数学II(微分積分)

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 数学II(微分積分)
科目番号 LK2204A 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 高遠節夫ほか「新 微分積分Ⅰ改訂版」大日本図書/高遠節夫ほか「新 微分積分Ⅰ改訂版 問題集」大日本図書
担当教員 石田 明男

到達目標

1.微分法…関数とその極限、微分係数、導関数、ネピアの数、合成関数の導関数、対数微分法、逆関数の導関数、関数の連続に関する基本概念を理解し、基本的な計算ができる。
2.微分の応用…接線と法線、関数の増減、極大と極小、関数の最大・最小、不定形の極限、高次導関数、曲線の凹凸、いろいろな関数のグラフ、媒介変数表示と微分法、速度と加速度、平均値の定理に関する基本概念を理解し、基本的な計算ができる。
3.不定積分と定積分…不定積分、定積分の定義、微分積分学の基本定理、定積分の計算に関する基本概念を理解し、基本的な計算ができる。
4.積分の計算…置換積分法、部分積分法に関する基本概念を理解し、基本的な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1・関数の極限を理解し、応用することができる。 ・関数のある点における微分係数を理解し、応用することができる。 ・様々な関数の導関数を理解し、応用することができる。 ・ネピアの数の性質を理解し、応用することができる。 ・関数の連続を理解し、応用することができる。 ・中間値の定理を理解し、応用することができる。・関数の極限を求めることができる。 ・関数のある点における微分係数を求めることができる。 ・様々な関数の導関数を求めることができる。 ・ネピアの数の性質を用いて極限値を求めることができる。 ・関数が連続であるか判定ができる。 ・中間値の定理を用いて方程式が実数解をもつことを証明できる。・関数の極限を求めることができない。 ・関数のある点における微分係数を求めることができない。 ・様々な関数の導関数を求めることができない。 ・ネピアの数の性質を用いて極限値を求めることができない。 ・関数が連続であるか判定ができない。 ・中間値の定理を用いて方程式が実数解をもつことを証明できない。
評価項目2・高次導関数を含む導関数と接線や法線の方程式、関数の増減、グラフの凹凸、グラフの概形、極大極小、最大最小との関係について理解し、応用ができる。 ・媒介変数表示による関数について理解し、応用ができる。 ・平均値の定理について理解し、応用ができる。・微分係数を用いて接線や法線の方程式を求めることができる。 ・導関数を用いて、関数の増減を調べることができる。 ・増減表を用いて、グラフの概形をかき、極大極小や最大最小を求めることができる。 ・ロピタルの定理を用いて、関数の極限を求めることができる。 ・高次導関数を求めることができる。 ・第2次導関数を用いて、グラフの凹凸を調べることや概形を書くことができる。 ・媒介変数表示による関数の導関数を求めることができる。 ・導関数を用いて、速度や加速度を求めることができる。・微分係数を用いて接線や法線の方程式を求めることができない。 ・導関数を用いて、関数の増減を調べることができない。 ・増減表を用いて、グラフの概形をかき、極大極小や最大最小を求めることができない。 ・ロピタルの定理を用いて、関数の極限を求めることができない。 ・高次導関数を求めることができない。 ・第2次導関数を用いて、グラフの凹凸を調べることや概形を書くことができない。 ・媒介変数表示による関数の導関数を求めることができない。 ・導関数を用いて、速度や加速度を求めることができない。
評価項目3・関数の不定積分を理解し、応用することができる。 ・微分積分学の基本定理を理解し、応用することができる。 ・定積分を理解し、応用することができる。・公式や性質を用いて、関数の不定積分を求めることができる。 ・定積分の定義に従って、簡単な定積分の値を求めることができる。 ・不定積分を用いて、定積分の値を求めることができる。・公式や性質を用いて、関数の不定積分を求めることができない。 ・定積分の定義に従って、簡単な定積分の値を求めることができない。 ・不定積分を用いて、定積分の値を求めることができない。
評価項目4・置換積分法を理解し、応用することができる。 ・部分積分法を理解し、応用することができる。・置換積分法を用いて不定積分や定積分の値を求めることができる。 ・部分積分法を用いて不定積分や定積分の値を求めることができる。・置換積分法を用いて不定積分や定積分の値を求めることができない。 ・部分積分法を用いて不定積分や定積分の値を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年次開講の数学Iの履修を前提としている。また3年次開講の数学III(微分積分)の基礎科目となる。
特に1年次に学習した関数について理解していることを前提とし、関数の極限、微分法、不定積分と定積分の概念について学習し、工学の分野に広く応用されている微分積分の基本的な計算能力を習得する。
授業の進め方・方法:
基本的に以下のような演習主体の授業とする。
(1)確認試験
(2)授業プリントを用いた授業内容の解説
(3)授業プリントの問を用いた問題演習、課題やポートフォリオの提出
問題を解いてみてわからないところは、学生同士の教え合いや担当者へ質問することにより、自ら積極的に解決してもらう。
単元の最初にはQFTを用いて、学生に問いづくりをしてもらうこともある。
また、授業中に参考資料を提示し、自ら学びを深め、その内容について定期試験で問うことがある。
注意点:
数学IIのうち微分積分については、確認試験及び定期試験(80%)と課題(20%)で評価する。
なお、到達目標を達成できなかった学生に対しては、再学習を課し、その後、再度到達度を確認するための試験を実施することがある。
数学IIは、微分積分と線形代数を単位時間数に対応して1:1で評価し、60%以上で目標達成とする。
年間総合評価が60点に満たない場合は、再提出したレポートや再評価試験にて再評価することがある。再評価でも60点に満たない場合は単位を認定しない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
関数とその性質

