電気回路

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電気回路
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「電気回路の基礎」 西巻正郎 森北出版
担当教員 西村 壮平

到達目標

1. 直流回路網の諸定理を用いて回路の電圧,電流,電力が計算できる.
2. 正弦波交流をフェザー表示や複素数表示で書き表すことができる.
3. コイルとコンデンサの交流における動作が理解できる.
4. R,L,Cを用いた直列,並列回路における回路の性質や働きが理解できている.
5. インピーダンスとアドミタンスを用いた計算ができる.
6. 皮相電力,有効電力,無効電力,力率の関係が理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
直流回路網の諸定理を用いて回路の電圧,電流,電力が計算できる.直流回路網の諸定理について説明でき,それらを用いて応用的な回路の計算ができる.直流回路網の諸定理について説明でき,それらを用いて簡単な回路の計算ができる.直流回路網の諸定理について説明できず,それらを用いて簡単な回路の計算もできない.
正弦波交流をフェザー表示や複素数表示で書き表すことができる.正弦波交流における平均値や実効値の意味を説明できる.フェザー表示や複素数表示で書き表すことができ,それらを用いて応用的な演算が出来る.正弦波交流における平均値や実効値の意味を説明できる.フェザー表示や複素数表示で書き表すことができ,それらの簡単な演算が出来る.正弦波交流における平均値や実効値の意味を説明や,フェザー表示や複素数表示で書き表すことが出来ず,それらの演算も出来ない.
コイルとコンデンサの交流における動作が理解できる.コイルとコンデンサの交流における動作を理解し,それらのインピーダンスを状況に応じて極座標表示と複素数表示を使い分けることが出来る.コイルとコンデンサの交流における動作を理解し,それらのインピーダンスを極座標表示や複素数表示で表わすことが出来る.コイルとコンデンサの交流における動作を理解しておらず,それらのインピーダンスを極座標表示や複素数表示で表わすことも出来ない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
交流現象の基本事項について習得する科目である.基礎電気工学(2年)からの継続としてキルヒホッフの法則を交流回路解析への適用手段として身に付けた上で,複素ベクトルを用いることによって代数的な計算だけで回路解析(回路の電流を求めること)や電力の計算ができることを習得する.
授業の進め方・方法:
複素ベクトルを用いて基本的な例題を解くことによって,交流回路における複素ベクトルの有用性を理解し認識させる.
基礎的な演習問題を数多く解析することで複素ベクトルによる計算方法に慣れるようにする.
できるだけ多くの演習問題を解くことによって回路解析への感覚を培わせる.
注意点:
毎回,次回の講義の予告を行うのでその概要を事前に確認しておく.授業後は関連する内容や背景等を調べ広く知識を蓄えると共に,授業で実施した内容がいろいろな場面で活用できるように定着を図る.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 直流回路網の諸定理(重ねの理)
2週 直流回路網の諸定理(鳳テブナン定理)
3週 ブリッジ回路の平衡条件
4週 交流回路計算の基本
5週 フェーザ表示と複素数表示
6週 フェーザ表示と複素数表示
7週 交流における回路要素の性質
8週 総合問題
2ndQ
9週 中間試験
10週 中間試験の返却と解説
11週 回路要素の直列接続
12週 回路要素の直列接続
13週 回路要素の並列接続
14週 回路要素の並列接続
15週 前期定期試験
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 2端子回路の直列接続
2週 2端子回路の並列接続
3週 交流の電力
4週 交流の電力
5週 交流回路網の解析
6週 交流回路網の解析
7週 総合問題
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験の返却と解説
10週 交流回路の周波数特性
11週 交流回路の周波数特性
12週 直列共振
13週 直列共振
14週 並列共振
15週 総合問題
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前1,前2,前3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前1,前2,前3
ジュール熱や電力を求めることができる。3後3,後4
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1,前2,前3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前1
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前1,前2,前3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3前1
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3後3,後4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3前4,前5,前6
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3前7
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3前7
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3前7,前11,前12,前13,前14
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3前11,前12,前13,前14,後10,後11
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3前5,前6,後10,後11
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3後5,後6
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3後1,後2,後10,後11
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3後12,後13,後14,後15
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3後3,後4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000