情報リテラシー

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 情報リテラシー
科目番号 HI2103 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 坂村健、「高等学校 情報I」、数研出版。
藤井慶, 村上純, 「Processingによるプログラミング入門」、日新出版。
k-sec低学年共通教材およびk-sec情報モラル教材。その他の教材はLMS等で適宜オンライン配布する。
担当教員 藤井 慶,赤石 仁

到達目標

1. 情報に関する基礎概念について、一般教養以上の知識を身につけること。
2. ネットワークを用いて情報を適切に受信・発信できること。
3. Processingでプログラムを作成できること。またソフトウェア開発環境の基本的な使い方を理解できること。
4. 高速にタッチタイピングでき、CLI環境下で基本的な作業が行えること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(知識1). 一般教養としての情報基礎情報に関係する様々な概念や技術用語について正確に理解し、説明できる。情報に関係する様々な概念や技術用語についてある程度理解し、説明できる。情報に関係する様々な概念や技術用語について理解できない。
(知識2). ネットワークリテラシーネットワークの仕組み、情報を受信・発信する際の注意点やリスクについて正確に理解し、正しく対処できる。ネットワークの仕組み、情報を受信・発信する際の注意点やリスクについて正確に理解し、概ね正しく対処できる。ネットワークの仕組み、情報を受信・発信する際の注意点やリスクについて正確に理解できない。
(技術1). プログラミング能力Processingを使って、与えられた課題の解答プログラムを作成できるだけでなく、自分のアイデアに従ってプログラムを改造できる。 開発環境の使い方を理解できる。Processingを使って、与えられた課題の解答プログラムを作成することができる。 開発環境の基本的な使い方を理解できる。Processingの基本を理解できず、課題に対するプログラムを正しく作れない。
(技術2). コンピュータ操作高速にタッチタイピングできる。 CLI環境の概念や利用法を理解できる。 様々な処理作業を効率良く行える。タッチタイピングできる。 CLI環境の概念や利用法をある程度理解できる。 様々な処理作業を効率良く行える。タッチタイピングが十分できない。 CLI環境の概念や利用法を理解できない。 一定時間内に様々な処理作業を行えない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「情報」に関する知識は一般常識・教養化し、普通高校や大学入試等でも取り入れられている。そんな中、本学科の学生は専門領域として「情報」を学んでいく。本科目はその入口にあたるものである。

本科目では、まず座学によって一般教養としての基礎知識・概念を身につける。
そして、プログラミングのように実際にものを作ったり処理したりする技術の基礎を演習で身につける。

本科目で学ぶ内容は、2年次以降の専門学習の基盤となるものである。そのため、この科目で基礎事項をしっかり身につけてもらいたい。また、本科目で学ぶ知識は「ITパスポート」や「基本情報技術者」などの資格試験にもつながるため、それらの資格試験についても視野に入れて取り組むと良い。
 
授業の進め方・方法:
四半期ごとに、座学主体の授業(基礎知識の獲得)と演習主体の授業(基礎技術の獲得)が入れ替わる。ただし授業の進度に応じ、入れ替え時期が前後したり、混合する場合がある。

演習については以下の要領で行う。
1. 学習項目について始めに説明した後、各自演習を行う。
2. 演習中は担当教員2名が巡回し、質問に対応する。(遠隔授業の場合Teamsチャットや音声通話、メールで対応する)
3. 分からない点は、まずは自分たちで試行錯誤して行う。そのうえで不明な点などについては、積極的・自発的に質問する。
4. 完成した成果物(プログラム等)、小テスト等で評価する。
5. 宿題として、タイピング練習や事前学習、各種演習課題の続きなどを課す。
 
注意点:
話を聴きつつ主体的に学習する姿勢で受講すること。すなわち以下の事を心がけて欲しい。
1. (人の話を聴くこと) 授業中の説明をよく聞く。
2. (自分で考えること) 単に答を暗記するのではなく、理解し、使えるところまで身につけること。
3. (自分から行動すること)分からない所は自分から質問をする。

