到達目標
技術の進歩により、周りの状況を理解し、今何をすべきかを決め、それを実行に移すことができる自動化システムが出現した。知能と自律性を備えた賢い機械の力により人の負担は大きく軽減したが、それまでに考えられなかった現象、例えば人と機械の意図が対立するような現象が出現するようになった。このような問題に対応するため、人と機械が共存するシステムをいかにデザインするかについて、ヒューマンファクターの観点から理解し、説明できるようになる。次に、エルゴノミクスという意味での人間工学の観点から、介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを行い、身体的なものに限らず経済的や感情的、デジタルなどあらゆる領域でこれまでの製品・サービスから排除されていた人々を、企画・開発の初期段階から巻き込んで、一緒に考えていくデザイン手法について理解し、自らのアイデアを表現できるようになる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
人と機械が共存するシステム | 人と機械が共存できるシステムをデザインするための工学的手段を理解し、系統立てて説明できる。また、期限内に所定のレポートを高い完成度で提出できる。 | 人と機械が共存できるシステムをデザインするための工学的手段を概ね理解し、説明できる。また、期限内に所定のレポートを概ね提出できる。 | 人と機械が共存できるシステムをデザインするための工学的手段を理解しておらず、説明できない。また、期限内に所定のレポートを提出できない。 |
ヒューマンマシンインターフェースとヒューマンマシンインタラクション | 理想的な支援を実現するうえで、重要な役割を演じる2つのHMIについて理解し、具体例を挙げて説明できる。また、期限内に所定のレポートを高い完成度で提出できる。 | 理想的な支援を実現するうえで、重要な役割を演じる2つのHMIについて概ね理解し、説明できる。また、期限内に所定のレポートを概ね提出できる。 | 理想的な支援を実現するうえで、重要な役割を演じる2つのHMIについて理解しておらず、説明できない。また、期限内に所定のレポートを提出できない。 |
介護・福祉機器 | 介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを行うことができる。製品・サービスから排除されていた人々を、企画・開発の初期段階から巻き込んで、一緒に考えていくデザイン手法について理解し、実践できる。また、期限内に所定のレポートを高い完成度で提出できる。 | 介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを概ね行うことができる。製品・サービスから排除されていた人々を、企画・開発の初期段階から巻き込んで、一緒に考えていくデザイン手法について概ね理解している。また、期限内に所定のレポートを概ね提出できる。 | 介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを概ね行うことができない。製品・サービスから排除されていた人々を、企画・開発の初期段階から巻き込んで、一緒に考えていくデザイン手法について理解していない。また、期限内に所定のレポートを提出できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
技術の進歩により、周りの状況を理解し、今何をすべきかを決め、それを実行に移すことができる自動化システムが出現した。知能と自律性を備えた賢い機械の力により人の負担は大きく軽減したが、それまでに考えられなかった現象、例えば人と機械の意図が対立するような現象が出現するようになった。このような問題に対応するため、人と機械が共存するシステムをいかにデザインするかについて、ヒューマンファクターの観点から理解する。次に、エルゴノミクスという意味での人間工学の観点から、介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを行い、身体的なものに限らず経済的や感情的、デジタルなどあらゆる領域でこれまでの製品・サービスから排除されていた人々を、企画・開発の初期段階から巻き込んで、一緒に考えていくデザイン手法について理解する。
授業の進め方・方法:
人と機械の共生について、輪講形式で理解を深める。中間試験は実施しない。介護・福祉器具については、アイデアデザインを行い学生間でピアレビューを行う。
注意点:
この科目では、調査活動やレポート作成などで年間に30時間の自学自習を課します。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
人と高度技術システムのミスマッチ |
自動化の進展の歩みを理解し、人と機械が共存できるシステムのデザインを理解し、説明できる。
|
2週 |
状況認識(1) |
人と高度技術のミスマッチについて学び、説明できる。
|
3週 |
状況認識(2) |
SHELモデルとC-SHELモデルを理解し、説明できる。
|
4週 |
