力学基礎

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 力学基礎
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「工業力学(改訂版)」 吉村靖夫・米内山誠共著 コロナ社
担当教員 河﨑 功三,田中 裕一

到達目標

物体に作用する力,物体の運動,運動と仕事の関係などを理解できることを目標とする.
1.力,重心,慣性モーメント,エネルギーといった工学になじみの深い概念について理解できる.
2.積分を使って物体の重心が計算できる.
3.運動する物体に作用する力を把握し,運動方程式をたて,その解を求めることができる.
4.運動量保存の法則やエネルギー保存の法則を理解できる.また,これらの法則と運動方程式との関係を
捉えることができる.
5.上記の運動方程式や法則を用いて,実際の機械の運動を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力の表し方一点に作用する力のつりあい 条件を説明できる.一点に作用する力の合成と分 解を図で表現でき,合力と分力 を計算できる.力は,大きさ,向き,作用する 点によって表されることを理 解できない.
重心立体の重心位置を計算できる.重心の意味を理解でき,平板の 重心位置を計算できる.重心の意味を理解できない.
運動運動の法則を説明できる.力,質量および加速度の関係を 運動方程式で表すことができ る.運動の法則を理解できない.
仕事,エネルギーと 動力動力の意味を理解し,計算でき る.仕事,エネルギーの意味を理解 し,計算できる.仕事,エネルギーの意味を理解 できない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械系学科において基礎的学問分野として位置づけられている「工業力学」を取り上げる.数学,物理の知
識を用いながら,静力学,運動学および動力学の基礎を学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って進める.例題と演習問題を数多く自分で解かせる.
注意点:
授業スケジュールを把握して,予習を行い,授業での説明を理解すること.ノートを用意し,時間
をかけて数多くの問題を自分で解くこと.
教員や友人が解いた解答例を見ながら理解しようとしてもあまり実力につながらない.この科目で時
間をかけて自分で解く習慣を身に着けて欲しい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,
静力学の基礎Ⅰ
力とベクトル
2週 静力学の基礎Ⅱ
力のモーメント
3週 剛体に働く力Ⅰ
力のつりあい
4週 剛体に働く力Ⅱ
トラス
5週 重心Ⅰ
重心
6週 重心Ⅱ
回転体の表面積と体積
7週 まとめ
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 摩擦Ⅰ
静摩擦,動摩擦,摩擦角
10週 摩擦Ⅱ
転がり摩擦,機械要素における摩擦
11週 運動学Ⅰ
並進運動
12週 運動学Ⅱ
回転運動
13週 運動学Ⅲ
等速円運動,等角加速度円運動
14週 運動学Ⅳ
相対運動
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 動力学Ⅰ
ニュートンの運動の法則,慣性力
2週 動力学Ⅱ
求心力,遠心力
3週 剛体の動力学Ⅰ
角運動方程式,慣性モーメント
4週 剛体の動力学Ⅱ
剛体の平面運動
5週 運動量と力積Ⅰ
6週 運動量と力積Ⅱ
7週 まとめ
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 運動量と力積Ⅲ
10週 仕事・動力・エネルギーⅠ
11週 仕事・動力・エネルギーⅡ
12週 仕事・動力・エネルギーⅢ
13週 振動Ⅰ
14週 振動Ⅱ
15週 〔学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2
運動方程式を用いた計算ができる。2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。2
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。2
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。2
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。2
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。2
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。2
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。2
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。2
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。2
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。2
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。2
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。2
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。2
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。2
仕事の意味を理解し、計算できる。2
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。2
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。2
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。2
動力の意味を理解し、計算できる。2
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。2
運動量および運動量保存の法則を説明できる。2
物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。2
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。2
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。2
振動の種類および調和振動を説明できる。2

評価割合

試験ノート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000