物理I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 物理I
科目番号 LK1205 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「総合物理I-力と運動・熱-」,数研出版
担当教員 工藤 友裕

到達目標

物体の変位,速度,加速度の時間変化を記述できる
物体に作用する力のつりあいを記述できる
運動の法則を理解し,仕事とエネルギーの概念を理解し,エネルギー保存法則を用いた計算ができる
運動量と力積の関係,運動量保存則を理解し,衝突の問題に応用することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物体の変位,速度,加速度の時間変化を記述できる速度,加速度を変位ベクトルの時間微分と結びつけて,より一般的な場合にも概念を拡張できる.等加速度運動や投射運動のやや複雑な問題を解く事ができる.物体の変位,速度,加速度を時間の変数としてとらえ,等速度運動や等加速度運動を表す関係式を用いて簡単な問題を解く事ができる.投射運動についての簡単な問題を解く事ができる.物体の変位,速度,加速度を時間の変数としてとらえることができない.等速度運動や等加速度運動を表す関係式を用いて問題を解く事ができない.
物体に作用する力のつりあいを記述できる力のつり合いおよび,回転しない条件も取り入れたより一般的なつりあいの関係式を導き出すことができる.剛体のつり合いについてのやや複雑な問題や文字式を用いた問題を解く事ができる.力のつり合いにおいて,物体にはたらく種々の力(重力,糸の張力,摩擦力,垂直抗力)などを指摘し,2次元の力のつり合いを記述できる. 剛体が回転しない条件を記述できる.力のつり合いにおいて,物体にはたらく種々の力(重力,糸の張力,摩擦力,垂直抗力)などが指摘できない.2次元の力のつり合いを記述できない. 剛体が回転しない時の条件を記述できない.
運動の法則を理解し,仕事とエネルギーの概念を理解し,エネルギー保存法則を用いた計算ができる運動の法則と等加速度運動の式より,運動エネルギーの関係を導く事ができる.保存力のする仕事と位置エネルギーの関係を用いて力学的エネルギー保存を導出できる.エネルギーを用いたやや複雑な問題や文字式を用いた問題を解く事ができる.一定加速度の場合について,運動方程式を記述できる. 力のする仕事と力学的エネルギーの変化の関係式を記述できる.一定加速度の場合についても,運動方程式を記述できない. 力のする仕事と力学的エネルギーの変化の関係式を記述できない.
運動量と力積の関係,運動量保存則を理解し,衝突の問題に応用することができる運動量と力積の関係と作用反作用の関係から運動量保存則を導出でき,衝突,分裂のやや複雑な問題,文字式を用いた問題に応用して計算ができる.運動量と力積の関係をベクトル量の関係式として成分で記述できる.衝突の問題において運動量保存則や反発係数を用いた簡単な計算ができる.運動量と力積の関係をベクトル量の関係式として成分で記述できない.衝突の問題において運動量保存則や反発係数を用いた計算ができない.
等速円運動,慣性力,遠心力を理解し,運動方程式や,力のつり合いを記述できる。等速円運動に関する関係式や中心方向の運動方程式を用いた,より一般的な文字式の問題に解答できる.。慣性力,遠心力に関し,より一般的な文字式を用いた問題を解くことができる。等速円運動に関する関係式を用いて種々の物理量の簡単な計算ができる.中心方向の運動方程式を記述し,問題を解くことができる。慣性力,遠心力を用いて力のつり合いの関係を記述でき,問題を解くことができる。等速円運動に関する関係式を用いて種々の物理量の簡単な計算ができない.中心方向の運動方程式が記述できない。慣性力,遠心力を用いて力のつり合いの関係を記述できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
初等物理の力学分野を中心に学習を進める..物体の変位,速度,加速度の時間変化について学び,問題演習を行う.物体に作用する力のつりあいについて学び,問題演習を行う..運動の法則,仕事とエネルギーの概念,エネルギー保存法則を用いた計算について学び,問題演習を行う..運動量と力積の関係,運動量保存則,衝突の問題について学び,問題演習を行う.等速円運動,慣性力について学び,問題演習を行う。
授業の進め方・方法:
プリントおよび教科書に従い講義を中心に授業を進める。前期は運動の表し方について学ぶ.また,加速度の測定などの実験を行う。後期は等加速度運動,運動の法則,仕事とエネルギー,運動量保存,等速円運動,慣性力について授業を進める。
注意点:
授業の解説や演習する問題をよく理解し,問題集を自学学習で解き実力をつける必要がある。問題を解くときは文章読解力を要する。必ずノートに図を書き,力の作図,未知数の導入,関係式の作成など手順を省略せずに取り組む必要がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,プリント配布
物理の単位と次元
