応用情報処理

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用情報処理
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「数値計算法 第2版」三井田惇郎・須田宇宙 森北出版 / 配布プリント
担当教員 山下 徹

到達目標

1.統計量計算や並べ替えを通じ、Visual C++の数式、関数、行列、グラフィックスおよびファイル操作を説明することができる。
2.代数方程式、常微分方程式、連立一次方程式などの、計算アルゴリズムを説明することができる。
3.上記2の各プログラムで、計算精度を向上させる条件や安定解析するための条件を説明し、プログラムに反映することができる。
4.専門工学分野に現れる基本的現象を上記のプログラムによる解析により、その特徴や物理的意義を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1統計量計算や並べ替えを通じ、Visual C++の数式、関数、行列、グラフィックスおよびファイル操作を十分に説明できる。統計量計算や並べ替えを通じ、Visual C++の数式、関数、行列、グラフィックスおよびファイル操作を概ね説明できる。統計量計算や並べ替えを通じ、Visual C++の数式、関数、行列、グラフィックスおよびファイル操作を説明できない。
評価項目2代数方程式、常微分方程式、連立一次方程式などの、計算アルゴリズムを十分に説明できる。代数方程式、常微分方程式、連立一次方程式などの、計算アルゴリズムを概ね説明できる。代数方程式、常微分方程式、連立一次方程式などの、計算アルゴリズムを説明できない。
評価項目3計算精度の向上および安定解析の条件を十分に説明し、プログラムに的確に反映できる。 計算精度の向上および安定解析の条件を概ね説明し、プログラムに概ね反映できる。 計算精度の向上および安定解析条件の説明、そのプログラムへの反映ができない。
評価項目4専門工学への応用の観点で解析プログラムの特徴や物理的意義を十分に説明できる。専門工学への応用の観点で解析プログラムの特徴や物理的意義を概ね説明ができる。専門工学への応用の観点で解析プログラムの特徴や物理的意義を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 2-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は、特に専門工学での情報処理に関連して、さまざまな問題の定式化で得られるであろう数学的表現に対して、それらを解くための数値計算の手法(アルゴリズム)を習得することを目的とする。またそれらの手法をプログラムという形で表現し、処理内容を十分に理解した上で、コンピュータ上で解析や計算を行ない、実践的な応用力を養成する。
授業の進め方・方法:
熱・流体,材料力学,制御・電気工学などの専門工学で遭遇する問題の基礎式に対する数値計算手法(アルゴリズム)についての解説を行なう.その後,演習問題を通してVisual C++言語でのプログラミングおよび計算を行なうことにより,それぞれの手法についての理解をはかる.
注意点:
授業後に出されるレポート課題に取り組み,理解を深めること.授業外も演習室等でプログラミング作業を行ない,自分自身で毎週の課題に取り組むことが重要です.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 工学における数値解析概説(授業ガイダンス) 工学における数値解析の意義について説明できる。
2週 代数方程式の解法アルゴリズム ニュートン法の解法アルゴリズムについて説明できる。
3週 代数方程式のプログラム演習 ニュートン法のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
4週 1階常微分方程式の解法アルゴリズム(1) オイラー法の解法アルゴリズムについて説明できる。
5週 1階常微分方程式の解法アルゴリズム(2) ルンゲクッタ法の解法アルゴリズムについて説明できる。
6週 高階常微分方程式の解法アルゴリズム 高階常微分方程式の解法アルゴリズムについて説明できる。
7週 常微分方程式のプログラム演習 常微分方程式のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
8週 総合演習
2ndQ
9週 常微分方程式のプログラム演習 常微分方程式のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
10週 連立方程式の解法アルゴリズム ガウスヨルダン法の解法アルゴリズムについて説明できる。
11週 連立方程式のプログラム演習 連立方程式のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
12週 逆行列、固有値の解法アルゴリズム 逆行列、固有値の解法アルゴリズムについて説明できる。
13週 逆行列、固有値のプログラム演習 逆行列、固有値のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
14週 総合演習
15週 前期定期試験
16週 前期末試験の返却と解説 試験結果により、不足部分を確認し、再理解を行う。
後期
3rdQ
1週 最小二乗法によるデータ近似 最小二乗法の原理およびコード化に必要な解法アルゴリズムについて説明できる。
2週 最小二乗法のプログラム演習 最小自乗法による直線あるいは曲線近似のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
3週 乱数発生のアルゴリズム 一様乱数やその他の乱数の発生方法について説明できる。
4週 乱数のプログラム演習 乱数発生のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
5週 数値積分のアルゴリズム 台形公式、シンプソンの公式、モンテカルロ法について説明できる。
6週 数値積分のプログラム演習 台形公式、シンプソンの公式のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
7週 数値積分のプログラム演習 モンテカルロ法のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
8週 総合演習
4thQ
9週 数値微分と精度 数値微分と精度について理論的について説明できる。
10週 数値微分のプログラム演習 数値微分のプログラムの作成および本プログラムの有効性の説明ができる。
11週 2階偏微分方程式の解法と安定解析条件 有限差分法について理解し、安定解析の意味と条件を説明できる。
12週 2階偏微分方程式のプログラム演習 2次元2階偏微分方程式のプログラムを作成して基本原理およびプログラム構成を理解できる。
13週 2階偏微分方程式のプログラム演習 2次元2階偏微分方程式のプログラムを作成して基本原理およびプログラム構成を理解できる。
14週 総合演習
15週 後期定期試験
16週 学年末試験の返却と解説 試験結果により、不足部分を確認し、再理解を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。4前3,前7,前9,前11,前13,後2,後4,後6,後7,後12,後13
定数と変数を説明できる。4前3,前7,前9,前11,前13,後2,後4,後6,後7,後12,後13
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。4前3,前7,前9,前11,前13,後2,後4,後6,後7,後12,後13
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。4前3,前7,前9,前11,前13,後2,後4,後6,後7,後12,後13
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。4前3,前7,前9,前11,前13,後2,後4,後6,後7,後12,後13
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。4前7,前9,前11,前13,後2,後4,後6,後7,後12,後13
条件判断プログラムを作成できる。4前3,前7,前9,前11,前13,後2,後4,後6,後7,後12,後13
繰り返し処理プログラムを作成できる。4前3,前7,前9,前11,前13,後2,後4,後6,後7,後12,後13
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。4後2,後4,後6,後7,後12,後13

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力302050
分野横断的能力000