情報工学基礎演習I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 情報工学基礎演習I
科目番号 HI1104 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 プリント
担当教員 山本 直樹,合志 和洋,中野 光臣

到達目標

(1) 電気を利用した身近な製品についての基礎知識を身につけることができる.
(2) 小型モーターカーを製作・改良できる.
(3) 回路素子の基礎知識を身につけ,簡単なブロック単位での回路動作を理解し説明できる.
(4) マイコンロボットを作製し,その制御用プログラムを組み込んで動作できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電気の基礎知識テスターの概要、製作・校正方法を良く理解でき、きちんと校正され、確実に動作するテスターを製作できる。テスターの概要、製作・校正方法を理解でき、きちんと校正され、確実に動作するテスターを製作できる。テスターの概要、製作・校正方法を一部しか理解できず、きちんと校正され、確実に動作するテスターを製作できない。
小型モーターカーの製作小型モーターカーの設計図を良く理解でき、組み立てるとともに速度の向上を図ることができる。小型モーターカーの設計図を理解でき、組み立てることができる。小型モーターカーの設計図を理解できず、組み立てることができない。
電子ブロックの回路理解電子ブロックの取り扱い、基本回路・応用回路の動作を良く理解でき、平均よりかなり多い個数の実験をこなすことができる。電子ブロックの取り扱い、基本回路・応用回路の動作を理解でき、平均的な個数の実験をこなすことができる。電子ブロックの取り扱い、基本回路・応用回路の動作を一部しか理解できず、平均よりかなり少ない個数の実験しかこなせない。
マイコンロボットの制御マイコンロボットの構成をよく理解でき,高速かつ正確なプログラムを作成することができる.マイコンロボットの構成を理解でき,プログラムを作成することができる.マイコンロボットの構成を理解できず,プログラムを作成することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
身近な電気・電子・情報機器のしくみの理解,ロボットの設計・製作,学研の電子ブロックを用いた各種電気・電子回路の実験を通して,電気・電子回路の基礎知識を体験的に学習する.また,ロボットの製作や,身近な素材からL,R,Cなど回路素子の製作を行って電子ブロックと組み合わせて動作を確認するなど,ものづくり体験も合わせて行う.
授業の進め方・方法:
専門科目の導入部において,簡単なものづくりやプログラミングを通じて,楽しみながら工学技術に触れさせる.
注意点:
2単位 60時間.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子ブロック(1) 基本的な素子の説明とブロックの確認  学研の電子ブロックを用いた各種電気・電子回路の実験を通して、電気・電子回路の基礎知識を体験的に習得できる。
2週 電子ブロック(2) 基礎的な回路の実験 同上
3週 電子ブロック(3) アンプの実験 同上
4週 電子ブロック(4) ラジオの実験 同上
5週 電子ブロック(5) マルチバイブレータ、発振回路の実験 同上
6週 基礎電気学Ⅰに関する実験(1) オームの法則  電気回路における最も基本的な法則であるオームの法則について、簡単な実験を通し理解を深め、併せて測定器の操作することができる。
7週 テスターの製作(1) ガイダンスとパーツのチェック  テスタキットの製作を通じて、簡単な電子工作技術の習得ができる。電子部品の扱い方を体験し、またテスターの校正を通して、計測の初歩を実施できる。
8週 テスターの製作(2) テスターの組み立て 同上
2ndQ
9週 テスターの製作(3) テスターの組み立て 同上
10週 テスターの製作(4) テスターの組み立て 同上
11週 テスターの製作(5) テスターの校正 同上
12週 基礎電気学Ⅰに関する実験(2) キルヒホッフの実験  並列及び直並列接続したときの各端子間の抵抗の抵抗値をテスタで実測して、計算値と比較することで合成抵抗の求めることができる。
 また、回路の各部における電流値や電圧値をテスタで実測し、キルヒホッフの法則が実際に成り立っていることを確認して、キルヒホッフの法則を理解できる。
13週 小型モーターカーの製作(1) ミニ四駆の製作  ダブルシャフトモータを搭載した四輪駆動型の小型モーターカーを製作し,タイムトライアル競技に向けた軽量化等の改良ができる.また,製作した小型モーターカー駆動させ,タイムトライアル競技を行うことができる.
14週 小型モーターカーの製作(2) ミニ四駆の製作と改良 同上
15週 報告書の作成 指定された内容についてまとめることができる.
16週 小型モーターカーの製作(3) ミニ四駆の改良とタイムトライアル 同上
後期
3rdQ
1週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(1) 
ブレッドボードを使用し,LEDを点灯させる基本回路を製作する.
ブレッドボードの使い方を理解する.
LEDを点灯させる基本回路を説明できる.
2週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(2)
論理回路ICを用いて,ブレッドボード上に論理回路を構成する.
真理値表から論理式,回路を説明できる.
論理回路をブレッドボード上に構成できる.
3週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(3)
論理回路ICを用いて,ブレッドボード上に論理回路を構成する.
真理値表から論理式,回路を説明できる.
論理回路をブレッドボード上に構成できる.
4週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(4)
7Seg.LEDを用いて,ブレッドボード上に数字を点灯させる回路を構成する.
LEDを点灯させる基本回路を説明できる.
7Seg.LEDの基本構成,アノードコモン,カソードコモンを説明できる.
5週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(5)
2進数を用いて7Seg.LEDに10進数を点灯するBCD(Binary-coded decimal)回路を構成する.
2進数と10進数の対応を説明できる.
BCDto7Segment Decoder ICを用いて回路を構成できる.
6週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(6)
カウンタICを用いて,1桁の数値をカウントする回路を構成する.
BCDカウンタICを用いて1桁のカウント回路を構成できる.
7週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(7)
カウンタICを用いて,2桁の数値をカウントする回路を構成する.
BCDカウンタICを用いて2桁のカウント回路を構成できる.
8週 報告書の作成 指定された内容についてまとめることができる.
4thQ
9週 環境理解型ロボットの制御(1) ロボットの分解および部品チェック  マイコンロボットの構造とプログラミングの概要について理解し,取り扱うことができる.
10週 環境理解型ロボットの制御(2) ロボットの組み立て 同上
11週 環境理解型ロボットの制御(3) ライントレースのプログラミングと動作チェック 同上
12週 環境理解型ロボットの制御(4) ライントレースのプログラミングと動作チェック 同上
13週 環境理解型ロボットの制御(5) ライントレースの動作チェックとタイムトライアル 同上
14週 基礎電気学Ⅰに関する実験(3) コンデンサの実験  抵抗やインダクタなどのように電気回路における基本的な素子であり、様々な工学製品で使用されているコンデンサについて、特性を測定し、その働きを理解できる。
15週 報告書の作成 指定された内容についてまとめることができる.
16週 環境理解型ロボットの制御(6) ライントレースのタイムトライアル  マイコンロボットの構造とプログラミングの概要について理解し,取り扱うことができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。2
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。2
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。3
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。3
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。3
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。3
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。3
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00