SI単位と単位の基準について説明できる。基本的な物理量について単位とその次元の関係を説明できる。
2週 物理の単位と次元 有効数字を考慮した計算ができる。
3週 ベクトル量 ベクトル量についてその概念や取り扱い方,合成,成分表示などが理解できる.演習問題が解ける.
4週 運動の表し方
変位,速度
変位,速度,加速度の関係を用いて,物体の運動を記述することを確認する。等速運動,等加速度運動の性質を理解し公式を用いて計算ができる。
5週 運動の表し方
加速度
変位,速度,加速度の関係を用いて,物体の運動を記述することを確認する。等速運動,等加速度運動の性質を理解し公式を用いて計算ができる。
6週 落体の運動
自由落下,鉛直投げ上げ
落体の運動について公式を用いて計算ができる。
7週 落体の運動
水平投射,斜方投射
落体の運動について公式を用いて計算ができる.
8週 運動の法則
力とそのはたらき,力のつりあい
力のつり合いについて,説明できる.
2ndQ
9週 中間試験 中間試験にて達成度を測る
10週 運動の法則
運動の第2法則
運動方程式について理解し,演習問題を解ける.
11週 運動の法則
摩擦を受ける運動
加速度の実験
摩擦を受ける運動について理解し,演習問題が解ける.
加速度を求める実験により,運動の法則を理解する.
12週 液体や気体から受ける力
剛体にはたらく力のつりあい
アルキメデスの原理を理解する.
力のモーメントの計算ができる.
13週 剛体にはたらく力のつり合い 力のつり合いの条件について,式を立てる事ができ,問題を解く事ができる.
14週 問題演習
重心を求める課題
問題演習により,理解を深める.
厚紙を利用した,平面図形の重心を求める課題を通じ,重心について理解する.
15週 定期試験 定期試験にて達成度を測る.60点以上が合格.
16週 鉛直面内での回転の実験
仕事,仕事率の計算ができる.運動エネルギーについて計算ができる.
後期
3rdQ
1週 仕事と力学的エネルギー
問題演習
仕事,仕事率の計算ができる.運動エネルギーについて計算ができる.
2週 位置エネルギー,保存力,力学的エネルギー保存 位置エネルギーについて計算ができる.力学的エネルギー保存の関係式を作ることができる.
3週 問題演習 力学的エネルギー保存の問題を解く事ができる.
4週 運動量の保存
運動量と力積
運動量と力積について理解し,計算ができる.
運動量・力積の関係を使った問題を解く事ができる.
5週 運動量保存則 運動量保存則について理解し,問題を解く事ができる.
6週 運動量保存則問題演習 問題を解く事ができる.
7週 反発係数 反発係数の定義について理解し,運動量保存則と合わせた計算ができる.
8週 問題演習 力学的エネルギー,運動量保存,等速円運動について問題を解く事ができる.
4thQ
9週 中間試験
中間試験で達成度を測る
10週 等速円運動 等速円運動の半径,速度,角速度,周期,回転数,加速度,向心力について理解する.
11週 等速円運動 等速円運動の運動方程式について理解する.
12週 慣性力,
慣性力の意味を理解し,問題を解く事ができる.
13週 慣性力,遠心力 遠心力について理解し,問題を解く事ができる.
14週 問題演習 慣性力,遠心力,についての問題を解く事ができる.
15週 定期試験 定期試験により到達度を測る
16週 答案返却
簡単な実験により,理論を確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。2
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2
運動方程式を用いた計算ができる。2
運動の法則について説明できる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.1
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。1
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。1
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。1
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。1
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。1
熱機関の熱効率に関する計算ができる。1
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。2
安全を確保して、実験を行うことができる。2
実験報告書を決められた形式で作成できる。2
有効数字を考慮して、データを集計することができる。2
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2

評価割合

試験小テスト課題提出合計
総合評価割合701020100
基礎的能力60101080
専門的能力1001020
分野横断的能力0000