ネットワーク技術

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 ネットワーク技術
科目番号 HI306 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 インターネット技術の絵本,アンク,翔泳社
担当教員 清田 公保

到達目標

1.ネットワーク技術の概略と情報モラルを理解し,コンピュータとインターネットの歴史的背景を理解し,説明できる.インターネットにおける通信速度,代表的な接続方法,ベストエフォートの考え方について理解し,説明できる.
2. WWWを理解し,Webブラウザの基本機能を説明することができる.電子メールの伝達方法とファイル転送,メールの基本的な書き方について理解し,利用することができる.Webサーバーを構築し,サーバーサイドプログラミングのシステムを構築できる。
3.SNS,RSS,P2Pなどのインターネット技術を習熟し,基本技術と利用形態を説明することができる.電子商取引,電子マネー,インターネット広告などのしくみを相互に理解して説明できる.
4.暗号化技術,認証技術,ファイヤーウォール,プロキシサーバーなどの基礎を習熟し,代表的なインシデント用語やセキュリティ対策について具体的に説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 インターネット技術と情報モラルネットワーク技術の概略と情報モラルを理解し,コンピュータとインターネットの歴史的背景を理解し,説明できる.インターネットにおける通信速度,代表的な接続方法,ベストエフォートの考え方について理解し,説明できる.ネットワーク技術の概略と情報モラルを理解できる.コンピュータとインターネットの歴史的背景を,おおまかに説明できる.インターネットにおける通信速度,代表的な接続方法,ベストエフォートの考え方について説明できる.ネットワーク技術の概略と情報モラルを理解できない.コンピュータとインターネットの歴史的背景を,全く説明できない.インターネットにおける通信速度,代表的な接続方法,ベストエフォートの考え方について説明できない.
評価項目2 Webとメール WWWを理解し,Webブラウザの基本機能を説明することができる.電子メールの伝達方法とファイル転送,メールの基本的な書き方について理解し,利用することができる.Webサーバーを構築し,サーバーサイドプログラミングのシステムを構築できる。WWWの基本部分を理解し,Webブラウザの基本機能を説明することができる.電子メールの伝達方法とファイル転送,メールの基本的な利用ができる.Webサーバーを構築し,サーバーサイドプログラミングの基本システムを構築できる。WWWの基本を理解し,Webブラウザの基本機能を説明することができない.電子メールの伝達方法とファイル転送,メールの基本的な書き方について,利用することができない. Webサーバーを構築できない。
評価項目3 インターネットサービスSNS,RSS,P2Pなどのインターネット技術を習熟し,基本技術と利用形態を説明することができる.電子商取引,電子マネー,インターネット広告などのしくみを相互に理解して説明できる.SNS,RSS,P2Pなどのインターネット技術の概略を理解し,基本技術と利用形態を説明することができる.電子商取引,電子マネー,インターネット広告などのしくみを説明できる.SNS,RSS,P2Pなどのインターネット技術の概略を理解できない.電子商取引,電子マネー,インターネット広告などのしくみを説明できない.
評価項目4 セキュリティ技術 暗号化技術,認証技術,ファイヤーウォール,プロキシサーバーなどの基礎を習熟し,インシデントに対するセキュリティ対策について具体的に説明できる.暗号化技術,認証技術,ファイヤーウォール,プロキシサーバーなどの基礎技術の概要を説明できる.代表的なインシデントに対するセキュリティ対策について概略を説明できる.暗号化技術,認証技術,ファイヤーウォール,プロキシサーバーなどの基礎技術の概要を説明できない.インシデントに対する代表的なセキュリティ対策について概略を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 SNSに代表されるようにコンピュータ間をつなぐ情報ネットワーク網は,現代社会では必要不可欠な情報基盤である.本科目では,全世界規模で情報のやり取りが行えるグローバルネットワークの基礎であるインターネットにおける情報システムの基本構造,Webシステム,電子メール技術などの基本技術ならびに関連した情報モラルについて習得する.また,ネットワークを利用したサーバーサイド技術や商取引,ネットワークセキュリティなどネットワークの運用を支える技術を身に付ける.
授業の進め方・方法:
 下記の項目に沿って実践的な演習などを交えながら講義を行う.(1)インターネットを利用する上で基礎となる基本用語やシステム構造などを理解し,利用できる.(2)インターネットを利用したWebとメールシステムの基礎を理解し,代表的な接続方法が説明できる.(3)掲示板やチャット,ブログなどのSNSの基盤となる技術の概要を理解し,説明できる.(4)TCP/IPプロトコル,アドレスの割り当てなどネットワークの構成の基本を理解し,IPアドレスの割り当て法が説明できる.(5)情報セキュリティや具体的なインシデントの用語などを理解し,運用する基礎知識を理解する.
注意点:
2単位履修単位である.講義の他、自学自習の時間ではネットワーク関係の基本用語の理解、HTMLなどのプログラミング作成、情報セキュリティに関わる演習およびレポート作成などを行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス:シラバスによる到達目標の説明、科目概要、評価方法等の概説 授業内容、到達目標、評価方法等について理解できる.
