理解できる。好意的な表情を浮かべて相手が話しやすい雰囲気を作る。メモを取る。様々な意見があることを受け入れる。相手の話を最後まで聴かずに、勝手な判断をしたり、鵜呑みにして、理解できていない。下を向いて話を聴こうとする積極的な姿勢が見られない。メモを取らない。自分の意見に固執して他人の考えを聴こうとしない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
①就職や進学にあたって「自己」を確立し、書くこと・話すことを通じて、「自己」を的確に伝えることができるようにする。②人間・社会・自然に関する多様な情報を知り、それらに対する自分の考えをまとめ、表現できるようにする。③読み、書く、話す、聞く際の約束事を知り、実際の言語生活に生かせるようにする。
授業の進め方・方法:
日本語による「読む」「書く」「聴く」「話す」の全領域について、語彙力を高め、内容を的確に理解し、伝える力を養う。教員と学生、学生同士のインタラクティブな活動を多くし、考察力、表現力、コミュニケーション能力を磨く。
注意点:
1単位科目 30時間の授業。学修単位となる。30時間の授業と15時間の自学自習をもって1単位とする。国語はすべての教科の基本となるため、積極的に取り組むこと。授業中に出題する自学自習用課題は平常点となるため、期日までに確実に提出すること。話し合いやロールプレイなどのインタラクティブな活動が多いため、積極的に参加する。授業内容に関連する時事問題や社会現象に触れたときには、自主的に内容を調べ、社会への関心を高め、考察を言語化しておく。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 活舌・早口言葉・朗読劇 ・意識的に話す基礎を練習する
2週 スピーチ理論と実践① ・スピーチを通して心理的安全性を体感する
3週 スピーチ理論と実践② ・スピーチを通して心理的安全性を体感する
4週 人前で話す(2人でトーク番組を構成する) ・自己開示を行い、自分の考えを話す。
・相手の話を傾聴し、話題を引き出す。
5週 人前で話す(2人でトーク番組を構成する) ・自己開示を行い、自分の考えを話す。
・相手の話を傾聴し、話題を引き出す。
・相手の話を傾聴し、話題を引き出す。
6週 ディベート① ・テーマに沿って資料収集や討論のやり方を体験する。
7週 ディベート② ・テーマに沿って資料収集や討論のやり方を体験する。
8週 中間試験
試験を行う。
4thQ
9週 答案返却・解説
ロールプレイを行い、働く上での問題点と改善策を考える。
・脚本の理解を深め、場面に応じた演技力を磨く。
・改善策について討論を行う。
10週 ロールプレイを行い、働く上での問題点と改善策を考える。 ・脚本の理解を深め、場面に応じた演技力を磨く。
・改善策について討論を行う。
11週 1000字小説執筆 テーマとモチーフを明確にして、1000字小説を作成する。
12週 面接での質問事項に答える 「面接」の目的や種類、実施時の注意点や面接官の着眼ポイントを学ぶ。
13週 SPI模擬問題演習① SPI模擬問題演習を行う。
14週 SPI模擬問題演習② SPI模擬問題演習を行う。
15週 定期試験 試験を行う。
16週 答案返却・解説 試験結果を返却し、誤答への理解を深め、異議に応じる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3後1,後3
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3後2,後3
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3後9,後10
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3後9,後10,後14
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3後9,後10,後14
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3後4,後5,後14
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3後4,後5
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3後6,後7
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3後6,後7
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3後6,後7
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3後6,後7
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3後6,後7
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3後6,後7
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3後6,後7
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3後6,後7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3後6,後7
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3後6,後7
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3後6,後7
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3後6,後7
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3後6,後7
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3後6,後7
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後6,後7
合意形成のために会話を成立させることができる。3後6,後7
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後6,後7
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後6,後7
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後6,後7
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後6,後7
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後6,後7
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後6,後7
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後6,後7
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後6,後7
複数の情報を整理・構造化できる。3後6,後7
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3後6,後7
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後6,後7
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後6,後7
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後6,後7
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後6,後7
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後6,後7
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後6,後7
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後6,後7
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3後6,後7
目標の実現に向けて計画ができる。3後6,後7
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3後6,後7
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3後6,後7
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3後6,後7,後11
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後6,後7
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後6,後7
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後6,後7
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後6,後7
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後6,後7
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後6,後7
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後6,後7
法令やルールを遵守した行動をとれる。3後6,後7,後11
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後6,後7,後11
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3後6,後7,後11
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3後12,後13
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3後12,後13
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3後12,後13
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3後12,後13
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3後12,後13
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3後12,後13
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3後12,後13
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3後12,後13
企業には社会的責任があることを認識している。3後12,後13
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3後12,後13
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3後12,後13
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3後12,後13
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3後12,後13
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3後12,後13
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3後12,後13
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3後12,後13
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3後12,後13
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3後12,後13

評価割合

試験発表合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000