組込みシステム

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 組込みシステム
科目番号 HI1404 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 組込みシステム技術協会 人材育成事業本部:よくわかる組込みシステム開発入門(技術評論社)
担当教員 島川 学

到達目標

・組込みシステムの基本的なハードウェア構成を理解し,説明することができる.
・組込みシステムに必要なソフトウェアの知識を習得し,実装することができる.
・組込みシステムの基本的な開発手法を学び,簡単な組込みシステムを実現することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
組込みシステムのハードウェアマイコンの内部構造を理解し,組込みシステムの全体的なハードウェアについて説明することができる.マイコンの基本内部構造を理解し,組込みシステムの基礎的なハードウェアについて説明することができる.組込みシステムの基礎的なハードウェアについて説明することができない.
組込みシステムのソフトウェアマイコンの機能を理解し,組込みシステムのソフトウェアを記述することができる.マイコンの基本機能を理解し,組込みシステムの基礎的なソフトウェアを記述することができる.組込みシステムの基礎的なソフトウェアを記述することができない.
組込みシステムの開発プロセス開発プロセスについて理解し,基礎的なテスト技法を用いて組込みシステムの検証をすることができる.開発プロセスについて理解し,基礎的なテスト技法を用いた組込みシステムの検証方法を説明することができる.開発プロセスについて理解できない. 基礎的なテスト技法を用いた組込みシステムの検証方法を説明することができない.
組込みシステム設計演習割込みやタイマ,シリアル通信などのハードウェアを活用したプログラムを作成し、動作を検証することができる. 割込みやタイマ,シリアル通信などのハードウェアを活用したプログラムを作成することができる. 割込みやタイマ,シリアル通信などのハードウェアを活用したプログラムを記述できない.
要求分析要求される機能をハードウェアとソフトウェアで実現するための要求分析ができる. 要求される機能を実現するシステム構成ができる.要求される機能をハードウェアとソフトウェアで実現するための要求分析ができる.要求される機能をハードウェアとソフトウェアで実現するための要求分析ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータ制御によって動作する装置は「組込みシステム」と呼ばれ、身の回りにもいろいろな製品が存在する.この授業では組込みシステムを実現するための基本的なハードウェアとソフトウェアについて学び,設計から実装、テストまでの開発プロセスを演習をしながら理解する.
授業の進め方・方法:
この授業では講義と演習を組み合わせながら進める.講義で学んだ知識や方法を演習によって確認し,理解を深める.
(評価方法)前期中間と後期中間で筆記試験を行う.前期期末と後期期末ではレポート課題を課す.
注意点:
講義だけで組込みシステムの知識を全て理解することは難しい.自ら考え,プログラムを作成し,演習装置を用いて試行錯誤的に動作を確認しながら理解を深めることが大切である.
本科目は2単位科目であり,規定授業時数は60時間である.授業以外に30時間の自学自習時間が求められます.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 組込みシステムの基礎 身の回りの組込みシステムを例として、その仕組みを説明できる。
2週 マイコンの構成要素(1) マイコンの基本的なアーキテクチャを説明できる。
マシンサイクルについて説明できる。
3週 マイコンの構成要素(2) メモリの種類や入出力の構成について説明できる。
4週 マイコンの周辺装置(1) シリアル通信について説明できる。
5週 マイコンの周辺装置(2) A/D変換,D/A変換について説明できる。
6週 リアルタイムOSの概要 リアルタイムOSの役割や機能について説明できる。
7週 組込みプログラミングの注意事項 volatile修飾子,エンディアン,割込み処理など,組込みプログラミングで気をつける事項について説明できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験の解説
10週 Arduino実習(1) Arduinoを用いて簡単なハードウェアを構成し、入出力を伴うプログラムを作成し、動作を確認することができる。
11週 Arduino実習(2) 同上
12週 Arduino実習(3) 同上
13週 Arduino実習(4) 同上
14週 Arduino実習(5) 同上
15週 Arduino実習(6) 同上
16週
後期
3rdQ
1週 組込みシステムの開発プロセス(1) 基本的な開発プロセスについて説明できる。
要求分析について説明できる。
2週 組込みシステムの開発プロセス(2) ソフトウェア方式設計,ソフトウェア詳細設計について説明できる。
3週 組込みシステムの開発プロセス(3) ソフトウェアテストについて説明できる。
4週 ソフトウェア設計手法(1) 状態遷移図やシーケンス図などを利用して,ソフトウェア設計ができる。
5週 ソフトウェア設計手法(2) 同上
6週 ソフトウェア設計手法(3) 同上
7週 中間試験
8週 中間試験の解説
4thQ
9週 組込みソフトウェアの作成技法(1) 割込みやタイマを利用したソフトウェアを実装することができる。
10週 組込みソフトウェアの作成技法(2) 同上
11週 組込みソフトウェアの作成技法(3) 同上
12週 要求分析(1) 要求される機能をハードウェアとソフトウェアで実現するための要求分析ができる。
13週 要求分析(2) 同上
14週 要求分析(3) 同上
15週 要求分析(4) 同上
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。4前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力303060
専門的能力202040
分野横断的能力000