2週 ネットワークの歴史1 コンピュータの発展過程と関連しながら、ネットワーク技術の概略を理解し,コンピュータとインターネットの歴史的背景を理解する.
3週 ネットワークの歴史2 コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを理解している。
4週 インターネットの基礎1 ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。インターネットの概念を説明できる。
5週 インターネットの基礎2 ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。
6週 インターネットの基礎3 TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。
7週 インターネットの基礎4 少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。
8週 中間考査 これまで学習した内容が理解できる.
2ndQ
9週 Webとメールの取扱い1
Webブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。
10週 Webとメールの取扱い2
World Wide Webの基本を理解し,Webブラウザの基本機能を説明することができる.電子メールの伝達方法とファイル転送,メールの基本的な書き方について理解し,利用することができる.
11週 Webとメールの取扱い3 同上
12週 Webとメールの取扱い4 同上
13週 インターネット技術1 SNS,RSS,P2Pなどの基本技術と利用形態を理解し,説明することができる.電子商取引,電子マネー,インターネット広告などのしくみを説明できる.
14週 インターネット技術2 メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。
15週 インターネット技術3 Webブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。
16週 定期考査の解答と答案返却
試験結果を把握し、到達状況を理解できる.
後期
3rdQ
1週 ネットワーク構成1 TCP/IPプロトコルの基本構造が理解でき,IPアドレスやドメインサービスについて説明できる.
2週 ネットワーク構成2 同上
3週 ネットワーク構成3 同上
4週 ネットワーク構成4 TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。
5週 ネットワーク構成5 同上
6週 ネットワーク構成6 同上
7週 ネットワーク校正7
同上
8週 中間考査 これまで学習した内容が理解できる.
4thQ
9週 セキュリティ技術1
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。
10週 セキュリティ技術2
同上
11週 セキュリティ技術3
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する代表的な対策について説明できる。
12週 セキュリティ技術4
同上
13週 サーバーサイド技術1 Webサーバーの仕組みや設定方法を理解し,代表的なWebプログラミングとしてCGI,PHPなどの概念を理解し,サーバーサイド技術の概要が理解できる.
14週 サーバーサイド技術2 同上
15週 クライアントサイド技術 WebプログラミングとしてJavascript,VBscriptなどの概念を理解し,クライアントサイド技術の概要が理解できる.
16週 定期考査の解答と答案返却 試験結果を把握し、到達状況を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野ソフトウェアコンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。1
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。2前3
情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。1前3
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。1
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。2前5
インターネットの概念を説明できる。2前5,前7
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。2前7,後3
主要なサーバの構築方法を説明できる。2
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。2
その他の学習内容少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。3前8,前11,前13,前15
コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。3後12
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。3後9
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。1前12
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。1前12,前13,後15

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力502070
専門的能力30030
分野横断的能力000