メカトロニクス工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 メカトロニクス工学
科目番号 CI502 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 前期:ノートまたはプリント配布、後期:自作プリント、参考書(前期分)/前期分教材:古田勝久編著「メカトロニクス概論」オーム社 、太田博著「機構学」共立出版、川村貞夫他著「制御用アクチュエータの基礎」コロナ社、 松井信行著「アクチュエータ入門」オーム社
担当教員 永田 正伸,寺田 晋也

到達目標

前期:
・メカトロニクスシステムの構成要素を理解し、説明できる.
・リンク機構,カム機構,減速機(歯車)やベルト駆動などの機械要素の原理や役割を理解し、説明できる.
・電動機の駆動原理を理解し、負荷-速度の関係および速度制御方法を説明できる。
・モータの選定演習を通して,基本的なモータアクチュエータ選定手順を理解し、モータ選定ができる.
・学会で開催されるコンペへの応募を通して、メカトロニクス技術の総合的な実装方法や技術的な表現方法を身に付ける。
後期:
・発電について,それぞれの働きと役割について説明できる.
・送電について,構成とその要素について説明できる.
・電力変換に必要な素子と基本的な変換方法について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機構リンク機構,カム機構,減速機(歯車)やベルト駆動などの機械要素の原理や役割を理解し、メカトロシステムに応用できる.リンク機構,カム機構,減速機(歯車)やベルト駆動などの機械要素の原理や役割を理解し、説明できる.リンク機構,カム機構,減速機(歯車)やベルト駆動などの機械要素の原理や役割が説明できない.
電動機電動機の駆動原理を理解し、負荷-速度の関係および速度制御方を応用できる。電動機の駆動原理を理解し、負荷-速度の関係および速度制御方法を説明できる。電動機の駆動原理を理解し、負荷-速度の関係および速度制御方法を説明できない。
モータの選定設計モータの選定演習を通して,基本的なモータアクチュエータ選定手順を理解し、モータ選定ができる.モータの選定演習を通して,基本的なモータアクチュエータ選定手順を理解し、説明できる。基本的なモータアクチュエータ選定手順を理解・説明できない。
発電 日本で使われている発電(水力,火力,原子力など)の原理ついて説明できる.また,それぞれの発電の主要設備についてすべて説明できる. 水力,火力,原子力発電の原理ついて説明できる.また,それぞれの発電の主要設備について,おおかた説明できる. 水力,火力,原子力発電の原理ついて,説明できない.
送電 日本の送電システムについて説明できる.また,変圧器の基本的な原理,等価回路や特性について説明できる. 日本の送電システムについて説明できる.また,変圧器の基本的な原理や等価回路について説明できる. 日本の送電システムについて説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期:メカトロニクスとは,電子制御技術により機械装置を駆動するシステムの総称と捉えることができ,商品単体としても生産技術としても現在では最も基本的で重要な技術である.すなわち,メカトロニクスでは,機械システム,電子制御システム,センシング,アクチュエータ,およびそれらを有機的に接続するインターフェイス等の技術が扱われる.本講義では,これらの要素技術の内、主に機械システムおよび電動機の修得を行う.
後期:電気エネルギーの発生や輸送システムについて学修する.具体的には,水力,火力,原子力などの発電や日本における送電システムについて学修する.
授業の進め方・方法:
前期:
 講義形式で、メカトロニクスの要素技術である機構および電動機について学ぶ。授業はノート中心で行い、併せて具体的な製品等の紹介も行う。
後期:
 講義形式で行う.
注意点:
規定授業時間数:60単位時間
この科目では、1単位あたり15時間の自学自習が求められます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス メカトロニクスの基本的な要素および構成を理解し、説明できる。
2週 機構(1):リンク機構1 リンク機構の構造と役割を理解し、説明できる。
3週 機構(2):リンク機構2 各リンク機構の特徴と用法を説明できる。
4週 機構(3):カム機構1 いろいろな種類のカム機構の構成と役割を理解し、説明できる。
5週 機構(4):カム機構2 簡単なカムを設計できる。
6週 機構(5):歯車機構1 いろいろな種類の歯車の構造と役割を理解し、説明できる。
7週 機構(6):歯車機構2 ・歯車の歯の構造原理を理解し、説明できる。
