応用物理

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理
科目番号 HI1402 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 小出昭一郎「物理学」(三訂版)裳華房
担当教員 岡 智典,工藤 友裕

到達目標

1. 力学における基本的物理用語(座標系,質点,加速度,力,慣性,運動量,仕事,保存力,エネルギー保存則,運動量保存則,角運動量保存則,ガリレイ変換)を理解し,運動方程式を使って問題を解くことができる。
2. 熱平衡,温度,エントロピー,状態方程式,自由エネルギー,マクスウェルの関係式,カルノーサイクルを理解し,熱現象に関する問題を解くことができる。
3. ローレンツ変換,質量とエネルギー,加速系と等価原理を理解し,ローレンツ変換式を用いて簡単な問題を解くことができる。
4. 量子仮説,光電効果,コンプトン効果を学び,光を粒子として理解できる。ボーアの原子模型,粒子の波動性を学びシュレディンガー方程式を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1座標系,質点,加速度,力,慣性,運動量,仕事,保存力,エネルギー保存則,運動量保存則,角運動量保存則,ガリレイ変換について,論理的に説明できる。座標系,質点,加速度,力,慣性,運動量,仕事,保存力,エネルギー保存則,運動量保存則,角運動量保存則,ガリレイ変換について,概略を説明できる。座標系,質点,加速度,力,慣性,運動量,仕事,保存力,エネルギー保存則,運動量保存則,角運動量保存則,ガリレイ変換について,概略を説明できない。
評価項目2熱平衡,温度,エントロピー,状態方程式,自由エネルギー,マクスウェルの関係式,カルノーサイクルについて,論理的に説明できる。熱平衡,温度,エントロピー,状態方程式,自由エネルギー,マクスウェルの関係式,カルノーサイクルについて,概略を説明できる。熱平衡,温度,エントロピー,状態方程式,自由エネルギー,マクスウェルの関係式,カルノーサイクルについて,概略を説明できない。
評価項目3ローレンツ変換,質量とエネルギー,加速系と等価原理について,論理的に説明できる。ローレンツ変換,質量とエネルギー,加速系と等価原理について,概略を説明できる。ローレンツ変換,質量とエネルギー,加速系と等価原理について,概略を説明できない。
評価項目4量子仮説,光電効果,コンプトン効果,ボーアの原子模型,粒子の波動性について,論理的に説明できる。量子仮説,光電効果,コンプトン効果,ボーアの原子模型,粒子の波動性について,概略を説明できる。量子仮説,光電効果,コンプトン効果,ボーアの原子模型,粒子の波動性について,概略を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
古典物理学における基本的な対象の捉え方として,ニュートン力学と熱統計力学を取り上げ,質点の力学と熱現象の最も基本的な部分を学ぶ。それを踏まえ,現代物理学の中心としての相対性理論と量子論の初等的な理論を学ぶ。
授業の進め方・方法:
古典物理学を背景に生まれた量子論は現代の情報通信に欠かせぬ半導体の広範な利用,光通信網実現などの道を開いた。これらの現代技術を生み出した背景を理解出来るようにする。理解を深めるため簡単な問題演習も行う。
注意点:
本科目は2,3学年で学んだ物理に続く科目で,更に高度な内容の物理学の講義を行う。
本講義は今後の専門科目の理解に大きく役立つものなので,暗記に頼るのではなく,内容を理解するよう努めてほしい。
本科目は,90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められる。
年間総合評価が60点に満たない場合は、再提出したレポートや再評価試験にて評価する。再評価でも60点に満たない場合は単位を認定しない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質点,ベクトル,変位と速度,加速度 質点,ベクトル,変位と速度,加速度について説明できる。
2週 力と慣性 力と慣性について説明できる。
3週 単振動,単振り子 単振動,単振り子について説明できる。
4週 仕事とエネルギー,保存力とポテンシャル 仕事とエネルギー,保存力とポテンシャルについて説明できる。
5週 運動量と角運動量 運動量と角運動量について説明できる。
6週 万有引力と惑星の運動 万有引力と惑星の運動について説明できる。
7週 慣性モーメントの計算 慣性モーメントの計算について説明できる。
8週 剛体の運動 剛体の運動について説明できる。
2ndQ
9週 中間試験
10週 流速の場 流速の場について説明できる。
11週 ベルヌーイの定理 ベルヌーイの定理について説明できる。
12週 粘性と抵抗 粘性と抵抗について説明できる。
13週 強制振動と共鳴 強制振動と共鳴について説明できる。
14週 波動方程式,幾何光学 波動方程式,幾何光学について説明できる。
15週 定期試験
16週 答案返却
後期
3rdQ
1週 温度,状態方程式,熱力学第1法則 温度,状態方程式,熱力学第1法則について説明できる。
2週 熱容量と比熱,理想気体の断熱変化 熱容量と比熱,理想気体の断熱変化について説明できる。
3週 カルノーサイクル カルノーサイクルについて説明できる。
4週 熱力学第2法則,エントロピー 熱力学第2法則,エントロピーについて説明できる。
5週 気体分子運動論 気体分子運動論について説明できる。
6週 固体の比熱 固体の比熱について説明できる。
7週 自由エネルギー 自由エネルギーについて説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 ローレンツ変換 ローレンツ変換について説明できる。
10週 質量とエネルギー 質量とエネルギーについて説明できる。
11週 加速系と等価原理 加速系と等価原理について説明できる。
12週 光電効果 光電効果について説明できる。
13週 ボーアの量子論 ボーアの量子論について説明できる。
14週 シュレーディンガー方程式 シュレーディンガー方程式について説明できる。
15週 定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1,前2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1,前2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前1,前2
運動方程式を用いた計算ができる。3前2,前12
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前2,前13
運動の法則について説明できる。3前2
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前4,前6,前12
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前5
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前5
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前5
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前6
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前6
力のモーメントを求めることができる。3前5
角運動量を求めることができる。3前5
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前5
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前7,前8
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前8
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後1,後5
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後1,後2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後1,後2,後6
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3後1
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3後1
気体の内部エネルギーについて説明できる。3後1
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3後1,後2,後3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後3,後4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後3,後4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力502070
専門的能力201030
分野横断的能力000