情報セキュリティ

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報セキュリティ
科目番号 HI1505 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 教科書=菊池浩明、上原哲太郎、「IT Text ネットワークセキュリティ」、オーム社。参考書=齋藤孝道、「マスタリングTCP/IP情報セキュリティ編」、オーム社
担当教員 藤井 慶

到達目標

1. UNIXでのサーバ・クライアント設定、セキュリティ設定を行える。
2. 情報セキュリティ、特にネットワークセキュリティの主要なトピックについて説明できる。
3. 共通鍵暗号、公開鍵暗号の仕組みを説明できる。そして公開鍵暗号をユーザ認証等に活用できる。
4. 認証の仕組みについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ネットワーク設定UNIXを使って適切かつ効率良くサーバ設定、セキュリティ設定を行える。UNIXを使って適切にサーバ設定、セキュリティ設定を行える。UNIXを使って適切にサーバ設定、セキュリティ設定を行えない。
情報セキュリティ、特にネットワークセキュリティ情報セキュリティ、特にネットワークセキュリティの主要な事柄について深く理解し、説明できる。情報セキュリティ、特にネットワークセキュリティの主要な事柄について概ね理解し、説明できる。情報セキュリティ、特にネットワークセキュリティの主要な事柄を理解できない。
暗号技術各種暗号技術の仕組みについて深く理解し、説明できる。そして公開鍵暗号をユーザ認証等に活用できる。各種暗号技術の仕組みについて概ね理解し、説明できる。そして公開鍵暗号をユーザ認証等に活用できる。各種暗号技術の仕組みを理解できない。公開鍵暗号をユーザ認証等に活用できない。
認証技術認証の仕組みについて深く理解し、説明できる。認証の仕組みについて概ね理解し、説明できる。認証の仕組みについて理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ICTが社会基盤の一つになった現在、情報セキュリティの役割はますます重要になっている。情報セキュリティの知識はネットワーク運用をはじめとした様々な場面で必須であり、情報セキュリティ技術者の需要も多い。情報セキュリティの知識は広く、本科目では教科書および演習によってその一部の事柄を学ぶ。本科目に関連の深い資格として「情報セキュリティマネジメント」がある。この科目は情報セキュリティ技術の知識・技術について学ぶ1単位の科目であり、30時間(15コマ)の授業に加えて15時間の自学が課せられる。
全15週のうち第14週の授業については、情報セキュリティを業務とする企業より講師を招聘し、業界の最新の知識・技術についての講義を受ける。
授業の進め方・方法:
授業は主に講義形式で行うが、受け身ではなく興味を持って履修し、能動的に学ぶ姿勢が望まれる。また、時折演習を行う場合がある。演習場所や内容は適宜指示する。演習の成果は主にレポートで評価するが、進度に応じて小テストを行う場合がある。また定期試験については主に評点の低い学生を対象に別途再評価試験を行う場合がある。
注意点:
セキュリティに関する知識・技術は他者から自分を守るためのものだが、使い方を誤ると他者に迷惑をかける技術にもなり得る。そのため学習者は倫理観(情報モラル)を適切に備えていることが大前提である。万が一倫理的に看過できないほどの欠落が認められた場合、たとえ技術的な理解が十分であったとしても、評価に値しないと見做し厳しく減点する可能性がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 情報セキュリティの基礎 情報セキュリティの3要素、主要な脅威について説明できる。
2週 ネットワーク、セキュリティ設定(1) 基本的なネットワーク設定、セキュリティ設定を行える。
3週 ネットワーク、セキュリティ設定(2) 基本的なネットワーク設定、セキュリティ設定を行える。
4週 ネットワークセキュリティとマルウェア対策(1) 代表的な不正アクセスとその対策法について説明できる。
5週 ネットワークセキュリティとマルウェア対策(2) マルウェアについて説明できる。
6週 ネットワークセキュリティとマルウェア対策(3) ファイアウォールの仕組みを説明できる。
7週 暗号技術(1) 共通鍵暗号の概要、バーナム暗号の仕組みについて説明できる。
8週 暗号技術(2) 代表的な運用モードについて説明できる。
4thQ
9週 暗号技術(3) 公開鍵暗号の仕組みについて説明できる。公開鍵と秘密鍵のペアを生成し、公開鍵暗号を使った暗号化・復号処理や遠隔ログインができる。
10週 PKI PKIについて説明できる。
11週 認証技術 主な認証技術について説明できる。
12週 ログ解析(1) webやメールなどの代表的なログを読み解くことができる。
13週 ログ解析(2) webやメールなどの代表的なログを読み解くことができる。
14週 セキュリティの動向 近年のセキュリティの動向について把握できている。
15週 定期試験
これまで学習した事柄についての理解が定着できている。
16週 定期試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3後1
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3後1
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3後1
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3後1
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワーク基本的なフィルタリング技術について説明できる。4後2,後3,後4
その他の学習内容コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4後2,後3,後4
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4後2,後3,後4
基本的な暗号化技術について説明できる。4後5,後6,後7
基本的なアクセス制御技術について説明できる。4後2,後3,後4
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4後2,後3,後4

評価割合

試験小テスト・報告書・演習合計
総合評価割合4060100
基礎的能力203050
専門的能力203050
分野横断的能力000