我々の身の回りにある物質やその変化・性質を理解するため,「物質の成り立ち」,「原子の構造とそれから発現する性質」,「化学結合」,「化学反応」などの基礎を習得する。
高校化学要領基礎化学の目標に習い,以下を学生が目指す到達目標とする。
・日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化への関心を高め,目的意識をもって観察、実験などを行なうことができる。
・化学的に探求する能力と態度を育成し,化学の基本的な概念や原理・法則が理解できる。また,科学的な見方や考え方ができる。
概要:
物質に対する科学的な見方,考え方や基本的な概念や原理・法則を理解する。
授業の進め方・方法:
本科目では教科書に従い講義を中心に進める。
前期:化学と人間生活の関わり,物質の構成,物質の構成粒子,粒子の結合,
物質量と化学反応式,酸と塩基
後期:酸と塩基の反応,酸化還元反応
注意点:
3単位科目 90時間 (前期:2コマ,後期:1コマ)
フォローアップドリル,リードαを用いて,授業内容について自学自習(復習)すること。
試験の成績が60点に達しない場合は,再試験を行なうことがある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス/化学と人間生活の関わり |
・化学と現代の社会課題との関連性について説明できる。 ・代表的な金属やプラスチックなど有機材料について, その性質, 用途, また, その再利用など生活とのかかわりについて理解する。 ・洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性, 環境へのリスクについて理解する。
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2週 |
物質の成分/物質の三態 |
・物質が原子からできていることについて説明できる。 ・単体と化合物について説明できる。 ・同素体について説明できる。 ・純物質と混合物の区別について説明できる。 ・混合物の分離法について理解し、適切な分離法を選択できる。 ・物質を構成する分子・原子が常に熱運動していることについて説明できる。 ・水の状態変化について説明できる。 ・物質の三態とその状態変化について説明できる。
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3週 |
原子の構造/電子配置 |
・原子の構造(原子核・電子)や原子番号、質量数について説明できる。 ・同位体・放射性同位体について説明できる。 ・原子の電子配置について電子殻を用いて書き表すことができる。 ・価電子の働きについて説明できる。
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4週 |
イオン/元素の周期律 |
・イオン化エネルギーと電子親和力について説明できる。 ・代表的なイオンを化学式で表すことができる。 ・原子番号と価電子の数との関係について考えることができる。 ・元素の性質について価電子と周期律から考えることができる。
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5週 |
イオン結合 |
・イオンの化学式とイオンの名称について説明できる。 ・イオン結合について説明できる。 ・イオン結晶の性質について説明できる。
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6週 |
共有結合/配位結合/錯イオン |
・共有結合について説明できる。 ・極性と水素結合について説明できる。 ・構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 ・配位結合の仕組みを説明できる。 ・錯イオンの化学式を書くことができる。
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7週 |
分子からなる物質/高分子化合物/分子間にはたらく力 共有結合結晶/金属結合 |
・代表的な分子からなる物質の性質と利用例を説明できる。 ・高分子化合物の特徴を理解し, 分類することができる。 ・ポリエチレンの合成反応〔付加重合〕を説明できる。 ・ポリエチレンテレフタラートの合成反応〔縮合重合〕を説明できる。 ・電気陰性度と分子の形から分子の極性の有無を判断することができる。 ・分子間にはたらく力を2つ説明することができる。 ・分子間力の強さと沸点の高さの関係を説明できる。 ・代表的な分子結晶の構造や性質を説明することができる。 ・代表的な共有結合結晶の構造や性質を説明することができる。 ・自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 ・金属の性質が説明できる。 ・代表的な金属の特徴や用途を説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
化学で扱う数値/原子量・分子量・式量 |
・測定値と誤差を理解し, 有効数字を考慮した計算ができる。 ・原子の相対質量と原子量について説明できる。 ・分子量・式量について説明できる。
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10週 |
アボガドロ数と物質量 |
・アボガドロ定数を理解し, 物質量〔mol〕を用い物質の量を表すことができる。 1) 物質量から粒子の個数, 粒子の個数から物質量が計算できる。 2) 物質量から物質の質量, 物質の質量から物質量が計算できる。 3) 物質量から気体の体積, 気体の体積から物質量が計算できる。 ・気体の密度を使った計算ができる。 ・見かけの分子量の計算ができる。
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11週 |
化学反応式 |
・化学反応式を反応物, 生成物, 係数を理解して組み立てることができる。 1) 目算法を使用して, 化学反応式が作れる。 2) 未定係数法を使用して, 化学反応式が作れる。 3) イオン反応式を作ることができる。
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12週 |
化学反応式の量的関係 |