状況認識(3) |
C-SHELモデルを用いて状況認識の記述ができる。
|
5週 |
人の情報処理過程とヒューマンエラー(1) |
知覚・状況理解などにおけるさまざまな失敗を理解し、説明できる。
|
6週 |
人の情報処理過程とヒューマンエラー(2) |
知覚・状況理解などにおけるさまざまな失敗を理解し、説明できる。
|
7週 |
人の情報処理過程とヒューマンエラー(3) |
機械による人支援を理解し、説明できる。
|
8週 |
人の情報処理過程とヒューマンエラー(4) |
機械による人支援を理解し、説明できる。
|
2ndQ |
9週 |
人間中心の自動化(1) |
人間中心の自動化の事例について理解し、説明できる。
|
10週 |
人間中心の自動化(2) |
人間中心の自動化の事例について理解し、説明できる。
|
11週 |
人間中心の自動化(3) |
人間中心の自動化の問題点を理解し、説明できる。
|
12週 |
人間中心の自動化(4) |
人間中心の自動化の問題点を理解し、説明できる。
|
13週 |
人と機械の間での機能配分(1) |
静的な機能配分を理解し、説明できる。
|
14週 |
人と機械の間での機能配分(2) |
動的な機能配分を理解し、説明できる。
|
15週 |
人と機械の間での機能配分(3) |
自動化のレベルについて理解し、説明できる。
|
16週 |
前期期末試験答案返却 |
前期期末までの学習範囲について到達度を確認し、改善することができる。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
人が機械を知り、機械が人を知る(1) |
ヒューマンマシンインターフェースを理解し、説明できる。
|
2週 |
人が機械を知り、機械が人を知る(2) |
ヒューマンマシンインタラクションを理解し、説明できる。
|
3週 |
人が機械を知り、機械が人を知る(3) |
権限委譲の自動化レベルを理解し、説明できる。
|
4週 |
人が機械を知り、機械が人を知る(4) |
権限委譲の自動化レベルを理解し、説明できる。
|
5週 |
インクルーシブデザイン(1) |
インクルーシブデザイン手法について理解し、説明できる。
|
6週 |
インクルーシブデザイン(2) |
インクルーシブデザイン手法について理解し、説明できる。
|
7週 |
介護・福祉機器の考案(1) |
介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを行うことができる。
|
8週 |
介護・福祉機器の考案(2) |
介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを行うことができる。
|
4thQ |
9週 |
介護・福祉機器の考案(3) |
介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを行うことができる。
|
10週 |
介護・福祉機器の考案(4) |
介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを行うことができる。
|
11週 |
介護・福祉機器の考案(5) |
介護・福祉器具サービス、システムなどへの新たな発想のデザインを行うことができる。
|
12週 |
介護・福祉機器の実現に向けて(1) |
考案・デザインした福祉機器のアイデアをパワーポイント等を用いスライドで表現できる。
|
13週 |
介護・福祉機器の実現に向けて(2) |
考案・デザインした福祉機器のアイデアをパワーポイント等を用いスライドで表現できる。
|
14週 |
介護・福祉機器の実現に向けて(3) |
考案・デザインした福祉機器のアイデアをパワーポイント等を用いスライドで表現できる。
|
15週 |
介護・福祉機器の実現に向けて(4) |
考案・デザインした福祉機器のアイデアをパワーポイント等を用いスライドで表現できる。
|
16週 |
後期期末試験答案返却 |
後期期末までの学習範囲について到達度を確認し、改善することができる。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | コンピュータシステム | システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。 | 2 | 前9,前10,前11,前12 |
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。 | 2 | 前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4 |
評価割合
| 試験 | レポート | プレゼンテーション | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 50 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 20 | 30 | 10 | 60 |
分野横断的能力 | 10 | 20 | 10 | 40 |