オペレーティングシステム

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 オペレーティングシステム
科目番号 HI1409 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 松尾啓志,「オペレーティングシステム[第2版]」,森北出版株式会社
担当教員 大隈 千春

到達目標

オペレーティングシステム(OS)の一つであるUNIXと呼ばれるOSを対象として,その使い方の学習を通して「UNIXシステム・UNIXコマンド」の利用ができ,「プロセス制御とスケジューリング」,「割り込み制御」,「仮想記憶システム」などのメモリ管理,「入出力とファイル制御」といったデバイス管理の仕組みが理解でき,システムにおけるOSの機能や役割を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
UNIXシステム・UNIXコマンドUNIXのファイルシステム,パス,モードなどについて説明でき,ファイルを適切に保護することができる. 主要なUNIXコマンドを十分に使いこなすことができる.UNIXのファイルシステム,パス,モードなどについて説明でき,ファイルを保護について理解できる. 主要なUNIXコマンドについてその利用と動作について説明できるUNIXシステムの利用が十分にできない.
プロセス:処理形態と状態プロセスの状態や処理形態,割り込みの種類,割り込み制御の流れについて説明でき,割込発生時のタイミングチャートを書くことができる.プロセスの状態や処理形態,割り込みの種類,割り込み制御の流れについて説明できるプロセスの状態や処理形態,割り込みの種類,割り込み制御の流れについて説明できない.
プロセス:スケジューリングプロセスの状態とその状態遷移,プロセスのスケジューリングについて説明でき,UNIXのスケジューリングやプロセスの優先度の調整を行うことができるプロセスの状態とその状態遷移,プロセスのスケジューリングについて説明できる.プロセスの状態とその状態遷移,プロセスのスケジューリングについて説明できない.
プロセス:排他制御プロセス制御のために必要な排他制御と同期の仕組みについて説明がよくできる. プロセスのスケジューリングについてタイミングチャート等を用いて,その挙動をよく説明できる.プロセス制御のために必要な排他制御と同期の仕組みについて説明ができる. プロセスのスケジューリングについてその挙動を説明できる.プロセスの排他制御の仕組みについて説明できない.
仮想記憶システム主記憶,仮想記憶の仕組みやスワップやページングについて理解し,説明でき,実アドレスの計算ができる.主記憶,仮想記憶の仕組みやスワップやページングについて理解し,説明できる.主記憶,仮想記憶の仕組みやスワップやページングを理解できない.
入出力とファイル制御入出力制御の仕組み,ファイルシステムの構造について説明できる.ファイルシステムの効率的なアクセス手法を説明でき,利用できる.入出力制御の仕組み,ファイルシステムの構造について説明できる.ファイルシステムの効率的なアクセス手法を説明できる.入出力制御の仕組み,ファイルシステムの構造について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
オペレーティングシステム(OS)はコンピュータを動かす上で最も基本的で必要不可欠なソフトウェアである.
3年次科目「システム工学概論」のハードウェア科目や5年次選択科目「システムプログラミング」に繋がる科目である.
授業の進め方・方法:
プログラミング等の学習環境として利用してきたUNIXなどのOSについて,そのコマンドの利用なども含めて実技学習も行う.「プロセス制御とスケジューリング」,「割り込み制御」,「仮想記憶システム」などのメモリ管理,「入出力とファイル制御」といったデバイス管理の仕組みを学び,システムにおけるOSの機能や役割を学習する.必要に応じて,参考書やwebページも利用して学習を進める.
注意点:
本科目は2単位科目であり,規定授業時数は60時間である.
また,本科目は90分の授業に対して放課後・家庭で90分程度の自学自習が求められる.
実技学習は難しい内容ではないが,授業時間中に終わらない場合は放課後等に各自進め,報告書の提出を含め滞りなく取り組んで欲しい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オペレーティングシステムの概要
オペレーティングシステムの概念や役割を説明できる.
2週 オペレーティングシステムの概要
前週に同じ
3週 プロセス:処理形態と状態 プロセスとその処理形態および,プロセスの処理方法として割り込み処理の種類,割り込み制御の流れについて説明できる.システムコールについて学ぶ.
4週 プロセス:処理形態と状態 前週に同じ
5週 UNIXシステム上での演習(1) 主要なUNIXコマンドについてその利用ができ,動作を説明できる
6週 UNIXシステム上での演習(1) 前週に同じ
7週 前期中間試験
8週 前期中間試験の解説
2ndQ
9週 UNIXシステム上での演習(2) UNIXのファイルシステム,パス,モードなどについて説明でき,適切にファイルを保護することができる.
10週 UNIXシステム上での演習(2) 前週に同じ
11週 プロセス:スケジューリング プロセスの状態とその状態遷移,プロセスのスケジューリングについて説明できる.UNIXのスケジューリングやプロセスの優先度の調整を行うことができる
12週 プロセス:スケジューリング 前週に同じ
13週 プロセス:スケジューリング 前週に同じ
14週 UNIXシステム上での演習(3) タイマープログラムの制作
15週 UNIXシステム上での演習(3) 前週に同じ
16週 前期期末試験の解説
後期
3rdQ
1週 並行プロセス:排他制御 プロセスの競合・協調・干渉について学び,プロセス制御のために必要な排他制御と同期の仕組みについて説明できる.プロセスの生成,UNIXのプロセスの生成などについて理解できる.
2週 並行プロセス:排他制御 前週に同じ
3週 並行プロセス:排他制御 前週に同じ
4週 仮想記憶システム 主記憶,仮想記憶の仕組みやオペレーティングシステムにおける領域割り当てについて理解し,説明できる.
5週 仮想記憶システム 前週に同じ
6週 仮想記憶システム 前週に同じ
7週 後期中間試験
8週 後期期末試験の解説
4thQ
9週 UNIXシステム上での演習(4) モデルコンピュータの制作を通して,コンピュータの挙動を理解し,その上で動作するプログラムを作成することができる.
10週 UNIXシステム上での演習(4) 前週に同じ
11週 UNIXシステム上での演習(4) 前週に同じ
12週 入出力とファイルの制御 入出力制御の仕組み,ファイルシステムの構造について説明でき,ファイルシステムの効率的なアクセス手法を説明できる.
13週 入出力とファイルの制御 前週に同じ
14週 入出力とファイルの制御 前週に同じ
15週 入出力とファイルの制御 前週に同じ
16週 後期期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。4
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。4
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。4
排他制御の基本的な考え方について説明できる。4
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。4

評価割合

試験演習合計
総合評価割合6040100
基礎的能力403070
専門的能力201030