総合実習I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 総合実習I
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:資料配付 参考書:実践メカトロニクス入門」武藤一夫 著,オーム社,「はじめてのロボット創造設計」 米田・坪内・大隅共著 講談社サイエンティフィク,「Arduinoをはじめよう」Massimo Banzi著 オライリージャパン,「作る・できる/基礎入門 電子工作の素」後閑哲也著 技術評論社
担当教員 村山 浩一,湯治 準一郎

到達目標

1. これまで学んだ実習や講義の知識を基に,ライントレースロボットを製作することができる.
2. 使用するセンサや電子部品等について,その原理や動作を説明することができる.
3. マイコンによる制御において,製作するロボットがラインをトレースするためのプログラムを作成することが出来る.
4. 予め設定されたコースを完走することができるようライントレースロボットを改良すると共に,より早いタイムでコースを完走できるよう更なる改良をしていくことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. これまで学んだ実習や講義の知識を基に,ライントレースロボットを製作することができる.配布する資料以外にも,自ら収集した資料や知識を参考にしてライントレースロボットを製作することができる配布する資料を参考にして,これまでの知識を基にライントレースロボットを製作することができる.ライントレースロボットを製作することができない.
2. 使用するセンサや電子部品等について,その原理や動作を説明することができる.使用するセンサや電子部品等について,より詳細な原理や動作,特性を説明することができる.使用するセンサや電子部品等について,その基本的な原理や動作を説明することができる.使用するセンサや電子部品等について,その基本的な原理や動作を説明することができない.
3. マイコンによる制御において,製作するロボットがラインをトレースするためのプログラムを作成することが出来る.ロボットがラインをより滑らかにトレースできるようにモータの逆転やPWM制御を考慮したプログラムを作成できる.製作するロボットがラインをトレースできるように,マイコンのプログラムを作成できる.製作するロボットがラインをトレースするようマイコンのプログラムを作成できない.
4. 予め設定されたコースを完走することができるようライントレースロボットを改良すると共に,より早いタイムでコースを完走できるよう更なる改良をしていくことができる.より早い走破タイムでコースを完走できるようにロボットを改良していくことができる予め設定されたコースを完走するように,ロボットを改良することができる.コースを完走するようにロボットを改良することができない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 2-2 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-4 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 6-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1,2年で学んだものづくりの経験をさらに具体的な製品製作の観点から見直し,エンジニアとして必要な工作感覚を高めることを目的に,マイコンボード(Arduino)を利用したライントレースロボットを製作する.本校のカリキュラムにおいては,技術者としての基礎的な知識や技術の習得および問題解決能力を養うための導入的な科目として位置づけられる.
授業の進め方・方法:
これまでに実習や講義で学んだ体験や知識を基に,班に分かれて互いに協力,切磋琢磨しながら,それぞれ一人一人がライントレースロボットを製作する.さらに競技会を通して改良を加えていき,より高いレベルのロボットを完成させることで,ものづくりにおける一連のプロセスを体験してもらい,実際のものづくりをおこなう際の技術的な問題の解決方法など,エンジニアとして必要な感性や工作技術,能力を育成していく
注意点:
学習方法:学習方法 これまで習得してきた知識や配付資料だけではなく,インターネットや文献等からの様々な資料を自ら収集し,それらを総合的に結びつけてライントレースロボットを完成させることが望まれる.また理論的なアプローチと試行的なアプローチを上手に使い分け,今後エンジニアとしてものづくりの際に実際に活用できるような知識と経験を習得していくことを意識して取り組む.
学生へのメッセージ:メッセージ 自分自身の手で一からロボットを作り上げるプロセスを通して,「ものづくり」の楽しさや苦しさ,完成したときの喜びを体験して欲しい.完成までには多くの困難に直面することと思うが,教員側も適宜バックアップをおこなうので,それに挫けることなく,根気を持って粘り強く取り組んで欲しい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション これから実施する内容を理解し,今後の取り組みについての道筋を立てることが出来る.
2週 Arduinoの使用法の復習(初期設定,LED点滅,アナログ入出力) 前期に実施した実験内容を思い出し,自ら回路とプログラムを組んで動作させることが出来る.
3週 Arduinoの使用法の復習(PWM,モータの制御) 前期に実施した実験内容を思い出し,自ら回路とプログラムを組んで動作させることが出来る.
4週 ライントレースロボットの製作(全体構成の検討,シャシー加工) ライントレースロボットの全体構成について検討し,シャシーの加工ができる.
5週 ライントレースロボットの製作(シャシー加工,各部品の組み付け) ライントレースロボットのシャシーの加工や,各部品の取り付けができる.
6週 ライントレースロボットの製作(センサと回路部の組み付け) ライントレースロボットのセンサーや回路部を組み付けることができる.
7週 ライントレースロボットの製作(プログラミング) ライントレースロボットを動作させるためのプログラムを組むことが出来る.
8週 ライントレースロボットの製作(コースの試走と調整) ライントレースロボットを実際のコースで走らせ,正しく走行するように調整することができる.
4thQ
9週 ライントレースロボットの改良(第一回競技会) 実際にコースを走らせ,完走を目指してタイムを測ることが出来る.
10週 ライントレースロボットの改良(1) より速いタイムでコースを完走できるように,ライントレースロボットを改良することができる.
11週 ライントレースロボットの改良(2) より速いタイムでコースを完走できるように,ライントレースロボットを改良することができる.
12週 ライントレースロボットの改良(3) より速いタイムでコースを完走できるように,ライントレースロボットを改良することができる.
13週 ライントレースロボットの改良(第二回競技会) クラス内の学生と競いながら,出来るだけ速いタイムで,コースを完走することができる.
14週 総合試験(筆記) ライントレースロボットの構成やプログラムについての基本的知識が身についているかを,筆記試験で確認することができる.
15週 総合試験の返却・解説 総合試験の結果を確認し,不足している知識を確認することができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。3
定数と変数を説明できる。3
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。3
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。3
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。3
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。3
条件判断プログラムを作成できる。3
繰り返し処理プログラムを作成できる。3
電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3
情報プログラミング言語を用いて基本的なプログラミングができる。3
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3
専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。3
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。3
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。3
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。3
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。3
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。3

評価割合

課題の達成課題の達成状況の評価総合試験態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合602020000100
基礎的能力0000000
専門的能力602020000100
分野横断的能力0000000