応用物理

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 「物理学基礎」原 康夫 著 学術図書
担当教員 毛利 存

到達目標

・波の性質や反射,干渉の様子を説明でき,媒質を伝わる波を波動方程式により記述することができる.
・熱力学において,気体分子の運動論を説明できる.
・気体のいろいろな変化,熱放射を説明できる.
・原子の構造,光電効果,電子の運動を説明できる.
・放射線について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
波の性質や反射,干渉の様子を説明でき,媒質を伝わる波を波動方程式により記述することができる.波の性質や反射,干渉の様子を説明でき,媒質を伝わる波を波動方程式により記述することができる.波の性質や反射,干渉の様子を説明でき,媒質を伝わる波の簡単な解析が出来る.波の性質や反射,干渉の様子を説明できず,媒質を伝わる波の解析ができない.
熱力学において,気体分子の運動論を説明できる.熱力学において,気体分子の運動論を説明でき,気体分子の速さや平均自由行程を計算で求めることが出来る.エネルギー等分配則を用いて実際の気体の比熱を計算できる.熱力学において,気体分子の運動論を説明でき,気体分子の速さや平均自由行程を計算で求めることが出来る.エネルギー等分配則を説明出来る.熱力学において,気体分子の運動論を説明出来ず,気体分子の速さや平均自由行程を計算で求めることや,エネルギー等分配則の説明も出来ない.
気体のいろいろな変化,熱放射を説明できる.気体のいろいろな変化と,熱放射の法則を説明でき,それらの法則を使って具体的な計算が出来る.気体のいろいろな変化と,熱放射の法則を説明でき,それらの法則を使って簡単な計算が出来る.気体のいろいろな変化と,熱放射の法則を説明できず,それらの法則を使って簡単な計算も出来ない.
原子の構造,光電効果,電子の運動を説明できる. 原子の構造,光電効果,電子の運動を説明でき,それらの法則を使って具体的な計算が出来る. 原子の構造,光電効果,電子の運動を説明でき,それらの法則を使って簡単な計算が出来る. 原子の構造,光電効果,電子の運動を説明できず,それらの法則を使って簡単な計算も出来ない.
放射線について説明できる. 放射線について説明でき,崩壊の法則を使って放射能の強さの計算や核エネルギーの具体的な計算が出来る. 放射線について説明でき,崩壊の法則を使って放射能の強さの計算や核エネルギーの簡単な計算が出来る. 放射線について説明できず,崩壊の法則を使って放射能の強さの計算や核エネルギーの計算も出来ない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理学を学ぶことは,すべての技術者にとって必須であり,また,新しい技術を開発していくためにも,無くてはならない知識である.「工学」とは,物理学で得られた知見を,実際に身の回りにある様々なものに,役に立つ形で応用していく学問である.そのため,本校でも学年を通じて物理学が基礎科目として開講されている.
授業の進め方・方法:
物理学は,自然界の法則を理解し,それを数式で記述していく学問である.そのため,複雑な方程式を解くことに尽力するあまり,本質的なことに考えが及ばなくなりがちである.そこで本授業では,なるべく物理の現象の理解に重点を置いた内容となるよう努めていきたい.また,それらから得られた知識が,モノづくりにどのように応用されているかを理解できるように,実際の例を交えて解説していきたい.
注意点:
毎回,次回の講義の予告を行うのでその概要を事前に確認しておく.授業後は関連する内容や背景等を調べ広く知識を蓄えると共に,授業で実施した内容がいろいろな場面で活用できるように定着を図る.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 波の性質 波の性質を理解する.
2週 波動方程式と波の速さ 波動方程式を導出する.
3週 弾性波 波動方程式より波の伝わる早さを求める.
4週 波の重ね合わせ 波の重ね合わせにより定在波を導出する.
5週 フーリエ級数展開 フーリエ級数展開を理解する.
6週 音波 音波の性質を理解する.
7週 光の反射,屈折 光の屈折と反射の法則を理解する.
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 光の回折,干渉 光の回折現象を理解する.
10週 熱と温度 熱と温度,物質の相変化を理解する. 
11週 熱の移動 熱の移動を理解する.
12週 気体の分子運動論 気体分子運動論を理解する.
13週 気体分子の速度分布 気体分子の速度分布を求める.
14週 エネルギー等分配則と理想気体のモル熱容量 エネルギーの等分配則を用いて理想気体のモル熱容量を求めることが出来る.
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 電子の比電荷と電荷量 電子の比電荷と電荷量を求める実験について理解する.
2週 原子の構造 原子の構造を知る.
3週 光の二重性 光の2重性と光電効果を理解する.
4週 X線 X線の性質とコンプトン効果を理解する.
5週 電子の二重性 電子の波動性について理解する.
6週 電子波の従う式 電子波の波動方程式を求める.
7週 水素原子の定常状態と光の線スペクトル 水素原子のスペクトルについて理解する.
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 水素原子の定常状態と光の線スペクトル 水素原子のスペクトルからボーアの量子条件を求める.
10週 1次元量子井戸 狭い空間に閉じ込められた電子の振る舞いを理解する.
11週 原子核の構造 原子核の構造を知る.
12週 原子核の崩壊と放射線 原子核崩壊と放射線について理解する.
13週 放射線の強度 放射線の強度の求め方を理解する.
14週 核エネルギー 核融合と核分裂によるエネルギーの取り出し方を理解する.
15週 〔後期学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前1
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。3
原子の構造を説明できる。3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000