科学技術史

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 科学技術史
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書 適宜資料を配布,参考書「科学技術史概論」 山崎正勝・奥村修平・内田正夫・日野川静枝編著 ムイスリ出版
担当教員 柿ヶ原 拓哉

到達目標

1.機械工学分野を中心に科学技術史に関して歴史的発展の過程を理解できる。
2.機械に代表される科学と技術の発展が歴史的必然性によって生まれ,多くの貴重な実験・経験・理論展開に学びながら絶え間のない改良がなされることで現在に至っていることを理解できる。
3.現代における科学・技術をめぐる社会的諸問題を考えることから,将来の人類の幸福や繁栄,平和の増進につながるような科学・技術のあり方を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械工学分野を中心とした科学技術史に関する十分な理解があり,具体例を含みながら歴史的発展の過程について流れを説明することができる。機械工学分野を中心とした科学技術史に関する理解は十分ではないが,歴史的発展の過程について大まかな流れを説明することができる。機械工学分野を中心とした科学技術史に関する理解が不十分で,歴史的発展の過程を説明することができない。
評価項目2機械に代表される科学と技術の発展における歴史的必然性と,現在までの改良の過程について,具体例を含みながら正しく説明することができる。機械に代表される科学と技術の発展における歴史的必然性と,現在までの改良の過程について,多少の誤りはあるが大まかな流れを説明することができる。機械に代表される科学と技術の発展における歴史的必然性と,現在までの改良の過程について説明することができない。
評価項目3現代における科学・技術をめぐる社会的諸問題についての十分な考察ができており,将来の科学・技術のあり方について,自らの意見を明確に述べることができる。現代における科学・技術をめぐる社会的諸問題についてのある一定の考察ができており,将来の科学・技術のあり方について,ややあいまいながら自らの意見を述べることができる。現代における科学・技術をめぐる社会的諸問題についての考察が不十分であり,将来の科学・技術のあり方について,自らの意見を述べることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在,私たちが深く認識することなく享受している高度な文明社会はどのようにして発達してきたのか?これからの科学技術の未来を考えていくためのヒントが過去の科学技術の歴史を顧みることから明らかになってくる。本科目では,現代と将来の社会に責任を持つ技術者となるための発想のヒントを科学技術史,特に機械技術史に重点をおいて学ぶ。
授業の進め方・方法:
本講義では教科書を中心に講義形式で進め,「ものづくり」の基礎である科学と技術の歴史が,いかにして発展してきたかについて学ぶ。学生諸君が科学技術史を修得することにより,未来に繋がる新たな科学と技術を創造する考える力を身につけることを目標とする。
注意点:
・授業スケジュールを把握して,予習を行ない,授業での説明を理解すること.
・授業ではまとめ課題を与えるので,自分自身で考えて基礎知識の定着に努めること.
・授業では教科書を中心に進めるので,何より教科書をよく予習してくること.
・自分で考え,どうしても分らない場合は質問すること.授業に関する質問や要望は,オフィスアワーやメールなどで随時受け付ける.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 科学と技術の始まりI(石器~鉄器への変化) 道具の発明と発展による文明の誕生を学ぶ
3週 科学と技術の始まりII(古代オリエントでの古代科学の始まりと中世における科学の停滞) 技術の体系化による科学という学問の誕生と中世におけるその停滞を学ぶ
4週 中世の終わりと近代科学の先駆け(実験実証の定着) 中世における技術の発展とルネサンスを通じた科学の逆輸入,そして実験実証という思考方法の成立を学ぶ
5週 産業革命I(機械化と蒸気機関) 産業革命の2つの要素,機械化と蒸気機関の発明について,誕生の経緯とそれらがもたらしたものを学ぶ
6週 産業革命II(工作機械と蒸気機関車) 部品を作るための機械(工作機械)の登場による加工精度の飛躍と,蒸気機関車による輸送の革新がもたらしたものを学ぶ
7週 近代科学の登場(錬金術から化学へ,電気の発見) 物質を構成する要素として原子や分子が発見され,化学が成立し,それを基に科学が発展したことを学ぶ
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却と再確認
10週 近代科学の成立(エネルギー保存則)と工業の大規模化(化学工業,発電の始まり) エネルギー保存則の成立と科学の発展による産業,インフラの発展を学ぶ
11週 近代科学から現代科学へ(素粒子の発見) 原子よりさらに小さい物質の発見による,科学の発展を学ぶ
12週 現代における科学技術(現代工業とインターネット) PC制御による工業の自動化と新しいインフラであるインターネットの発展を学ぶ
13週 現代における科学技術II(インターネットの無線化,IoTとクラウド) 携帯電話とインターネットの連携による発展,IoTとクラウドについて学ぶ
14週 これからの科学(Society 5.0,SDGs) 日本の技術発展計画であるSociety 5.0と,現在の国際的な目標であるSDGsについて学ぶ
15週 ここまでのまとめ
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。1後14,後15

評価割合

試験レポートまとめシート合計
総合評価割合10000100
基礎的能力10000100
専門的能力0000
分野横断的能力0000