本科目で学ぶことはこれから5年間専門科目を学んでいくための大切な準備である。
予定より早く演習課題が解けた場合は更に高度な演習を与えていくよう教員側も取り組むので、是非多くの事を身につけて欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、
情報社会の問題解決 (1) - 情報とメディア
授業の流れや評価方法を理解できる。
情報とは何か、情報の信頼性、情報の整理の仕方について説明できる。
2週 情報社会の問題解決 (2) - 情報社会における法とセキュリティ 情報に関連する主な法律、個人情報や知的財産権、基本的なセキュリティ用語について説明できる。
3週 情報社会の問題解決 (3) - 情報社会における法とセキュリティ 人工知能やIoTなど、代表的な情報技術にはどのようなものがあるか説明できる。
4週 情報社会の問題解決 (4) - 情報技術が社会に及ぼす影響 ネットワークで情報を受信・発信する際に注意すべきことを説明できる。
5週 コミュニケーションと情報デザイン (1) - 情報のデジタル表現 文字や音、画像などの各種情報のデジタル表現法について説明できる。
6週 コミュニケーションと情報デザイン (2) - コミュニケーション手段の発展と特徴 通信技術の発展、各メディアの性質について説明できる。
7週 コミュニケーションと情報デザイン (3) - 情報デザイン 情報の提示の仕方、アフォーダンスやユニバーサルデザインなどのデザインの基本概念について説明できる。
8週 中間試験 これまで学修した内容を理解し説明できる。
2ndQ
9週 タッチタイピング、
プログラミングの基礎(1)
タッチタイピングについて理解し実践できる。
Processing言語で簡単な図形を描くプログラムを作成できる。
10週 プログラミングの基礎(2) Processing言語で簡単な図形に色を着けるプログラムを作成できる。
Processing言語で画像ファイルを表示するプログラムを作成できる。
11週 プログラミングの基礎(3) Processing言語で変数を用いたプログラムを作成できる。
12週 プログラミングの基礎(4) Processing言語で条件分岐(if文)を用いたプログラムを作成できる。
13週 プログラミングの基礎(5) Processing言語で繰り返し(while文、for文)を用いたプログラムを作成できる。
14週 プログラミングの基礎(6) Processing言語で繰り返し(while文、for文)を用いたプログラムを作成できる。
15週 前期定期試験 これまで学習した事柄についての理解を定着できている。
16週 定期試験答案返却
後期
3rdQ
1週 コンピュータとプログラミング (1) - コンピュータの仕組み コンピュータの基本的な構成について説明できる。
2週 コンピュータとプログラミング (2) - モデル化とシミュレーション モデル化の基本概念、シミュレーションの概念について説明できる。
3週 情報通信ネットワークとデータの活用 (1) - ネットワークの仕組み LAN、プロトコル、パケット、IPアドレス、URLなどの基本的な通信技術用語について説明できる。
インターネット通信の基本的な仕組みを説明できる。
4週 情報通信ネットワークとデータの活用 (2) - ネットワークの仕組み LAN、プロトコル、パケット、IPアドレス、URLなどの基本的な通信技術用語について説明できる。
インターネット通信の基本的な仕組みを説明できる。
5週 情報通信ネットワークとデータの活用 (3) - データベース データベースの基本概念、データベースを活用した主な情報システムについて説明できる。
6週 情報通信ネットワークとデータの活用 (4) - データの分析 データの形式、種類や尺度基準について説明できる。
ヒストグラム、基本統計量、相関、テキストマイニングなどのデータ分析手段について説明できる。
7週 情報通信ネットワークとデータの活用 (5) - データの分析 データの形式、種類や尺度基準について説明できる。
ヒストグラム、基本統計量、相関、テキストマイニングなどのデータ分析手段について説明できる。
8週 中間試験 これまで学修した内容を理解し説明できる。
4thQ
9週 画像処理ソフトの使い方 画像処理ソフトを用いて簡単な画像の加工を行える。
10週 UNIX、C言語プログラミングの基礎(1) UNIX上で基本的なコマンドを実行することができる。
11週 UNIX、C言語プログラミングの基礎(2) UNIX上で基本的なコマンドを実行することができる。
12週 UNIX、C言語プログラミングの基礎(3) UNIX上でvimやgccを用いて簡単なC言語プログラムを作成、実行できる。
13週 UNIX、C言語プログラミングの基礎(4) UNIX上でvimやgccを用いて簡単なC言語プログラムを作成、実行できる。
14週 UNIX、C言語プログラミングの基礎(5) UNIX上でvimやgccを用いて簡単なC言語プログラムを作成、実行できる。
15週 後期定期試験 これまで学習した事柄についての理解を定着できている。
16週 定期試験答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前1,前5,前6,前7,前8
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。1前2,前3,前4,前8
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。1前2,前3,前4,前8
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している1前2,前3,前4,前8
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。1前2,前3,前4,前8
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4前8,前9
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4前8,前9
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。4前8,前9
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。2前2,前3,前4,前8
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。2前2,前3,前4,前8
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。1前2,前3,前4,前8

評価割合

座学(前期中間、後期中間。主に試験で評価)演習(前期末、後期末。主に報告書・小テストで評価)合計
総合評価割合4060100
基礎的能力404080
専門的能力02020
分野横断的能力000