・化学反応を用いて化学量論的な計算することができる。 ・過不足のある反応について, 化学量論的な計算ができる。
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13週 |
溶液の濃度/溶解度 |
・電離について説明でき, 電解質と非電解質の区別ができる。 ・水への溶質の溶解を水和という概念を用いて説明できる。 ・質量パーセント濃度の説明ができ, 質量パーセント濃度の計算ができる。 ・モル濃度の説明ができ, モル濃度の計算ができる。 ・溶解度の計算問題を比を用いて解くことができる。 ・水和水を持つ物質の溶解度の計算問題を解くことができる。 ・再結晶の計算問題を解くことができる。
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14週 |
酸と塩基の性質・定義 |
・酸と塩基の定義(アレーニウス, ブレンステッド・ローリー)が説明できる。 ・酸と塩基の化学式から酸と塩基の価数をつけることができる。 ・電離度から酸と塩基の強弱が説明できる。
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15週 |
水素イオン濃度とpH |
・水の電離を説明でき, 25 ℃の純水の[H+], [OH-]の値を答えることができる。 ・pHから水素イオン濃度が計算できる。また, 水素イオン濃度をpHに変換できる。 ・水溶液の希釈とpHの関係を説明することができる。 ・pH指示薬の例を4つあげ, 色の変化と変色域を答えることができる。
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16週 |
定期試験答案返却 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
中和反応/塩 |
・中和反応がどのような反応であるか説明できる。 ・中和反応の量的関係を理解し, 中和反応の計算問題を解くことができる。 ・塩を組成の違いで分類することができる。 ・塩を水溶液にした時の性質を説明できる。
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2週 |
中和滴定/滴定曲線 |
・中和滴定の計算ができる。 ・滴定曲線の違いを説明することができる。
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3週 |
酸化と還元 |
・化学反応式を見て酸化・還元反応を判断できる。
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4週 |
酸化数 |
・様々な化合物やイオンの酸化数を計算することができる。 ・酸化数の変化から酸化・還元反応を判断することができる。
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5週 |
酸化剤と還元剤 |
・化学反応式を見て酸化剤・還元剤を区別することができる。 ・酸化剤, 還元剤の半反応式をつくることができる。
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6週 |
電子の授受と反応式 |
・酸化剤, 還元剤の半反応式から化学反応式をつくることができる。 ・酸化還元反応の計算問題を解くことができる。
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7週 |
酸化還元反応の量的関係 |
・酸化還元滴定の計算問題を解くことができる。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
金属のイオン化傾向/金属の反応性 |
・イオン化傾向について説明できる。 ・金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 ・イオン化列を何も見ないですべて書くことができる。 ・乾燥空気,水,酸と反応する金属をそれぞれ区別することができる。
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10週 |
電池の原理 |
・一次電池の種類を知っている。 ・二次電池の種類を知っている。
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11週 |
酸化還元反応の利用 -電池- |
・ダニエル電池について, その反応が説明できる。 ・鉛蓄電池について, その反応が説明できる。
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12週 |
酸化還元反応の利用 -電気分解- |
・電気分解を電子の授受から説明できる。 ・様々な電解質水溶液の電気分解で, 陰極で起こる反応が説明できる。 ・様々な電解質水溶液の電気分解で, 陽極で起こる反応が説明できる。
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13週 |
電気分解の量的関係/ファラデーの電気分解の法則 |
・ファラデーの法則による計算ができる。 ・ファラデー定数の使い方をマスターする。 ・電気分解の計算問題を解くことができる。
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14週 |
電気分解の応用 |
・電気分解の利用として, たとえば電解めっき, 銅の精錬, 金属のリサイクルへの適用など, 実社会における技術の利用例を説明できる。
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15週 |
ボイル-シャルルの法則/気体の状態方程式 |
・ボイル-シャルルの法則について説明でき、必要な計算ができる。 ・気体の状態方程式について説明でき、必要な計算ができる。
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16週 |
定期試験答案返却 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学 | 化学 | 化学と現代の社会課題との関連性について説明できる。 | 3 | 前1 |
