科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学
科目番号 LK2104 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「化学基礎」 数研出版,「改訂版 化学」 数研出版 / 「六訂版 リードα 化学基礎+化学」 数研出版,「フォローアップドリル化学基礎」 数研出版,「三訂版 フォトサイエンス化学図録」 数研出版
担当教員 松上 優

到達目標

我々の身の回りにある物質やその変化・性質を理解するため,「物質の成り立ち」,「原子の構造とそれから発現する性質」,「化学結合」,「化学反応」などの基礎を習得する。
高校化学要領基礎化学の目標に習い,以下を学生が目指す到達目標とする。
・日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化への関心を高め,目的意識をもって観察、実験などを行なうことができる。
・化学的に探求する能力と態度を育成し,化学の基本的な概念や原理・法則が理解できる。また,科学的な見方や考え方ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
化学と人間生活物質と人間生活,化学とその役割に関する具体的物質や社会との関連,歴史に関心や探究心をもち,意欲的にそれらに取り組むとともに,科学的態度を身につけている。また,それらの応用問題を解くことができる。物質と人間生活,化学とその役割に関する具体的物質や社会との関連,歴史に関心や探究心をもち,意欲的にそれらに取り組むとともに,科学的態度を身につけている。また,それらの基本問題を解くことができる。物質と人間生活,化学とその役割に関する具体的物質や社会との関連,歴史に関心や探究心をもっておらず,意欲的にそれらに取り組むことができない。また, 科学的態度を身に付けていない。さらに,それらの基本問題を解くことができない。
物質の構成 ・物質の探求 ・原子の構造と元素の周期表 ・化学結合物質の探究をするために,物質の構造・状態・成分・化学結合と物質の性質に関する基本的な概念や原理・法則などの知識が必要であることを理解し,その知識で物質の構成に関する応用問題を解くことができる。物質の探究をするために,物質の構造・状態・成分・化学結合と物質の性質に関する基本的な概念や原理・法則などの知識が必要であることを理解し,その知識で物質の構成に関する基本問題を解くことができる。物質の探究をするために,物質の構造・状態・成分・化学結合と物質の性質に関する基本的な概念や原理・法則などの知識が必要であることをほとんど理解しておらず,物質の構成に関する基本問題を解くことができない。
物質の変化 ・物質量と化学反応式 ・酸と塩基 ・酸化還元反応物質量と化学反応式,酸と塩基,酸化還元反応に関する事物・現象についての基本的な概念や原理・法則を理解し,基本的な知識を身につけ,それらの応用問題を解くことができる。物質量と化学反応式,酸と塩基,酸化還元反応に関する事物・現象についての基本的な概念や原理・法則を理解し,基本的な知識を身につけ,それらの基本問題を解くことができる。物質量と化学反応式,酸と塩基,酸化還元反応に関する事物・現象についての基本的な概念や原理・法則を理解しておらず,それらの基本問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物質に対する科学的な見方,考え方や基本的な概念や原理・法則を理解する。
授業の進め方・方法:
本科目では教科書に従い講義を中心に進める。
前期:化学と人間生活,物質の構成,物質の構成粒子,粒子の結合,
物質量と化学反応式,酸と塩基
後期:酸と塩基の反応,酸化還元反応
注意点:
3単位科目 90時間 (前期:2コマ,後期:1コマ)
フォローアップドリル,リードαを用いて,授業内容について自学自習(復習)すること。
試験の成績が60点に達しない場合は,再試験を行なうことがある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス/化学と人間生活 ・代表的な金属やプラスチックなど有機材料について, その性質, 用途, また, その再利用など生活とのかかわりについて理解する。
・洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性, 環境へのリスクについて理解する。
2週 物質の探求 ・純物質と混合物の区別ができる。
・混合物の分離法を理解し, 適切な分離法を選択できる。
・単体と化合物の意味と具体例が説明できる。
・原子と元素を使い分けることができる。
・単体と化合物の区別ができる。
・同素体がどのようなものか説明できる。
・物質が原子からできていることが説明できる。
・物質を構成する分子・原子が常に運動していることが理解できる。
・炎色反応の色と金属の組み合わせを7つ答えることができる。
・代表的な沈殿反応を例をあげて2つ説明できる。
・物質の三態とその状態変化を説明できる。
・水の状態変化が理解できる。
3週 原子の構造 ・原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。
・同位体について説明できる。
・放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。
・原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。
・価電子について説明できる。
4週 イオン ・原子のイオン化について説明できる。
・代表的なイオンを化学式で表すことができる。
