数学III

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 数学III
科目番号 0053 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 6
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 6
教科書/教材 LIBRARY 工学基礎&高専TEXT 微分積分、LIBRARY 工学基礎&高専TEXT 線形代数
担当教員 五十川 読,東田 洋次

到達目標

[4H]
1.微分の応用と積分の応用(前半)に関する基本的な問題が解ける。
(項目)高次導関数/ロピタルの定理/曲線の凹凸と変曲点/媒介変数表示された関数の微分/近似式/マクローリン展開/オイラーの公式/媒介変数表示された関数の積分(面積,長さ,回転体の体積,回転面の面積)/極方程式/極座標表示された関数の積分(面積,長さ)
2.積分の応用(後半)と微分方程式に関する基本的な問題が解ける。
(項目)広義積分/区分求積法/変数分離形/線形微分方程式/定数係数2階線形微分方程式
3.2変数関数の微分(偏微分)に関する基本的な問題が解ける。
(項目)2変数関数/極限と連続/偏導関数/接平面/全微分/合成関数の偏微分/高次偏導関/極値判定/陰関数定理/条件付極値問題
4.2変数関数の積分(重積分)に関する基本的な問題が解ける。
(項目)重積分/長方形領域における累次積分/単純閉領域における累次積分/積分順序の変更/変数変換/体積/曲面積/広義積分/重心
[2H]
1.行列に関する基本的な問題が解ける。
(項目)行列の演算(和と実数倍)/行列の演算(積)/逆行列/2元連立1次方程式/行の基本変形/掃き出し法
2.行列式に関する基本的な問題が解ける。
(項目)行列式/行列式の基本性質/余因子展開/クラメルの公式/4次の行列式
3.線形変換に関する基本的な問題が解ける。
(項目)線形変換/表現行列/合成変換/逆変換/図形の線形変換
4.固有値に関する基本的な問題が解ける。
(項目)固有値と固有ベクトル/対角化/対称行列の対角化/対角化の応用

