認知情報工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 認知情報工学
科目番号 HI510 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 人間情報システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 自作プリント
担当教員 三好 正純

到達目標

到達目標はつぎのとおりである.
1.認知に関わる五感の働きと仕組み,知覚特性の基礎知識を身につける.
2.色・形・空間の知覚や錯覚など認知に関する主な現象を理解し簡単な応用ができる.
3.快適性や仮想現実感など感性に関わる技術の基礎知識を身につける.
4.感性の工学的取扱いについて基礎知識を身につけ簡単な応用ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
・認知科学と工学技術 ・感覚機能と知覚特性感覚・知覚・認知の関係を理解し工学技術との関わりを説明し応用できる. 視覚や聴覚などヒトの感覚器官の仕組みと知覚特性を理解し,説明と応用ができる.感覚・知覚・認知の関係を理解し工学技術との関わりを説明できる. 視覚や聴覚などヒトの感覚器官の仕組みと知覚特性を理解し,説明できる.感覚・知覚・認知の関係が理解不足で工学技術との関わりを説明できない. 視覚や聴覚などヒトの感覚器官の仕組みと知覚特性が理解不足で説明できない.
・色,形,空間の知覚 ・錯視,錯覚色覚と表色系の基礎を理解し説明できる. 主観的輪郭や多義図形など形に対する知覚の基礎特性を理解し説明と応用ができる. 両眼視や両耳による知覚の諸特性を理解し説明と応用ができる. ゲシュタルト心理学の概要,心の錯誤や認知の歪みなど錯覚の要因を理解し説明できる.色覚と表色系の基礎を理解し説明できる. 主観的輪郭や多義図形など形に対する知覚の基礎特性を理解し説明できる. 両眼視や両耳による知覚の諸特性を理解し説明できる. ゲシュタルト心理学の概要,心の錯誤や認知の歪みなど錯覚の要因を理解し説明できる.色覚と表色系の基礎を理解し説明できない. 主観的輪郭や多義図形など形に対する知覚の基礎特性が理解不足で説明できない. 両眼視や両耳による知覚の諸特性が理解不足で説明できない. ゲシュタルト心理学の概要,心の錯誤や認知の歪みなど錯覚の要因が理解不足で説明できない.
・快適性とデザイン ・バーチャルリアリティ快適性の要因・測定・評価と環境デザインの基礎を理解し説明と応用ができる. バーチャルリアリティ技術の現状と問題点を理解し説明できる.快適性の要因・測定・評価と環境デザインの基礎を理解し説明できる. バーチャルリアリティ技術の現状と問題点を理解し説明できる. 快適性の要因・測定・評価と環境デザインの基礎が理解不足で説明できない. バーチャルリアリティ技術の現状と問題点が理解不足で説明できない.
・感性情報処理 ・感性と工学感性情報の数量化と解析処理の基礎を理解し,技術的活用ができる. 感性と工学との関係,感性工学の基礎を理解し説明と応用ができる.感性情報の数量化と解析処理の基礎を理解し,簡単な利用ができる. 感性と工学との関係,感性工学の基礎を理解し説明できる.感性情報の数量化と解析処理の基礎が理解不足で簡単な利用もできない. 感性と工学との関係,感性工学の基礎が理解不足で説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 認知は五感の刺激が脳で処理されヒトのこころに影響を与えることから心理学とも深く関わっている.いま工学では安全・安心や癒しなど生活の質を向上させこころを豊かにする技術が求められており,ヒトの認知機構における感覚や知覚特性が利用されている.本講義では認知に関わる基礎知識,様々な実験や研究,情報技術との関わりなどを紹介しながら,工学的応用技法を考える.
授業の進め方・方法:
 授業は講義を中心に,錯視・錯聴,認知心理に関する簡単な実験を交えながら進める.また,地球上の他の生物の知覚・認知の特徴も含めて認知機構と生活・行動との関わりを考える.主な授業内容は,認知に関わる五感の働きと仕組み,色・形・空間の認知に関する主な現象,快適性や仮想現実感など感性に関わる技術とその工学的取扱いに関する基礎的事柄などである.
注意点:
 授業は遅刻しないこと.遅刻すると講義の流れに乗るのが難しくなる.本科目は複合領域の内容であり,1冊にまとまった教科書がない.自学では人間工学や認知心理学など関係の専門書が図書館にあるので参考にしてほしい.なお,規定授業時数は60時間で,課題レポート作成のために放課後・家庭で30時間程度の自学学習が求められます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,認知科学の基礎 授業の内容・位置付け,達成目標,評価方法,履修上の注意などを理解する.
認知科学の歴史や感覚・知覚・認知の関係を理解し説明できる.
2週 認知情報と工学技術 感覚・知覚・認知に関する情報の質や特徴を理解し工学技術との関わりを説明できる.
3週 感覚機能と知覚特性(1) 視覚や聴覚などヒトの感覚器官(五感)の仕組みと知覚特性を理解し,説明できる.
4週 感覚機能と知覚特性(2) 同上
5週 感覚機能と知覚特性(3) 同上
6週 感覚機能と知覚特性(4) 同上
7週 感覚機能と知覚特性(5) 同上
8週 中間試験 ヒト・動物の感覚機能の特徴とその工学応用を調査し説明できる.
2ndQ
9週 色の知覚(1) 色覚と表色系の基礎を理解し説明できる。
10週 色の知覚(2) 同上
11週 形の知覚(1) 主観的輪郭や多義図形など形に対する知覚の基礎特性を理解し説明できる.
12週 形の知覚(2) 同上
13週 空間の知覚(1) 両眼視や両耳による知覚の諸特性を理解し説明できる.
14週 空間の知覚(2) 同上
15週 錯視・錯覚 ゲシュタルト心理学の概要,心の錯誤や認知の歪みなど錯覚の要因を理解し説明できる.
16週 答案返却 達成度評価
後期
3rdQ
1週 快適性とデザイン(1) 快適性の要因・測定・評価と環境デザインの基礎を理解し説明できる.
2週 快適性とデザイン(2) 同上
3週 快適性とデザイン(3) 同上
4週 快適性とデザイン(4) 同上
5週 バーチャルリアリティ(1) バーチャルリアリティ技術の現状と問題点を理解し説明できる.
6週 バーチャルリアリティ(2) 同上
7週 バーチャルリアリティ(3) 同上
8週 中間試験 快適性やバーチャルリアリティの応用技術を調査し説明できる.
4thQ
9週 感性情報処理(1) 感性情報の数量化と解析処理の基礎を理解し,簡単な利用ができる.
10週 感性情報処理(2) 同上
11週 感性情報処理(3) 同上
12週 感性情報処理(4) 同上
13週 感性と工学(1) 感性と工学との関係,感性工学の基礎を理解し説明できる.
14週 感性と工学(2) 同上
15週 感性と工学(3) 同上
16週 答案返却 達成度評価

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力201535
専門的能力501565
分野横断的能力000