・歯車列による減速・増速原理を理解し、減速比を計算できる。
8週 アクチュエータ
ソレノイド
・いろいろな種類のアクチュエータの特徴と用途を理解し、説明できる。
・ソレノイドの動作原理を理解し、説明できる。
2ndQ
9週 誘導電動機(1):回転原理 誘導電動機の回転原理を理解し、説明できる。
10週 中間試験 前期前半に学習した内容の問題が解ける。
11週 試験解答、答案返却
誘導電動機(2):速度制御
同期電動機
・回転磁界と電気子の回転速度の関係を理解し、速度制御方式について説明できる。
・同期電動機の回転原理を理解し、説明できる。
12週 ステッピングモータ ステッピングモータの回転原理を理解し、説明できる。
13週 サーボモータの容量選定(1) サーボモータの容量選定手順を理解し、簡単な例題を解くことができる。
14週 サーボモータの容量選定(2) サーボモータの容量選定手順を理解し、簡単な例題を解くことができる。
15週 定期試験 前期後半に学習した問題を解くことができる。
16週 試験回答、答案返却
外部コンぺ参加
関係する学会等で開催されるコンペに応募する。
後期
3rdQ
1週 外部コンぺ参加プレゼン 関係する学会等で開催されるコンペ案を、プレゼンテーションする。
2週 水力発電(1) 水力発電の構成・原理,落差を得る方法による分類,流量の利用による分類,ベルヌ-イの定理について説明できる.
3週 水力発電(2) 理論水力,発電機出力,水車の種類(反動水車,衝動水車),比速度について説明できる.
4週 火力発電(1) 火力発電の構成・原理,蒸気と熱サイクル(ランキンサイクル),燃料系統(重油,LNG,石炭),ボイラの種類(自然循環ボイラ,強制循環ボイラ,貫流ボイラ)について説明できる.
5週 火力発電(2) 冷却系統(復水器),熱サイクルと熱効率について説明できる.また,発電による熱の有効利用について説明できる.
6週 原子力発電(1) 原子力発電の原理,原子核・質量欠損,核分裂エネルギーについて説明できる.
7週 原子力発電(2) 原子燃料と原子炉の構成,原子炉・原子燃料サイクルについて説明できる.
8週 中間試験 水力・火力・原子力発電について,中間試験を通して,理解度を確認し,内容を理解する.
4thQ
9週 中間試験テスト返却 水力・火力・原子力発電について,中間試験を通して,理解度を確認し,内容を理解する.
10週 電力システムの構成 電力システムの構成およびその構成要素について説明できる.また,交流および直流送配電方式について説明できる。
11週 現在の発送電システム 発電システムの構成,スマートグリッド,発送電分離について説明できる.
12週 変圧器(1) 変圧器の原理や等価回路について説明できる。
13週 変圧器(2) 変圧器の特性(電力変動率,短絡インピーダンス)と電力損失について説明できる.
14週 電力変換装置 各種パワー半導体デバイスと電力変換の原理について説明できる。
15週 定期試験 送電について,定期試験を通して,理解度を確認し内容を理解する.
16週 定期試験テスト返却 送電について,定期試験を通して,理解度を確認し内容を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力誘導機の原理と構造を説明できる。2
同期機の原理と構造を説明できる。2
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。2
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。2
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。2
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。2
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。2
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。2
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。2
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。2
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。2

評価割合

前期試験コンペ応募自学ノート後期試験後期:レポートポートフォリオ合計
総合評価割合3512335150100
基礎的能力0000000
専門的能力3512335150100
分野横断的能力0000000