電子回路学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電子回路学
科目番号 HI1302 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 使用教材:家村道雄,小山善文,帆足孝文,中原正俊,坂井栄治,奥高洋,西嶋仁浩「入門電子回路アナログ編」オーム社, 参考書:森本義廣,村上純,中野光臣「よくわかる電気・電子回路計算の基礎」日本理工出版会
担当教員 中野 光臣

到達目標

トランジスタを理解するために半導体の基礎を理解できる.トランジスタを理解するために半導体の基礎を理解できる.トランジスタの基本性能と静特性,動特性を理解できる.基本的なエミッタ接地トランジスタ増幅回路の働きを理解できる.周波数特性は,コンデンサと抵抗によって決まることを理解できる.差動増幅器を含むIC化されたオペアンプ回路を理解し概説できる.エミッタフォロア回路は,入出力インピーダンスの大きさを変換することを理解し概説できる.負帰還回路の働きを学ぶとともに,負帰還増幅回路が周波数特性や雑音特性に優れていることを理解し概説できる.CMOSの特性を理解し,論理回路を構成できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
半導体の基礎トランジスタを理解するために半導体の基礎を理解し説明できる.トランジスタを理解するために半導体の基礎を理解し概説できる.トランジスタを理解するために半導体の基礎を理解できない.
ダイオードの特性ダイオードの特性を理解し説明できる.ダイオードの特性を理解し概説できる.ダイオードの特性を理解できない.
トランジスタの動作原理 トランジスタの接地方式 トランジスタの静特性と動特性トランジスタの基本性能と静特性,動特性を理解し説明できる.トランジスタの基本性能と静特性,動特性を理解し概説できる.トランジスタの基本性能と静特性,動特性を理解できない.
バイアス回路 hパラメータおよび等価回路 CR結合増幅回路 入出力特性と周波数特性 基本的なエミッタ接地トランジスタ増幅回路の働きを理解し説明できる. 周波数特性は,コンデンサと抵抗によって決まることを理解し説明できる.基本的なエミッタ接地トランジスタ増幅回路の働きを理解し概説できる. 周波数特性は,コンデンサと抵抗によって決まることを理解し概説できる.基本的なエミッタ接地トランジスタ増幅回路の働きを理解できない. 周波数特性は,コンデンサと抵抗によって決まることを理解できない.
差動増幅回路 演算増幅器 差動増幅器を含むIC化されたオペアンプ回路を理解し説明できる.差動増幅器を含むIC化されたオペアンプ回路を理解し概説できる.差動増幅器を含むIC化されたオペアンプ回路を理解できない.
負帰還増幅回路エミッタフォロア回路は,入出力インピーダンスの大きさを変換することを理解し説明できる. 負帰還回路の働きを学ぶとともに,負帰還増幅回路が周波数特性や雑音特性に優れていることを理解し説明できる.エミッタフォロア回路は,入出力インピーダンスの大きさを変換することを理解し概説できる. 負帰還回路の働きを学ぶとともに,負帰還増幅回路が周波数特性や雑音特性に優れていることを理解し概説できる.エミッタフォロア回路は,入出力インピーダンスの大きさを変換することを理解できない. 負帰還回路の働きを学ぶとともに,負帰還増幅回路が周波数特性や雑音特性に優れていることを理解できない.
MOSFETの原理 CMOSによる論理回路CMOSの特性を理解し,論理回路を構成し説明できる.CMOSの特性を理解し,論理回路を構成できる.CMOSの特性を理解できず,論理回路を構成できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子回路では,電気回路の知識を基礎としてトランジスタによる増幅作用の概念を学ぶ.トランジスタを構成する半導体の特性を理解し,トランジスタの基礎について学習する.基本的なトランジスタ電子回路について増幅度や周波数特性を学び,等価回路等によって回路の計算を行う.オペアンプ,帰還回路の基本事項を理解する.電子回路の理解は,情報機器や制御機器の設計および操作に不可欠である.
授業の進め方・方法:
本科目は、教科書を用いた講義を中心に行う.
トランジスタの電流増幅作用および静特性,動特性を理解し説明できるようになる.
等価回路を理解し,増幅器の働きを理解し説明できるようになる.
注意点:
主としてハードウェア技術に直結するが,ソフトウェア技術・コンピュータ技術等のバックボーンとして電子回路の基本を身に付けることが望まれる.
規定授業時数は60時間である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 電気回路の復習 電気回路の基礎を計算できる.
3週 半導体の基礎 半導体の基礎を理解し概説できる.
4週 ダイオードの特性 pn接合の特性を理解し説明できる.
5週 トランジスタの動作原理 トランジスタの動作原理を理解し概説できる.
6週 トランジスタの接地方式 トランジスタの接地方式を理解し概説できる.
7週 トランジスタの静特性 トランジスタの静特性を理解し概説できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 トランジスタの静特性と動特性 トランジスタの動特性を理解し概説できる.
10週 トランジスタによる電圧増幅 トランジスタの電圧増幅について理解し概説できる.
11週 バイアス回路 バイアス回路について理解し概説できる.
12週 バイアス回路 バイアス回路について理解し概説できる.
13週 hパラメータおよび等価回路 hパラメータについて理解し概説できる.
14週 hパラメータおよび等価回路 等価回路を作成し回路計算できる.
15週 定期試験
16週 答案返却
後期
3rdQ
1週 CR結合増幅回路 CR結合増幅回路について理解し概説できる.
2週 CR結合増幅回路 CR結合増幅回路について計算,説明ができる.
3週 入出力特性と周波数特性 入出力特性と周波数特性について理解し概説できる.
4週 差動増幅回路と演算増幅器 差動増幅回路の基礎と演算増幅器の特性について理解し概説できる.
5週 演算増幅器 反転増幅器等の基本回路を構成し計算できる.
6週 演算増幅器 反転増幅器等の基本回路を構成し計算できる.
7週 負帰還増幅回路の原理 負帰還増幅回路の原理を理解し概説できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 エミッタホロワ回路 エミッタホロワ回路の回路計算を理解し説明できる.
10週 電流帰還直列注入型負帰還回路 電流帰還直列注入型負帰還回路の回路計算を理解し説明できる.
11週 電流帰還直列注入型負帰還回路 電流帰還直列注入型負帰還回路の回路計算を理解し説明できる.
12週 FETの原理 FETの特徴について理解し概説できる.
13週 CMOSによる論理回路 CMOSの特徴と論理回路について理解し回路を構成できる.
14週 CMOSによる論理回路 CMOSの特徴と論理回路について理解し回路を構成できる.
15週 定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。5前6,前7,前13,前14
FETの特徴と等価回路を説明できる。1後14
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4前9,前10,後3
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4前11,前12
演算増幅器の特性を説明できる。4後4,後5,後6
電子工学真性半導体と不純物半導体を説明できる。2前3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。2前3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3前4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4前5,前6,前7
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。1後12
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000