情報工学基礎演習I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報工学基礎演習I
科目番号 HI2104 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 プリント
担当教員 山本 直樹,合志 和洋,小松 一男

到達目標

(1) 電気を利用した身近な製品についての基礎知識を身につけることができる。
(2) 回路素子の基礎知識を身につけ、簡単なブロック単位での回路動作を理解し説明できる。
(3) 論理回路やICの基礎知識を身につけ、ブレッドボードを用いて回路を製作し説明できる。
(4) 構想したアプリケーションを協力して制作できる。制作物に関するプレゼンテーション資料と操作説明書を作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
基礎電気に関する実験実験方法および計測器の使用方法を良く理解して、オームの法則およびキルヒホッフの法則を誤差が少なく確かめることができる。実験方法および計測器の使用方法をほぼ理解して、オームの法則およびキルヒホッフの法則を確かめることができる。実験方法および計測器の使用方法を理解できず、オームの法則およびキルヒホッフの法則を確かめることができない。
電子ブロックの回路理解電子ブロックの取り扱い、基本回路・応用回路の動作を良く理解でき、平均よりかなり多い個数の実験をこなすことができる。電子ブロックの取り扱い、基本回路・応用回路の動作を理解でき、平均的な個数の実験をこなすことができる。電子ブロックの取り扱い、基本回路・応用回路の動作を一部しか理解できず、平均よりかなり少ない個数の実験しかこなせない。
計算機工学Ⅰに関する実験ブレッドボードやICの使い方を理解し、回路を制作することができる。ブレッドボードやICの使い方を理解し、回路を制作することができる。ブレッドボードやICの使い方を理解できず、回路を制作することができない。
ソフトウェア創作実験構想したアプリケーションを協力して制作できる。制作物に関するプレゼンテーション資料と操作説明書を作成できる。構想したアプリケーションを協力して制作できる。制作物に関するプレゼンテーション資料と操作説明書を作成できる。構想したアプリケーションを協力して制作できない。制作物に関するプレゼンテーション資料と操作説明書を作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では、計算機工学Ⅰ(論理回路)、基礎電気学(各種法則確認)、情報リテラシー(プログラミング)に関する実験について実施する。さらに、学研の電子ブロックを用いた各種電気・電子回路の実験を通して、電気・電子回路の基礎知識を体験的に学習する。
授業の進め方・方法:
専門科目の導入部において、簡単なものづくりやプログラミングを通じて、楽しみながら工学技術に触れさせる。
注意点:
2単位 60時間。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、電子ブロック(1)
本授業の授業内容が理解できる。安全マニュアルを読み、安全に配慮すべき点が確認できる。電子ブロックのパーツのチェックができる。
2週 電子ブロック(2) 基本的な素子の説明と基礎的な回路の実験 電子ブロックを用いた各種電気・電子回路の実験を通して、電気・電子回路の基礎知識を体験的に習得できる。
3週 電子ブロック(3) アンプの実験 同上
4週 電子ブロック(4) ラジオの実験 同上
5週 電子ブロック(5) 新回路の実験 同上
6週 報告書の作成 電子ブロックの実験について、指定された内容についてまとめることができる。
7週 情報技術に関する講演 講演を通して情報技術の基礎を理解できる。
8週 数理パズル(1) 指定された展開図から立体パズルが作成できる。立体パズルの揃え方のルールを理解して、パズルを解くことができる。
2ndQ
9週 基礎電気学実験の説明(1) 電源、電圧計、電流計の使用方法、実験回路の配線方法について理解できる。グラフの作成方法について理解できる。オームの法則の実験手順について理解でき、各種理論値の計算ができる。
10週 基礎電気学Ⅰに関する実験(1) オームの法則 電気回路における最も基本的な法則であるオームの法則について、簡単な実験を通し理解を深め、併せて測定器の操作することができる。
11週 基礎電気学実験の説明(2) キルヒホッフの実験の手順について理解でき、各種理論値の計算ができる。
12週 基礎電気学Ⅰに関する実験(2) キルヒホッフの実験 並列及び直並列接続したときの各端子間の抵抗の抵抗値をテスタで実測して、計算値と比較することで合成抵抗の求めることができる。また、回路の各部における電流値や電圧値をテスタで実測し、キルヒホッフの法則が実際に成り立っていることを確認して、キルヒホッフの法則を理解できる。
13週 報告書の作成 基礎電気学実験について、指定された内容についてまとめることができる。
14週 情報技術に関する講演 講演を通して情報技術の基礎を理解できる。
15週 数理パズル(2) 指定された展開図から立体パズルが作成できる。立体パズルの揃え方のルールを理解して、パズルを解くことができる。
16週 データサイエンス入門 エクセルを利用して、いろいろな統計データのグラフを作成できる。
後期
3rdQ
1週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(1) 
ブレッドボードを使用し、LEDを点灯させる基本回路を製作する。
ブレッドボードの使い方を理解する。LEDを点灯させる基本回路を説明できる。
2週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(2)
論理回路ICを用いて、ブレッドボード上に論理回路を構成する。
LEDを点灯させる基本回路を説明できる。7Seg.LEDの基本構成、アノードコモン、カソードコモンを説明できる。
3週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(3)
論理回路ICを用いて、ブレッドボード上に論理回路を構成する。
2進数と10進数の対応を説明できる。BCDto7Segment Decoder ICを用いて回路を構成できる。
4週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(4)
7Seg.LEDを用いて、ブレッドボード上に数字を点灯させる回路を構成する。
真理値表から論理式、回路を説明できる。論理回路をブレッドボード上に構成できる。
5週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(5)
2進数を用いて7Seg.LEDに10進数を点灯するBCD(Binary-coded decimal)回路を構成する。
真理値表から論理式,回路を説明できる。論理回路をブレッドボード上に構成できる。
6週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(6)
カウンタICを用いて、1桁の数値をカウントする回路を構成する。
BCDカウンタICを用いて1桁のカウント回路を構成できる。
7週 計算機工学Ⅰに関する実験 論理回路の実験(7)
カウンタICを用いて、2桁の数値をカウントする回路を構成する。
BCDカウンタICを用いて2桁のカウント回路を構成できる。
8週 報告書の作成 計算機工学実験について、指定された内容についてまとめることができる。
4thQ
9週 ソフトウェア創作実験(1)企画・計画 グループで議論し、限られた制約の中で制作可能なアプリケーションを構想できる。
制作に必要な事柄を整理し、役割分担や開発計画をたてられる。
10週 ソフトウェア創作実験(2)制作 構想したアプリケーションを協力して制作できる。
11週 ソフトウェア創作実験(3)制作 同上
12週 ソフトウェア創作実験(4)制作・プレゼンテーション準備 構想したアプリケーションを協力して制作できる。制作物に関するプレゼンテーション資料と操作説明書を作成できる。
13週 ソフトウェア創作実験(5)制作・プレゼンテーション準備 同上
14週 ソフトウェア創作実験(6)発表 制作物についてプレゼンできる。
15週 報告書の作成 ソフトウェア創作実験について、指定された内容についてまとめることができる。
16週 基礎電気学Ⅰに関する実験(3) コンデンサの実験 抵抗やインダクタなどのように電気回路における基本的な素子であり、様々な工学製品で使用されているコンデンサについて、特性を測定し、その働きを理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前6,前12
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2前6,前12
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2前6,前12
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。2前6,前12
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7

評価割合

レポート、成果物合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00