計測工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 計測工学
科目番号 0010 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 木下源一郎、実森彰郎 「センシング工学入門」 コロナ社
担当教員 卜 楠

到達目標

本科目は計測工学に係る計測システムの基本構成と処理方法、及びにセンサの基本原理と技術について理解と説明能力の獲得を目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
計測の基本考え方と計測システムの構成について評価する計測の基本概念とセンシングシステムの構成要素を理解し、実際の計測システムを機能要素部分に分け、その計測方式を説明できる。計測の基本概念とセンシングシステムの構成要素を理解し、代表的な計測システムを要素部分に分けられる。また、計測方式を説明できる。計測の基本概念とセンシングシステムの構成要素について理解できない。
計測誤差とその基本処理について評価する計測データの誤差とその原因について理解し、計測目的に合わせてデータ処理の方法を考案できる。計測データの誤差とその原因について理解し、誤差を処理するための代表的なデータ処理方法を説明できる。計測データの誤差と代表的なデータ処理方法を説明できない。
各種物理量の計測センサとセンシングシステムについて評価する計測対象の物理量に合わせたセンサを選定でき、計測システムを構築することができる。各種物理量を計測するセンサの基本原理を理解し、計測システムの計測原理を説明できる。各種物理量を計測するセンサの基本原理と計測システムの計測原理を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-1 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-2 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
計測の技術は工業的な分野にとどまらず、日常のさまざまな場面で用いられている。現在、新機能材料の開発、新しいセンサ素子と計測技術の創出など計測とセンシング技術の発展がすざましい。本講義では、計測技術の基礎概念とともに、代表的なセンサ素子と計測システムを紹介する。さらに、最新の計測技術発展を取り上げて講義を行う。
授業の進め方・方法:
90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められる。授業内容は教科書ベースで、関連知識や最新の技術動向も紹介する。自学自習の効果を確認するために、科目内容と関連する課題でレポートの提出が求められる。
注意点:
計測技術は複数分野を横断する総合的な技術体系で、制御と情報処理を行うために基礎となる技術です。本科目は、ディジタル技術検定(制御部門)と関連が深い。関連する基礎科目は3年次に開講される電気回路や電子回路、電子制御機器学であり、関連する項目を復習して受講することが望まれる。また、システムを組み合わせるインテグレーションという観点から4、5年次に開講される制御工学とも関連が深い。 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本講義の学習内容や目標、評価方法について理解する。
2週 センシング工学の基礎(1) 計測、センシングの概観紹介。計測システムの基本構成と計測技術における考え方を理解できる。
3週 センシング工学の基礎(2) 計測、センシングの概観紹介。計測システムの基本構成と計測技術における考え方を理解できる。
4週 センシング工学の基礎(3) 計測、センシングの概観紹介。計測システムの基本構成と計測技術における考え方を理解できる。
5週 国際単位系 国際単位系の基本を理解し、組立単位を把握できる。
6週 トレーサビリティ(1) トレーサビリティの基本を理解できる。
7週 トレーサビリティ(2) トレーサビリティの基本を理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 計測誤差と誤差の法則 計測データに含まれる誤差の理解、および計測誤差の処理技術基礎について理解する。
10週 センサデータの表現と丸め誤差 計測データに含まれる誤差の理解、および計測誤差の処理技術基礎について理解する。
11週 誤差伝搬の法則 計測データに含まれる誤差の理解、および計測誤差の処理技術基礎について理解する。
12週 センサ素子の基本処理(変換原理) センサ素子の基本処理について理解し、説明できる。
13週 センサ素子の基本処理(計測方法) センサ素子の基本処理について理解し、説明できる。
14週 信号処理(増幅) 典型的な信号処理回路について理解し、説明できる。
15週 信号処理(AD、DA変換) 典型的な信号処理回路について理解し、説明できる。
16週 定期試験回答返却
後期
3rdQ
1週 雑音とその処理 計測の雑音とその処理について理解し、説明できる。
2週 位置、距離計測センサ(1) 位置と距離量を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
3週 位置、距離計測センサ(2) 位置と距離量を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
4週 位置、距離計測センサ(3) 位置と距離量を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
5週 力、圧力計測のセンサ(1) 力と圧力を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
6週 力、圧力計測のセンサ(2) 力と圧力を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
7週 力、圧力計測のセンサ(3) 力と圧力を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 温度、化学量計測のセンサ(1) 温度、化学量を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
10週 温度、化学量計測のセンサ(2) 温度、化学量を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
11週 温度、化学量計測のセンサ(3) 温度、化学量を測定する代表的なセンサとその動作原理を理解し、説明できる。
12週 超音波センサ(1) 超音波センサとその動作原理を理解し、説明できる。
13週 超音波センサ(2) 超音波センサとその動作原理を理解し、説明できる。
14週 光センサ(1) 光センサ素子とその動作原理を理解し、説明できる。
15週 光センサ(2) 光センサ素子とその動作原理を理解し、説明できる。
16週 定期試験回答返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。2前14
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。2前4,前13
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。2前10,前11,後1
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2前5
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。2前6,前7
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。2前15

評価割合

試験レポート課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力201535
専門的能力302050
分野横断的能力10515