基礎電気学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 基礎電気学II
科目番号 HI1201 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気基礎(上) コロナ社
担当教員 小山 善文

到達目標

磁力・磁界・磁束密度の概念の理解、電流が作る磁界及び電磁力についての定性的な理解ができ、ファラデーの法則などの電流と磁界との定式化を理解する。電磁誘導についての定性的な理解と誘導起電力、自己インダクタンスの計算ができる。正弦波交流の表し方(瞬時式、ベクトル、位相)を理解し、基本素子(R、L、C)による基本的な交流回路の計算解析ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電流の作る磁界磁性に関する現象、磁気に関するクーロンの法則を理解し、磁力と磁界の関係式、磁束と磁束密度の関係式を用いて計算でき、電流の作る磁界の強さと電磁力の大きさを正確に計算できる。磁性に関する現象、磁気に関するクーロンの法則を理解し、磁力と磁界の関係式、磁束と磁束密度の関係式を用いて計算でき、電流の作る磁界の強さと電磁力の大きさを計算できる。磁性に関する現象、磁気に関するクーロンの法則、磁力と磁界の関係式が理解できず、磁束と磁束密度の関係式を用いて計算できず、電流の作る磁界の強さと電磁力の大きさを計算できない。
インダクタンスインダクタンスと誘導起電力の関係を用いてインダクタンスを正確に計算できる。インダクタンスと誘導起電力の関係を用いてインダクタンスを計算できる。インダクタンスと誘導起電力の関係を用いてインダクタンスを計算できない。
交流回路RLC回路の電圧、電流の関係をベクトル図で表現でき、RLC交流回路の計算ができ、直列共振および交流電力について正確に計算ができる。RLC回路の電圧、電流の関係をベクトル図で表現でき、RLC交流回路の計算ができ、直列共振および交流電力について計算ができる。RLC回路の電圧、電流の関係をベクトル図で表現でき、RLC交流回路の計算ができず、直列共振および交流電力について計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 本科目は、電気に関する基礎的事項を把握するとともに、電気計測法と電気回路の設計法の原理について理解し、実際の設計や電気測定に応用できる基礎を身に着けることを目標とする。
 電気に関する電磁気の作用として(1)定常電流と磁界(2)電磁誘導の2つについて学ぶ。電気回路の原理として、(3)交流回路について学習し、RLC3素子の正弦波交流に対する性質を学ぶ。
授業の進め方・方法:
前期中間、前期期末、後期中間、後期期末の成績は、定期試験70%と小テスト(レポートや演習を含む)30%で評価する。総合成で60%以上の得点者で目標達成とみなす。
注意点:
質問は随時受け付けるので授業でわからないことは質問に来ること。3年次以降で学習する電気系専門科目に密接に関連しており本理解の十分な理解が求められる。電気(エレクトロニクス)は現代社会の基盤技術なので、確実に理解できるようになりましょう。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 磁力・磁界・磁束密度 磁性に関する現象、磁気に関するクーロンの法則を理解し、磁力と磁界の関係式、磁束と磁束密度の関係式を用いて計算できる。
3週 磁力・磁界・磁束密度 電流の作る磁界の強さ、アンペアの右ネジの法則を理解し説明できる。
4週 磁力・磁界・磁束密度 ビオサバールの法則、アンペアの周回路の法則を理解し説明できる。
5週 電磁力 フレミングの左手の法則が理解できる。
6週 電磁力 モーターのトルクについて理解し、電磁力の大きさを計算できる。
7週 中間試験
8週 試験答案返却
2ndQ
9週 電磁誘導 フレミングの右手の法則を理解し説明できる。
10週 電磁誘導 発電機について理解できる。
11週 磁性体 磁性体について説明できる。
12週 自己インダクタンス インダクタンスを計算できる。
13週 自己インダクタンス インダクタンス値を計算できる。
14週 自己インダクタンス 変圧器、電磁エネルギーについて理解しエネルギーの計算ができる。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却
後期
3rdQ
1週 正弦波交流の表し方 正弦波交流をベクトルで表現できる。
2週 正弦波交流の表し方 正弦波交流をベクトルで表現できる。
3週 正弦波交流の表し方 正弦波交流をベクトルで表現できる。
4週 正弦波交流の表し方 正弦波交流をベクトルで表現できる。
5週 RLC素子からなる交流回路 RLC回路の電圧、電流の関係をベクトル図で表現できる。
6週 RLC素子からなる交流回路 RLC回路の電圧、電流の関係をベクトル図で表現できる。
7週 RLC素子からなる交流回路 交流直列回路の計算ができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験答案返却
10週 RLC素子からなる交流回路 交流並列回路の計算ができる。
11週 RLC素子からなる交流回路 直列共振について理解し説明できる。
12週 RLC素子からなる交流回路 交流電力について理解し説明できる。
13週 RLC素子からなる交流回路 交流電力について理解し説明できる。
14週 RLC素子からなる交流回路 瞬時式、ベクトル、記号法の表現について理解し説明できる。
15週 期末試験
16週 試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。5
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。5
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。5
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。2
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。2
理想変成器を説明できる。1
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。1
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。1
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。1
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。1
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。1
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。1
静電エネルギーを説明できる。2
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。1
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。2
電力直流機の原理と構造を説明できる。1
誘導機の原理と構造を説明できる。1
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。2
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。1
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。1
電力量の測定原理を説明できる。1
オシロスコープの動作原理を説明できる。3
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701002000100
基礎的能力701002000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000