音響工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 音響工学
科目番号 0129 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 プリント配布
担当教員 中島 栄俊

到達目標

1.音を信号として取り扱うことができる
2.音を解析して、その特徴を見いだすことができる
3.音を知覚するメカニズムについて理解し、説明できるようになる
4.音の3大要素である、大きさ、高さ、音色について、物理量と心理量に分けて説明・計算できるようになる。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1音響信号の表現方法、量子化手法、スペクトル、位相等について説明ができ、実信号においてそれらを求めることができる.また、コンピュータ言語を用いてこれらを実装することができる音響信号のサンプリング手法、量子化手法、スペクトル、位相等について説明ができる。音響信号のサンプリング手法、量子化手法、スペクトル、位相等について説明することができない。
評価項目2フィルタの設計手法について説明できる.また、それぞれのフィルタをシミュレーションを通して設計できる.また実際のインパルス応答からその逆フィルタを求めることができる。フィルタの設計手法について説明できる.また、それぞれのフィルタをシミュレーションを通して設計できる.フィルタの設計手法について説明することができない。逆フィルタの役割について説明することができない。
評価項目3人間が音を捉える際の心理量について、物理量と併せて説明でき、その違いについて論理的に述べることができる人間が音を捉える際の心理量について、物理量と併せて説明できる人間が音を捉える際の心理量について、物理量と併せて説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
音響システムの基礎と様々な分野で用いられている音響システムの概説、それらが抱える問題点・解決手法について以下の内容を中心に説明する。同時に人間が音を捉える際の心理量と音の物理量との違いについて説明を行う。講義内容に関して、コンピュータシミュレーションでアルゴリズムを動作させ、その結果について議論する。
授業の進め方・方法:
本授業では、音響信号処理について講義する。同時にコンピュータシミュレーションを行い、実際に処理を動作させてそれぞれの処理を体験する。
注意点:
信号処理に関する知識を身につけておくことが望ましい
指定したレポートは期限内に提出すること
1単位(15時間の授業)あたり30時間の自学学習が求められます.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 音と信号 AD変換とDA変換およびその特性1 信号の表現方法、AD変換・DA変換およびそれらの特性について説明ができる。また、ハイレゾ音源等に使用されるサンプリング手法について説明できる。
2週 音と信号 AD変換とDA変換およびその特性2 同上
3週 音と信号 AD変換とDA変換およびその特性3 同上
4週 音信号のスペクトル表現1 信号を解析し、時間波形から周波数成分を算出できる。また、信号の周波数特性からその信号の特徴量を見いだすことができる。
5週 音信号のスペクトル表現2 同上
6週 音信号のスペクトル表現3 同上
7週 窓関数 信号解析における窓関数の役割とその特性について説明できる
8週 音信号のスペクトログラム1 任意の音声・音響信号のスペクトログラムを自信で計算して表示させることができる。また、そのスペクトログラムから特徴量を見いだすことができる。
2ndQ
9週 音信号のスペクトログラム2 同上
10週 ノイズリダクション1 SS法、MV法などを用いて任意の信号からノイズを除去することができる。また、個々のアルゴリズムについて説明できる。
11週 ノイズリダクション2 同上
12週 ノイズリダクション3 同上
13週 フィルタの設計1 帯域フィルタや任意のフィルタ(適応フィルタや逆フィルタ)について説明ができるとともに設計ができる。
14週 フィルタの設計2 同上
15週 フィルタの設計3 同上
16週 レポート返却
後期
3rdQ
1週 聴覚抹消系の構造 1 外耳と中耳の仕組みと、それによって変化する音の特徴について説明できる
2週 聴覚抹消系の構造 2 内耳の生理学的構造と、音信号が神経信号に変換される仕組みについて説明できる
3週 聴覚抹消系の構造 3 音信号の物理的変化に対する聴神経の応答について説明できる
4週 音の大きさの知覚 1 刺激の変化に対する感覚の変化のモデルについて説明できる
5週 音の大きさの知覚 2 音の大きさに影響する物理的要因や音の大きさを表す尺度について説明できる
6週 音の大きさの知覚 3 聴覚障害特有の音の大きさの知覚について説明できる
7週 音の高さの知覚 1 音の高さに影響する物理的要因や音の高さを表す尺度について説明できる
8週 音の高さの知覚 2 聴覚抹消系の構造と音の高さの知覚の関係について説明できる
4thQ
9週 音の高さの知覚 3 聴覚抹消系の構造と音の高さの知覚の関係について説明できる
10週 マスキング 1 他の音の存在により音の知覚が困難になる現象であるマスキングについて説明できる
11週 マスキング 2 マスキングが生じる要因を聴覚抹消系の構造から説明できる
12週 両耳聴効果 1 左右の耳で音を聞くことによる効果について説明できる
13週 両耳聴効果 2 左右の耳で音を聞くことによる効果や視覚が音知覚に与える影響について説明できる
14週 音声音響学1 音声生成の原理と音声周波数の特徴について説明できる
15週 音声音響学2 音声生成の原理と音声周波数の特徴について説明できる
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000