熱力学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 熱力学
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「JSMEテキストシリーズ熱力学」日本機械学会 丸善
担当教員 古嶋 薫

到達目標

1.熱力学第1法則、第2法則を十分理解し、エネルギーとしての熱と仕事の関連性について説明できる。
2.理想気体の性質、各種状態の圧力、温度、体積、熱量、仕事などを算出できる。
3.カルノーサイクル、ランキンサイクルの出力、効率等を算出できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学第1法則、第2法則を十分理解し、エネルギーとしての熱と仕事の関連性について説明できる。熱力学第1法則、第2法則を理解できる。熱力学第1法則、第2法則を理解できない。
評価項目2理想気体の性質、各種状態の圧力、温度、体積、熱量、仕事などを算出できる。理想気体の性質、各種状態の圧力、温度、体積、熱量、仕事などを説明できる。理想気体の性質、各種状態の圧力、温度、体積、熱量、仕事などを説明できない。
評価項目3カルノーサイクル、ランキンサイクルの出力、効率等を算出できる。カルノーサイクル、ランキンサイクルについて説明できる。カルノーサイクル、ランキンサイクルについて説明でない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱力学は材料力学、流体力学、機械力学とともに機械工学基礎4力学と呼ばれている重要科目である。なぜ燃焼の際に発生する熱は運動をひきおこすことができるのか。内燃機関、蒸気原動機、またはジェットやロケットなど、さまざまな熱機関を通して、熱エネルギーから力学エネルギーへの変換原理を学ぶ。
授業の進め方・方法:
燃焼ガスと蒸気の状態変化により、熱エネルギーを力学エネルギーに変換するというエンジン作動の本来の意味を把握させることが授業目標である。そのために熱力学の二本柱である、熱力学の第一法則と第二法則を修得するための演習問題を配布する。
注意点:
教科書、電卓は必ず持参して下さい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学第0法則、熱力学で取り扱う物理量 熱力学第0法則を理解し、各物理量の定義を説明できる。
2週 状態量、単位系 示強性状態量と示量性状態量を説明できる。
3週 動作物質ならびに系と周囲 物質、エネルギー、系の概念を説明できる。
4週 エネルギー保存則、熱力学第1法則 エネルギーの総和は一定であること、熱エネルギーもエネルギーの一種であることを説明できる。
5週 閉じた系に対する熱力学第1法則の適用 閉じた系における熱力学第1法則を利用し各種計算ができる。
6週 開いた系に対する熱力学第1法則の適用 開いた系における熱力学第1法則を利用し各種計算ができる。
7週 演習問題 教科書、ノート等を参照すれば自力で演習問題を解くことができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却、解答 試験結果を検討し、理解不足の部分を解消する。
10週 理想気体の状態式 理想気体の状態式を使って、温度、圧力、体積を計算できる。
11週 理想気体の内部エネルギー、エンタルビ、比熱 内部エネルギー、エンタルビと比熱の関係が理解する。
12週 理想気体の状態変化1 等温、等圧、等積変化での状態量の変化を計算できる。
13週 理想気体の状態変化2 断熱、ポリトロープ変化での状態量の変化を計算できる。
14週 演習問題 教科書、ノート等を参照すれば自力で演習問題を解くことができる。
15週 前期期末試験
16週 試験返却、解答 試験結果を検討し、理解不足の部分を解消する。
後期
3rdQ
1週 混合気体 混合気体の状態方程式を理解し、計算に利用できる。
2週 熱力学第2法則 熱力学第2法則を理解し、熱力学第1法則との違いを理解できる。
3週 熱機関、冷凍機・ヒートポンプのサイクル 熱機関と冷凍機・ヒートポンプは同一サイクルであることを理解する。
4週 カルノーサイクル 熱機関の基礎となるカルノーサイクルを説明できる。
5週 エントロピー、可逆・不可逆サイクル エントロピーの概念を理解し、可逆サイクルと不可逆サイクルの違いを説明できる。
6週 エクセルギーと無効エネルギー エクセルギー、無効エネルギーを理解し、エクセルギー効率等を計算できる。
7週 演習問題 教科書、ノート等を参照すれば自力で演習問題を解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却、解答 試験結果を検討し、理解不足の部分を解消する。
10週 蒸気の一般的性質 理想気体と蒸気の違い、蒸気の一般的性質を理解できる。
11週 蒸気表、蒸気線図と乾き度 蒸気表と蒸気線図の対応関係が理解できる。乾き度の定義を理解し、各種状態量を計算できる。
12週 蒸気の状態変化 蒸気表を利用して蒸気の各種状態変化を計算できる。
13週 ランキンサイクル 蒸気サイクルの基本であるランキンサイクルを理解し、熱効率等を計算できる。
14週 演習問題 教科書、ノート等を参照すれば自力で演習問題を解くことができる。
15週 後期期末試験
16週 試験返却、解答 試験結果を検討し、理解不足の部分を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験その他合計
総合評価割合9010100
基礎的能力40040
専門的能力501060
分野横断的能力000