関数の特徴を幾何学的解釈を用いて説明することができる。
2週 関数の極限
関数の極限を計算することができる。
3週 微分係数、導関数 微分係数、導関数を計算できる。
4週 導関数の性質 導関数の性質を用いて、多項式関数の導関数を計算することができる。
5週 三角関数の導関数
指数関数と対数関数の導関数
三角関数の導関数を計算することができる。
指数関数と対数関数の導関数を計算できる。
6週 ネピアの数eの性質 ネピアの数eの性質を幾何学的解釈を用いて説明することができる。
7週 合成関数の導関数
逆関数の導関数
合成関数の導関数を計算することができる。
逆関数の導関数を計算することができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 対数関数の性質を用いた微分法 対数関数の性質を用いた微分法を用いて導関数を計算することができる。
10週 逆三角関数とその導関数
関数の連続
逆三角関数について、幾何学的解釈を用いて説明することができる。
関数の連続の概念について、幾何学的解釈を用いて説明することができる。
11週 接線と法線
関数の増減
関数のグラフの接線と法線を計算することができる。
導関数の性質を用いて関数の増減について説明することができる。
12週 極大と極小
関数の最大・最小
関数の極大と極小、最大・最小を計算することができる。
13週 不定形の極限 ロピタルの定理を用いて、不定形の極限を計算することができる。
14週 高次導関数
曲線の凹凸
高次導関数の性質を用いて、曲線の凹凸を計算することができる。
15週 前期定期試験
16週 答案返却
後期
3rdQ
1週 いろいろな関数のグラフ 導関数、高次導関数の性質を用いて、いろいろな関数のグラフを描くことができる。
2週 媒介変数表示と微分法 媒介変数表示による関数の導関数を計算することができる。
3週 速度と加速度
平均値の定理
導関数、高次導関数を用いて、速度と加速度を計算することができる。
平均値の定理について、幾何学的解釈を用いて説明することができる。
4週 不定積分 不定積分について、基本的な計算をすることができる。
5週 定積分の定義
微分積分学の基本定理
定積分の定義について、幾何学的解釈を用いて説明することができる。
6週 定積分の計算 定積分について、基本的な計算をすることができる。
7週 問題演習
8週 後期中間試験
4thQ
9週 いろいろな不定積分の公式 いろいろな不定積分の公式を用いて、基本的な計算をすることができる。
10週 置換積分法 置換積分法を用いて、計算することができる。
11週 部分積分法 部分積分法を用いて、計算することができる。
12週 置換積分法・部分積分法の応用 不定積分および定積分を、適切な方法を用いて計算することができる。
13週 いろいろな関数の積分 いろいろな関数の不定積分および定積分を、適切な方法を用いて計算することができる。
14週 問題演習
15週 後期定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前1
分数式の加減乗除の計算ができる。3前1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前1
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3前1
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前1
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3前1
簡単な連立方程式を解くことができる。3前1
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3前1
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3前1
恒等式と方程式の違いを区別できる。3前1
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3前1
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3前1
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3前1
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前1
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3前1
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前1
角を弧度法で表現することができる。3前1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3前1
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前1
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3前1
一般角の三角関数の値を求めることができる。3前1
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。2前9
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。2前9
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。2前9
合成関数の導関数を求めることができる。2前9
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。2前9
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。2前9
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。2前15
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。2前15
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。2前15
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。2前15
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。2前15
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。2後8
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。2後15
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。2後15

評価割合

確認試験及び定期試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力602080
応用的能力20020