工学入門

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 工学入門
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考書 「機械創造学」 畑村洋太郎・小野耕三・中尾政之著 丸善
担当教員 山下 徹

到達目標

1.学科の概要を理解し,専門分野と社会との関わりを認識できる.
2.グループ活動の中で協調し,好奇心と探究心を持って課題に取り組むことができる.
3.技術史より,現在まで技術が発展した時代背景や経緯,発展内容を理解することができる.
4.NM法やブレインストーミングなど問題の発見・解決に有用な手法について理解することできる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1開講科目を例示するなど学科について明確に説明でき,専門分野と社会との関わりについて具体例を挙げながら説明できる.学科の概要について説明でき,明確ではないが専門分野と社会との関わりについて概念的に説明できる.学科の概要についての理解が不十分で,専門分野と社会との関わりについて説明できない.
評価項目2グループ活動の中で協調し,グループの中心的立場で積極的に取り組むことができる.グループ活動の中で協調し,グループの中心的立場とは言えないものの積極的に取り組むことができる.グループ活動の中で協調することができず,積極的な取り組みが見られない.
評価項目3技術が発展した時代背景や経緯について十分な理解があり,具体例を提示しながら,明確に説明することができる.技術が発展した時代背景や経緯について基本的な理解があり,多少の誤りはあるが,説明することができる.技術が発展した時代背景や経緯について理解が不十分で説明することができない.
評価項目4問題の発見・解決に有用な手法について,特徴を認識して具体例を提示し,有効に活用することができる.問題の発見・解決に有用な手法について幾つかの具体例を提示し,効果的ではないが活用することができる.問題の発見・解決に有用な手法についてを具体例を提示できず,また,全く活用することができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-2 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 4-4 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目はキャリア教育プログラムの一つとして,高専に入学してきた1年生に対して,これからの工学の学習に対する動機付けを行なう専門学科によるプロジェクト科目である.学科に関連する工学分野の内容と社会との関わりについて学ぶとともに,課題を発見し解決するために有用な手法を身に付けることを目的とする.また,科目内で行なわれるグループワークでは,上記の授業目的を実践的に理解するとともに,分野横断的能力(「論理的思考」「チームワーク力」「課題発見」「主体性」「コミュニケーションスキル」)を養うことを目的とする.
授業の進め方・方法:
主にスライドや配布資料を用いて講義形式もしくはグループワーク形式での授業を実施する.グループワークでは割り振られた班で期間中を取り組んでもらう.また,概要に記載の分野別横断能力については,定期的に能力別のアセスメント(評価)を実施する.
注意点:
本科目は,専門分野の工学に興味を持ってもらうための科目です.ただ聞くのではなく疑問点については自発的に質問や調査をし,自分の知識・興味をふくらませて下さい.
グループワークでは積極的かつ主体的に取り組んで下さい.
教員への疑問や質問については,メールやオフィスアワー等を有効活用して下さい.
課された提出については,全て提出してください.未提出物がある場合,最終成績は60点未満となります.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 工学入門ガイダンス(機械知能システム工学科とは何か?何を学ぶか?) 所属学科の工学分野および専門科目について概要を説明できる.
2週 機械と人間の歴史 歴史において機械技術が社会に与えた影響についての概略を説明できる.
3週 自動車の歴史と基本的な仕組み ガソリン自動車についての学びの中で,好奇心と探求心を持つことができる.
4週 着想の育て方(1)アイデアを生み出す条件と思考過程 アイデア発想の条件と発想における思考過程について理解し,概略を説明できる.
5週 着想の育て方(2)課題解決のための発想フレームワーク 様々な発想フレームワークについて概略を説明できる.
6週 着想の育て方(3)課題解決のための発想フレームワーク グループの中で協調して役割を果たすことができる.
7週 着想の育て方(4)課題解決のための発想フレームワーク グループの中で協調して役割を果たすことができる.
8週 中間試験
4thQ
9週 ウインドワゴンの製作(全体説明,アイデア) グループの中で協調して役割を果たすことができる.
10週 ウインドワゴンの製作(製作) グループの中で協調して役割を果たすことができる.
11週 ウインドワゴンの製作(第1回競技会) グループの中で協調して役割を果たすことができる.
12週 ウインドワゴンの製作(専門アドバイスおよび製作) ものづくりの中に様々な専門工学の知識が含まれていることを理解する.
グループの中で協調して役割を果たすことができる.
13週 ウインドワゴンの製作(第2回競技会) グループの中で協調して役割を果たすことができる.
14週 ウインドワゴンの製作(最終競技会) グループの中で協調して役割を果たすことができる.
15週 定期試験
16週 エンジニアへの道(成果検証) 科目の到達目標に対する自己評価ができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。1前3,後1
社会における技術者の役割と責任を説明できる。1前3,後1
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。1後3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。1前3,後3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。2前2,後1
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。1前9,前10,前11,後5
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3前10,前11,後5,後12
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。1前10,前11,後14
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。1前2,後2,後4
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。1前2,後2,後3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。1後5,後6,後7,後13,後14
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。1後5,後6,後7,後13,後14
他者の意見を聞き合意形成することができる。1後5,後6,後7,後12,後13,後14
合意形成のために会話を成立させることができる。1後5,後6,後7,後12,後13,後14
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。1前6,前7,前12,前13,前14,後5,後6,後7,後12,後13,後14
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。1後6,後13
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる1後13
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2前5,前6,前7,前12,前13,前14,後6,後7,後12,後13
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。1後6,後14
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前6,前7,前12,前13,前14,後6,後7,後12,後13,後14
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。1後4,後6,後16
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。1後6,後12,後14
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。1後5,後6,後7,後12,後13,後14
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。1後5,後6,後10,後12,後13,後14
目標の実現に向けて計画ができる。1後9,後10,後11,後12,後13
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。1後6,後7,後10,後12,後13,後14
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。1前6,前7,前12,前13,前14,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。1前6,前7,前12,前13,前14,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。1前6,前7,前12,前13,前14,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。1前6,前7,前12,前13,前14,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。1後7,後10,後14
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。1後14,後16

評価割合

個別レポート評価平均グループワーク評価平均合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力50050
分野横断的能力05050