基礎電気

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 基礎電気
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「電気回路の基礎」 西巻正郎 森北出版
担当教員 西村 壮平

到達目標

1. 電流、電圧、抵抗の概念が理解できる.
2. 電気回路の基本法則であるオームの法則とキルヒホッフの法則が理解できる.
3. 電力量と電力について理解できる.
4. 直流回路網の諸定理を用いて回路の電圧,電流,電力が計算できる.
5. 正弦波交流について理解し、説明できる.
6. 正弦波交流をフェザー表示や複素数表示で書き表すことができる.
7. コイルとコンデンサの交流における動作が理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電流、電圧、抵抗の概念が理解できる.電流、電圧、抵抗の概念を説明できる。それらを用いて応用的な演算が出来る。電流、電圧、抵抗の概念を説明できる。それらを用いて簡単な演算が出来る。電流、電圧、抵抗の概念を説明できない。それらを用いて簡単な演算が出来ない。
電気回路の基本法則であるオームの法則とキルヒホッフの法則が理解できる.電気回路の基本法則であるオームの法則とキルヒホッフの法則を説明できる。それらを用いて応用的な演算が出来る。電気回路の基本法則であるオームの法則とキルヒホッフの法則を説明できる。それらを用いて簡単な演算が出来る。電気回路の基本法則であるオームの法則とキルヒホッフの法則を説明できない。それらを用いて簡単な演算が出来ない。
電力量と電力について理解できる.電力量と電力について説明できる。それらを用いて応用的な演算が出来る。電力量と電力について説明できる。それらを用いて簡単な演算が出来る。電力量と電力について説明できない。それらを用いて簡単な演算が出来ない。
直流回路網の諸定理を用いて回路の電圧,電流,電力が計算できる.直流回路網の諸定理について説明でき,それらを用いて応用的な回路の計算ができる.直流回路網の諸定理について説明でき,それらを用いて簡単な回路の計算ができる.直流回路網の諸定理について説明できない.それらを用いて簡単な演算が出来ない。
正弦波交流について理解し、説明できる.正弦波交流の特徴を説明でき,応用レベルの問題を解くことができる.正弦波交流の特徴を説明でき,基礎的な問題を解くことができる.正弦波交流の特徴を説明できない
正弦波交流をフェザー表示や複素数表示で書き表すことができる.正弦波交流における平均値や実効値の意味を説明できる.フェザー表示や複素数表示で書き表すことができ,それらを用いて応用的な演算が出来る.正弦波交流における平均値や実効値の意味を説明できる.フェザー表示や複素数表示で書き表すことができ,それらの簡単な演算が出来る.正弦波交流における平均値や実効値の意味を説明や,フェザー表示や複素数表示で書き表すことが出来ず,それらの演算も出来ない.
コイルとコンデンサの交流における動作が理解できる.コイルとコンデンサの交流における動作を理解し,それらのインピーダンスを状況に応じて極座標表示と複素数表示を使い分けることが出来る.コイルとコンデンサの交流における動作を理解し,それらのインピーダンスを極座標表示や複素数表示で表わすことが出来る.コイルとコンデンサの交流における動作を理解しておらず,それらのインピーダンスを極座標表示や複素数表示で表わすことも出来ない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電気は身の回りのありとあらゆるところで利用されている.機械工学においても,電気回路の基礎的な知識を有することは,技術者として必須の条件である.そのため本科目では,直流はもちろん交流の電気回路についての基礎的事項の習得を目的とする.
授業の進め方・方法:
本講義では教科書を中心に進めるとともに身の回りにある電気を利用したものについての話題も適宜取り入れながら講義を行う.回路の計算や文字式を使った計算方法については例題や演習を通して習得,適宜実施する小テストで理解度を確認してもらいたい.
注意点:
短時間でよいから必ず予習と復習をする.授業をよく聴くように心がけて,重要な事項は何かを理解する.また,例題や練習問題を何度も解いて問題に慣れることが理解力を深める。解き方を暗記するのではなく、なぜその解き方で答えが出るのかを考えること.
疑問点があるときはどんどん遠慮せずに質問して欲しい.授業の前後・メール・来室など空いている時間はいつでも対応する.教員室前に授業や会議のスケジュールを掲示しているので来室の際の参考にしてもらいたい.レポートや試験の解答は,他人に自分の思考(方法・順序など)が伝わる記述をするように心がけて欲しい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,電気回路と基礎電気量(電荷と電流,電圧) 電荷と電流、電圧を説明できる。
2週 電気回路と基礎電気量(電圧,電力,電力量) 電圧を説明できる。
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。
3週 電気回路の構成要素,回路要素の基本的性質(直流と交流,電気抵抗,オームの法則,短絡と開放,) 抵抗の電気回路素子としての役割を理解できる.
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。
4週 回路要素の基本的性質(インダクタンス,キャパシタンス) コイルの電気回路素子としての役割を理解できる.
コンデンサの電気回路素子としての役割を理解できる.
5週 定常状態と過渡現象,直流回路の基本(直列回路) 合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。
6週 直流回路の基本(直流電源の等価回路,コンダクタンス,並列回路) 合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。
7週 直流回路の基本(並列回路),演習問題 合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。
8週 [中間試験] [中間試験]
2ndQ
9週 中間試験の返却と解説 中間試験の返却と解説
10週 直流回路網(直並列回路) 合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。
11週 直流回路網(Y-Δ変換,Δ-Y変換) 合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。
12週 直流回路網(ブリッジ回路) ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。
13週 直流回路網の基本定理(キルヒホッフ則) キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。
14週 直流回路網の基本定理(キルヒホッフ則) キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。
15週 総合問題 総合問題
16週 前期末試験の返却と解説 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 直流回路網の基本定理 網目電流法を用いて回路の計算ができる。
2週 直流回路網の基本定理 重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。
鳳テブナン定理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。
3週 直流回路網の諸定理 鳳テブナン定理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。
4週 正弦波交流 正弦波交流の特徴を説明し,周波数や位相などを計算できる.
5週 正弦波交流 平均値と実効値を説明し,これらを計算できる.
6週 交流回路計算の基本 複素数を説明し,簡単な計算ができる.
7週 交流回路計算の基本,総合問題 複素数を説明し,簡単な計算ができる.
8週 [中間試験] [中間試験]
4thQ
9週 中間試験の返却と解説 中間試験の返却と解説
10週 正弦波交流のフェーザ表示と複素数表示 正弦波交流のフェーザ表示,複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。
11週 正弦波交流のフェーザ表示と複素数表示 正弦波交流のフェーザ表示,複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。
12週 交流における回路要素の性質 インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。
13週 交流における回路要素の性質 R,L素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。
14週 交流における回路要素の性質 C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。
15週 総合問題
16週 学年末試験の返却と解説 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4前1,前2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前13,前14
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前5,前6,前7,前11,前12
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前12
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3後4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3後5
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3後10,後11
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3後13,後14
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3後13,後14
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。2後13,後14
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3後2
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3後1
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3後3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3後2,後3

評価割合

試験課題(小テスト)合計
総合評価割合9010100
基礎的能力9010100
専門的能力000
分野横断的能力000