科学技術と現代

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 科学技術と現代
科目番号 0095 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 河上正秀・小林秀樹ほか 『変容する社会と人間』 北樹出版 (必要に応じて補足資料を配布)
担当教員 永野 拓也

到達目標

1.科学の正当性の起源と技術との関わりについて理解する。
2.科学技術の方向性と限界について理解する。
3.科学技術とわたしたちの日常的な関わりについて理解する。
4.主体的に問題を考察し,自分の考えを述べることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.科学の正当性の起源と技術との関わりについて理解する。科学の正当性の思想的起源と技術との関わりについて、授業での解説内容を理解するとともに、自分の意見を述べることができる。科学の正当性の思想的起源と技術との関わりについて、授業での解説内容を知識として修得し、説明できる。科学の正当性の思想的起源と技術との関わりについて説明することができない。
2.科学技術の方向性と限界および技術者の責任について理解する。科学技術の方向性と限界および技術者の責任について、授業での解説内容を理解するとともに、自分の意見を述べることができる。科学技術の方向性と限界および技術者の責任について、授業での解説内容を理解し、説明することができる。科学技術の方向性と限界および技術者の責任について説明することができない。
3.科学技術とわたしたちの日常的な関わりについて理解する。科学技術の発展によってわたしたちの日常の社会的関係にもたらされる変容と、維持すべき基礎的な社会的関係の性格について理解し、自分の意見を述べることができる。科学技術の発展によってわたしたちの日常の社会的関係にもたらされる変容と、維持すべき基礎的な社会的関係の性格について理解し,説明することができる。科学技術の発展によってわたしたちの日常の社会的関係にもたらされる変容と、維持すべき基礎的な社会的関係の性格について説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代社会が科学技術に依存し支えられる度合いが深まるにつれ、技術者の責任と役割は大きくなっている。本科目では科学技術への信頼の根拠、その成果と現代社会への影響を理解し、科学技術の役割と限界について考察することを通じて、技術者としての責務について自覚することを目標とする。
授業の進め方・方法:
主として講義による。具体的な問題について受講者が自らの問題として考えるためにグループディスカッション等も予定している。
注意点:
授業を通じて基本的な知識を得る。また新聞などの各種メディアを通じて主体的に情報を集め、現代社会の様々な問題・私たちの課題について理解することに務める。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス:本科目の内容について 現代社会における科学技術の重要性を把握し、技術者の役割や責務について学ぶ意義を理解し,説明できる
2週 科学の正当性:機械としての自然・利用対象としての自然 自然の数理的取り扱いの由来と自然の利用の関係、この関係のもとで科学が自然利用としての技術を正当化する状況について理解し、説明できる。
3週 社会によって条件づけられる「科学の正当性」 科学技術の発展は絶えず社会に準拠することで方向づけられること、しかし科学技術がその方向のもとで社会に及ぼす影響を検知し方向修正することが科学技術そのものにとってはむつかしいことを理解し、説明できる。
4週 科学技術の方向性と限界(1)技術者の責任 技術者は企業の一員として雇用される場合、産業・経済から科学技術が被る制約を引き受ける存在となる一方、社会に対して安全性を担保する責任があり、ジレンマに陥りやすいことを理解し、説明できる。
5週 科学技術の方向性と限界(2)リスク評価 科学技術にとって、確率論を用いたリスク評価という手法が、具体的かつ安全な体制を定めるうえで重要であることを理解し、説明できる。
6週 科学技術の方向性と限界(3)リスク評価の限界 リスク評価の困難な場合として、事象の特性、評価者の先入観が挙げられること、科学技術が自認しにくい先入観ゆえにリスク評価が絶対無謬とみなされうることを理解し、説明できる。
7週 ディスカッション 前半の講義内容の主要な論点を論題として、具体的な事例を提示し、自分の考えをまとめることができる。
8週 前期前半の振り返り
小論文演習
前半の学習内容について、自分自身の理解度を確認する。自分の考えをまとめ,小論文を作成することができる。
2ndQ
9週 二種類の人間関係と技術構成的な社会(1) 対峙的な人間関係と鳥瞰的な人間関係、および両者と科学技術の関わりについて理解し、説明できる。
10週 二種類の人間関係と技術構成的な社会(2) 人間関係の鳥瞰的な展望が携帯電話などの通信機器の発展を促し、生活を合理化するとともに個人間の関係を全体化することを理解し、説明できる。
11週 客観的身体と現象的身体 測定可能なメカニズムとしての身体と、運動の内的な認知の連なりとしての身体の関係を、鳥瞰的な人間関係と対峙的な人間関係に関連づけて理解し、説明できる。
12週 技術の中立性・媒介の地位・みえない領域 「使用者を問わない技術の中立性」という考え方の問題点、媒介としての技術は目立たなくなるほうが有効であること、技術には明示されない背後があることについて理解し、説明できる。
13週 強化と共感 技術を用いて自分の能力を向上させようとすることの社会的な観点からの問題点と、対峙的な関係の拠りとなる他者への関わりについて理解し、説明できる。
14週 ディスカッション 対峙的関係を復権させる技術はあるか ここまでの講義内容を踏まえて、媒介として利用されるのではなく対峙によって人間の関与を引き出す技術製品がないか調査し、自分の考えを述べることができる。
15週 前期後半の振り返り
小論文演習
講義全体を通して技術者の役割,責務等について考察し、主張を提示する。自分の考えをまとめ,小論文を作成することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

レポート発表その他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000