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 [4H]微分の応用と積分の応用(前半)に関する基本的な問題が解ける。 [2H]行列に関する基本的な問題が解ける。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。
評価項目2 [4H]積分の応用(後半)と微分方程式に関する基本的な問題が解ける。 [2H]行列式に関する基本的な問題が解ける。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。
評価項目3 [4H]2変数関数の微分(偏微分)に関する基本的な問題が解ける。 [2H]線形変換に関する基本的な問題が解ける。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。
[4H]2変数関数の積分(重積分)に関する基本的な問題が解ける。 [2H]固有値に関する基本的な問題が解ける。到達目標の項目に関する問題に対して8割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割以上を正答することができる。到達目標の項目に関する問題に対して6割未満の正答しかない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
[4H]本科目では、数学Ⅱ[4H]で学んだ微分積分の基礎を踏まえ、微分積分の応用,微分不定式,および2変数の微分法(偏微分)と積分法(重積分)を取り扱う。
[2H]本科目では、数学Ⅱ[2H]ベクトルの延長である行列と,行列の継続である行列式と行列の応用を取り扱う。
注意:五十川担当分の[2H]については、3Qの内容と2Qの内容を入れ替えて実施する。
授業の進め方・方法:
(授業方針)本講義は教科書を中心に進め、次の達成目標に関する解説と演習を行う。また、適宜授業内容を確認するための試験を実施する。[4H]では微分積分の応用,微分方程式および2変数の微分積分における基本的な知識の修得と簡単な計算ができるようになることを目標とする。[2H]では行列,行列式,および行列の応用における基本的な知識の修得と簡単な計算ができるようになることを目標とする。
(評価方法)4回の定期試験の成績(80%)と、適宜実施する試験の成績(20%)によって目標項目の達成度を評価する。評価の低い学生に対しては、再評価を行うこともある。
注意点:
(学習方法)講義で取扱った授業内容は、教科書や問題集等を解くことにより復習を行う。また、次回の講義に該当する箇所について、教科書を一読し予習してくる。
(連絡事項)基本問題を何回も正確に解くことが大切です。また、講義や演習に関する質問は、数学科全員で対応しています。放課後を利用し気軽に声をかけてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 [4H]微分の応用
[2H]行列とその演算
□高次導関数に関する問題
□行列の和及び実数倍に関する問題
2週 [4H]微分の応用
[2H]行列とその演算
□ロピタルの定理に関する問題
□行列の積に関する問題
3週 [4H]微分の応用
[2H]行列とその演算/2次正方の逆行列とその応用
□曲線の凹凸及び変曲点に関する問題
□逆行列に関する問題
4週 [4H]微分の応用
[2H]2次正方行列の逆行列とその応用
□媒介変数表示とその導関数に関する問題
□マクローリン展開に関する問題
□逆行列の応用に関する問題
5週 [4H]微分の応用
[2H]行列の基本変形とその応用
□マクローリン展開に関する問題
□オイラーの公式に関する問題
□階数に関する問題
6週 [4H]積分の応用
[2H]行列の基本変形とその応用
□媒介変数表示とその積分に関する問題
□掃き出し法に関する問題(連立方程式)
7週 [4H]積分の応用
[2H]行列の基本変形とその応用
□媒介変数表示とその積分に関する問題
□極座標表示とその積分に関する問題
□掃き出し法に関する問題(逆行列)
8週 (前期中間試験) 評価項目1
2ndQ
9週 [4H]積分の応用
[2H]2次及び3次の行列式
□極座標表示とその積分に関する問題
□行列式に関する問題
10週 [4H]積分の応用
[2H]2次及び3次の行列式
□広義積分に関する問題
□行列式の乗法公式に関する問題
11週 [4H]積分の応用
[2H]2次及び3次の行列式
□区分求積法に関する問題
□余因子展開に関する問題
12週 [4H]微分方程式
[2H]2次及び3次の行列式
□微分方程式
□変数分離形
□クラメルの公式に関する問題
13週 [4H]微分方程式
[2H]n次の行列式
□1階線形微分方程式
□4次の列式に関する問題
14週 [4H]微分方程式
[2H]行列式の基本性質
□2階微分方程式
□定数係数斉次2階線形微分方程式
□4次の行列式に関する問題
15週 [4H]微分方程式
[2H]行列式の余因子展開
□定数係数2階線形微分方程式
□4次の正方行列式に関する問題
16週 (前期末試験) 評価項目2
後期
3rdQ
1週 [4H]2変数関数とその連続性
[2H]線形変換
□2変数関数の極限値に関する問題
□線形変形に関する問題
□表現行列に関する問題
2週 [4H]偏微分係数と偏導関数
    接平面と全微分
[2H]線形変換
□偏導関数を求める問題
□接平面を求める問題
□全微分を求める問題
□回転に関する問題
3週 [4H]合成関数の偏微分
    高次偏導関数とテイラーの定理
[2H]線形変換
□合成関数の偏微分を求める問題
□2次偏導関数を求める問題
□合成変換に関する問題
4週 [4H]高次偏導関数とテイラーの定理
[2H]線形変換
□2変数関数の2次近似式に関すること
□逆変換に関する問題
5週 [4H]2変数関数の極値
[2H]ベクトル空間
□極値判定に関する問題
□部分空間に関する問題
6週 [4H]最大値・最小値
    陰関数定理 
[2H]ベクトル空間
□最大値・最小値に関する問題
□陰関数定理に関する問題
□基底と次元に関する問題
7週 [4H]条件値付き極値問題
    包絡線
[2H]ベクトル空間
□条件値付極値判定に関する問題
□包絡線に関する問題
□像と核に関する問題
8週 (後期中間試験) 評価項目3
4thQ
9週 [4H]重積分
[2H]固有値・固有ベクトル
□長方形領域における累次積分に関する問題
□固有値と固有ベクトルに関する問題(2次正方行列)
10週 [4H]重積分
[2H]固有値・固有ベクトル
□単純閉領域に関する累次積分に関する問題
□固有値と固有ベクトルに関する問題(3次正方行列)
11週 [4H]重積分
[2H]正方ベクトルの対角化
□積分順序の変更に関する問題
□対角化に関する問題
12週 [4H]重積分の変数変換
[2H]内積と直交行列
□変数変換に関する問題
□直交行列に関すること
13週 [4H]体積
[2H]対称行列の対角化
□体積に関する問題
□対称行列の対角化に関する問題
14週 [4H]曲面積
    広義積分
[2H]対称行列の対角化
    対角化の応用
□曲面積に関する問題
□広義積分に関する問題
□グラムシュミットの直交化法に関する問題
15週 [4H]広義積分
    重心
[2H]対角化の応用
□重心に関する問題
□対角化の応用に関する問題
16週 (後期末試験) 評価項目4

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3前1,前2
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3前3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3前9
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3後1
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後3,後4
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後2
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前4
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3後5
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後2
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後5
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3後9,後10
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3後12
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3後13
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前12
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3前13
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前14
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3前5
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000