物質が原子からできていることについて説明できる。 | 3 | 前2 |
単体と化合物について説明できる。 | 3 | 前2 |
同素体について説明できる。 | 3 | 前2 |
純物質と混合物の区別について説明できる。 | 3 | 前2 |
混合物の分離法について理解し、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前2 |
物質を構成する分子・原子が常に熱運動していることについて説明できる。 | 3 | 前2 |
水の状態変化について説明できる。 | 3 | 前2 |
物質の三態とその状態変化について説明できる。 | 3 | 前2 |
ボイル-シャルルの法則について説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | |
気体の状態方程式について説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | |
原子の構造(原子核・電子)や原子番号、質量数について説明できる。 | 3 | 前3 |
同位体・放射性同位体について説明できる。 | 3 | 前3 |
原子の電子配置について電子殻を用いて書き表すことができる。 | 3 | 前3 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前3 |
イオン化エネルギーと電子親和力について説明できる。 | 3 | 前4 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前4 |
原子番号と価電子の数との関係について考えることができる。 | 3 | 前4 |
元素の性質について価電子と周期律から考えることができる。 | 3 | 前4 |
イオンの化学式とイオンの名称について説明できる。 | 3 | 前5 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前5 |
イオン結晶の性質について説明できる。 | 3 | 前5 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前6 |
極性と水素結合について説明できる。 | 3 | 前6 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 前6 |
自由電子と金属結合について説明できる。 | 3 | 前7 |
金属の性質について説明できる。 | 3 | 前7 |
原子の相対質量と原子量について説明できる。 | 3 | 前9 |
物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 前10 |
分子量・式量について説明できる。 | 3 | 前9 |
気体の体積と物質量の関係について説明できる。 | 3 | 前10 |
化学反応式について反応物、生成物、係数を理解し、組み立てることができる。 | 3 | 前11 |
化学反応式を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 前12 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 前13 |
質量パーセント濃度について説明でき、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 前13 |
モル濃度について説明でき、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 前13 |
酸・塩基の定義(アレニウスの定義、ブレンステッド・ローリーの定義)について説明できる。 | 3 | 前14 |
酸・塩基の化学式と酸・塩基の価数について説明できる。 | 3 | 前14 |
電離度と酸・塩基の強弱について説明できる。 | 3 | 前14 |
pHについて説明でき、pHと水素イオン濃度の計算ができる。 | 3 | 前15 |
中和反応を化学反応式で表すことができる。 | 3 | 後1 |
中和滴定の計算ができる。 | 3 | 後2 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後3,後4,後5,後6,後7 |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | 後9 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | 後9 |
一次電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後10 |
二次電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後10 |
電気分解反応について説明できる。 | 3 | 後12 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | 後13 |
化学実験 | 化学実験 | 実験器具(電子天秤やガラス器具など)を目的と精度に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | 後2,後12 |
試薬(粉体及び液体)の取扱いができる。 | 3 | 後2,後12 |
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(物理実験と共通) | 3 | 後2,後12 |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷など)を説明できる。 | 3 | 後2,後12 |
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(物理実験と共通) | 3 | 後2,後12 |
実験結果を表やグラフなどに見やすく整理できる。 | 3 | 後2,後12 |
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(物理実験と共通) | 3 | 前9,後2,後12 |
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(物理実験と共通) | 3 | 後2,後12 |