物理II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理II
科目番号 LK1303 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「総合物理1 力と運動・熱」 数研出版 「総合物理2 波・電気と時期・原子」 数研出版
担当教員 岡 智典

到達目標

円運動および,慣性力,単振動,万有引力について関係式を記述できる.
熱力学の基礎を理解し,関係式を記述できる.
一次元の波動の式,一般的な波の性質を理解できる.音,光についての性質を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
円運動および,慣性力,万有引力について関係式を記述できる.等速でない円運動や一般の曲線上の運動においても円運動で学んだ考え方を応用できる. ケプラーの第2法則が中心力と関係している事,ケプラーの第3法則から万有引力の逆2乗則を導く事ができる. 並進,回転運動の慣性力を用いた運動方程式が作れる.円運動する物体の位置,速度,加速度について,半径,角速度,周期との関連を理解する. ケプラーの3法則を知り,万有引力の法則を用いて簡単な場合の運動方程式を記述できる. 並進運動,回転運動における慣性力をもちいた力のつり合いの問題が解ける.円運動する物体の位置,速度,加速度について,半径,角速度,周期との関連が理解できない. 万有引力の法則を用いて簡単な場合の運動方程式を記述できない. 並進運動,回転運動における慣性力を記述できない.
熱力学の基礎を理解し,関係式を記述できる.標準的到達レベルはもとより,熱力学の第1法則を用いたやや複雑な問題を解く事ができる. モル比熱を使った問題を解く事ができる.熱容量,比熱の概念が理解でき,計算できる. 熱力学の第1法則を理解でき,熱,内部エネルギー,気体のする仕事を用いて等圧変化,定積変化,等温変化,断熱変化の問題を解く事ができる. 気体の分子運動論を理解できる. 熱機関の効率について計算できる.熱容量,比熱の概念が理解できない. 熱力学の第1法則を理解できない. 気体の分子運動論を理解できない. 熱機関の効率について計算できない.
一次元の波動の式,一般的な波の性質を理解できる.音,光についての性質を理解できる.一次元の波動の式から位相と媒質の変位の関係を記述できる. 縦波の横波表現が記述できる. 定常波について重ね合わせの原理や干渉と合わせて記述できる. 音について,ドップラー効果が,気柱の共鳴が作図でき,計算できる. 光について,光路長を用いた複雑な干渉の計算ができる.一次元の波動の式を読み解き,振幅,振動数,波長,初期位相などを理解できる. 縦波,横波の概念が理解できる. 定常波について理解できる. 音について,ドップラー効果が,気柱の共鳴が理解でき,計算できる. 光について,反射,屈折が作図でき,屈折率を計算できる.一次元の波動の式が記述できない. 定常波が理解できない. 音のドップラー効果が理解できない. 光の反射,屈折,回折が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
初等物理の力学,および,熱力学,波動について学習する.
授業の進め方・方法:
教科書にそって講義を行い,それに関連した問題の演習を行う.円運動および万有引力,慣性力について学ぶ.熱力学の基礎を学び,変化に関する関係式の記述を行う.一次元の波動の式,一般的な波の性質を学ぶ.音,光についての性質を学ぶ.学んだ事を元に問題演習を通じ,理解を進める.
注意点:
2年生の物理(3単位)の継続科目であると共に,応用物理学の基礎となる科目であるので,暗記するのではなく,原理・法則を十分理解できるように思考することや探求する姿勢が大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,
慣性力,遠心力
慣性力,遠心力について理解する。遠心力を用いた計算ができる。
2週 単振動,単振り子 単振動について学び,円運動との関係を理解する.単振動,復元力と周期の関係について理解する.
3週 単振動の実験 実験を通じ,理解を深める.
4週 万有引力
ケプラーの法則と万有引力
ケプラーの法則について学び,ニュートンの万有引力の法則との関係を理解する.
5週 万有引力問題演習 問題演習を通じ理解を深める.
6週 熱と気体
熱と熱量,熱と仕事
熱,熱容量,比熱の関係を理解する.
7週 気体の法則
気体の分子運動論
ボイルシャルルの法則
気体の分子運動論を学び,計算できるようになる.
8週 問題演習 問題演習を通じ理解を深める.
2ndQ
9週 中間試験 中間試験にて達成度を測る
10週 気体の状態変化
熱力学第一法則
気体の状態変化,内部エネルギーについて理解する.熱力学第一法則について理解する.
11週 等圧変化,等積変化,等温変化,断熱変化,気体のモル比熱, 状態変化について学び,熱力学第一法則や気体の状態変化の法則を用いて問題を解く事ができる.
12週 不可逆変化と熱機関 不可逆変化と熱機関について理解し,熱効率の計算ができる.
13週 問題演習 熱に関する問題演習を通じ,理解を深める.
14週 小テスト
問題演習
小テストで簡単な公式の使い方が理解できているか測る.
問題演習にて理解を深める.
15週 定期試験 定期試験にて達成度を測る
16週 答案返却
波動について概略説明

波動についての概略を理解する.
後期
3rdQ
1週 波と媒質の運動 波動と波源,媒質の関係,パルス波と連続波,媒質の変位,正弦波の発生,周期,振動数,振幅について理解する.
波の要素,波のグラフについて理解する.
2週 正弦波の式 正弦波の式について理解し,グラフとの関連付けができるようになる.
3週 横波縦波
波の伝わり方
横波と縦波の違いについて理解する.
波の伝わり方について,重ね合わせの原理や波の独立性について理解する.
4週 定常波 進行波と定常波について学び,自由端,固定端反射により定常波が発生することを理解する.
5週 波の波面,干渉,反射,屈折,回折 波の干渉,反射,屈折について理解し,ホイヘンスの原理から説明づけられることを理解する.
波の回折について理解する.

6週 問題演習 問題演習により,理解を深める.
7週 音波 音の波の性質について,学ぶ.
音の速さと温度の関係,伝わり方について理解する.音の干渉について計算ができる.
音のうなりについて理解する.
8週 問題演習 問題演習により理解を深める.
4thQ
9週 中間試験 中間試験により到達度を測る
10週 発音体の共振と共鳴 弦の振動について理解する.
気柱の振動について理解する.
共振,共鳴について理解する.
11週 音のドップラー効果 ドップラー効果について,音源の速さ,観測者の速さとの関係を理解する.観測される振動数の計算ができる.
12週 問題演習 問題演習により理解を深める
13週 光の性質 光の波長による分類,光の速さについて理解する.光の反射,屈折について理解する.光路長の計算ができる.全反射が理解できる.
14週 光の分散とスペクトル 光の分散とスペクトルが理解できる.光の散乱,偏光について理解できる.
15週 定期試験 定期試験により達成度を測る
16週 答案返却
簡単な屈折の実験
簡単な屈折の実験により理解を深める.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。2
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2
運動方程式を用いた計算ができる。2
運動の法則について説明できる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。1
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。1
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。1
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。1
熱機関の熱効率に関する計算ができる。1
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2
ホイヘンスの原理について説明できる。2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2
自然光と偏光の違いについて説明できる。1
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。1
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験小テスト課題提出合計
総合評価割合701020100
基礎的能力60101080
専門的能力1001020
分野横断的能力0000