・原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。
・元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。
5週 イオン結合 ・イオン式とイオンの名称を説明できる。
・イオン結合について説明できる。
・イオン結合性物質の性質が説明できる。
・イオン性結晶がどのようなものか理解できる。
6週 共有結合
配位結合
錯イオン
・共有結合がどのようなものか説明できる。
・構造式や電子式により分子を書き表すことができる。
・代表的な分子の形がわかる。
・配位結合がどのようなものか説明できる。
・錯イオンがどのようなものか説明できる。
・代表的な錯イオンのイオン式を書くことができる。
・代表的な錯イオンの名称を書くことができる。
7週 分子からなる物質
高分子化合物
分子間にはたらく力
共有結合結晶
金属結合
・代表的な分子からなる物質の性質と利用例を説明できる。
・高分子化合物の特徴を理解し, 分類することができる。
・ポリエチレンの合成反応〔付加重合〕を説明できる。
・ポリエチレンテレフタラートの合成反応〔縮合重合〕を説明できる。
・電気陰性度と分子の形から分子の極性の有無を判断することができる。
・分子間にはたらく力を2つ説明することができる。
・分子間力の強さと沸点の高さの関係を説明できる。
・代表的な分子結晶の構造や性質を説明することができる。
・代表的な共有結合結晶の構造や性質を説明することができる。
・自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。
・金属の性質が説明できる。
・代表的な金属の特徴や用途を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 化学で扱う数値
原子量・分子量・式量
・測定値と誤差を理解し, 有効数字を考慮した計算ができる。
・原子の相対質量を説明することができる。
・天然に存在する原子が同位体の混合物であり, その相対質量の平均値として原子量を用いることを理解できる。
・分子量/式量がどのような意味を持つか理解できる。
10週 アボガドロ数と物質量 ・アボガドロ定数を理解し, 物質量〔mol〕を用い物質の量を表すことができる。
 1) 物質量から粒子の個数, 粒子の個数から物質量が計算できる。
 2) 物質量から物質の質量, 物質の質量から物質量が計算できる。
 3) 物質量から気体の体積, 気体の体積から物質量が計算できる。
・気体の密度を使った計算ができる。
・見かけの分子量の計算ができる。
11週 化学反応式 ・化学反応式を反応物, 生成物, 係数を理解して組み立てることができる。
 1) 目算法を使用して, 化学反応式が作れる。
 2) 未定係数法を使用して, 化学反応式が作れる。
 3) イオン反応式を作ることができる。
12週 化学反応式の量的関係 ・化学反応を用いて化学量論的な計算することができる。
・過不足のある反応について, 化学量論的な計算ができる。
13週 溶液の濃度
溶解度
・電離について説明でき, 電解質と非電解質の区別ができる。
・水への溶質の溶解を水和という概念を用いて説明できる。
・質量パーセント濃度の説明ができ, 質量パーセント濃度の計算ができる。
・モル濃度の説明ができ, モル濃度の計算ができる。
・溶解度の計算問題を比を用いて解くことができる。
・水和水を持つ物質の溶解度の計算問題を解くことができる。
・再結晶の計算問題を解くことができる。
14週 酸と塩基の性質・定義 ・酸と塩基の定義(アレーニウス, ブレンステッド・ローリー)が説明できる。
・酸と塩基の化学式から酸と塩基の価数をつけることができる。
・電離度から酸と塩基の強弱が説明できる。
15週 水素イオン濃度とpH ・水の電離を説明でき, 25 ℃の純水の[H+], [OH-]の値を答えることができる。
・pHから水素イオン濃度が計算できる。また, 水素イオン濃度をpHに変換できる。
・水溶液の希釈とpHの関係を説明することができる。
・pH指示薬の例を4つあげ, 色の変化と変色域を答えることができる。
16週 定期試験答案返却
後期
3rdQ
1週 中和反応
・中和反応がどのような反応であるか説明できる。
・中和反応の量的関係を理解し, 中和反応の計算問題を解くことができる。
・塩を組成の違いで分類することができる。
・塩を水溶液にした時の性質を説明できる。
2週 中和滴定
滴定曲線
・中和滴定の計算ができる。
・滴定曲線の違いを説明することができる。
3週 酸化と還元 ・化学反応式を見て酸化・還元反応を判断できる。
4週 酸化数 ・様々な化合物やイオンの酸化数を計算することができる。
・酸化数の変化から酸化・還元反応を判断することができる。
5週 酸化剤と還元剤 ・化学反応式を見て酸化剤・還元剤を区別することができる。
・酸化剤, 還元剤の半反応式をつくることができる。
6週 電子の授受と反応式 ・酸化剤, 還元剤の半反応式から化学反応式をつくることができる。
・酸化還元反応の計算問題を解くことができる。
7週 酸化還元反応の量的関係 ・酸化還元滴定の計算問題を解くことができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 金属のイオン化傾向
金属の反応性
・イオン化傾向について説明できる。
・金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。
・イオン化列を何も見ないですべて書くことができる。
・乾燥空気,水,酸と反応する金属をそれぞれ区別することができる。
10週 電池の原理 ・一次電池の種類を知っている。
・二次電池の種類を知っている。
11週 酸化還元反応の利用 -電池- ・ダニエル電池について, その反応が説明できる。
・鉛蓄電池について, その反応が説明できる。
12週 酸化還元反応の利用 -電気分解- ・電気分解を電子の授受から説明できる。
・様々な電解質水溶液の電気分解で, 陰極で起こる反応が説明できる。
・様々な電解質水溶液の電気分解で, 陽極で起こる反応が説明できる。
13週 電気分解の量的関係
ファラデーの電気分解の法則
・ファラデーの法則による計算ができる。
・ファラデー定数の使い方をマスターする。
・電気分解の計算問題を解くことができる。
14週 電気分解の応用 ・電気分解の利用として, たとえば電解めっき, 銅の精錬, 金属のリサイクルへの適用など, 実社会における技術の利用例を説明できる。
15週 これまでの復習 ・これまでに学んできたことを総合的に考えて化学を理解することができる。
16週 定期試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前2
水の状態変化が説明できる。3前2
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前2
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前3
同位体について説明できる。3前3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前3
価電子の働きについて説明できる。3前3
原子のイオン化について説明できる。3前4
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前4
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前4
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前4
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前5
イオン結合について説明できる。3前5
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前5
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前5
共有結合について説明できる。3前6
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前6
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前7
金属の性質を説明できる。3前7
原子の相対質量が説明できる。3前9
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前9
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前10
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前10
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前10
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前11
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前12
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前13
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前13
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前13
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3前14
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3前14
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3前14
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前15
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3後2
中和滴定の計算ができる。3後2
酸化還元反応について説明できる。3後3,後4,後5,後6,後7
イオン化傾向について説明できる。3後9
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後9
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後10
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後10
一次電池の種類を説明できる。3後11
二次電池の種類を説明できる。3後11
電気分解反応を説明できる。3後12
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3後14
ファラデーの法則による計算ができる。3後13

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力100100
専門的能力00
分野横断的能力00