熱力学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱力学
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 「JSMEテキストシリーズ熱力学」日本機械学会 丸善
担当教員 古嶋 薫

到達目標

1.熱力学第1法則、第2法則を十分理解し、エネルギーとしての熱と仕事の関連性について説明できる。
2.理想気体の性質、各種状態の圧力、温度、体積、熱量、仕事などを算出できる。
3.カルノーサイクル、ランキンサイクルの出力、効率等を算出できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学第1法則、第2法則を十分理解し、エネルギーとしての熱と仕事の関連性について説明できる。熱力学第1法則、第2法則を理解できる。熱力学第1法則、第2法則を理解できない。
評価項目2理想気体の性質、各種状態の圧力、温度、体積、熱量、仕事などを算出できる。理想気体の性質、各種状態の圧力、温度、体積、熱量、仕事などを説明できる。理想気体の性質、各種状態の圧力、温度、体積、熱量、仕事などを説明できない。
評価項目3カルノーサイクル、ランキンサイクルの出力、効率等を算出できる。カルノーサイクル、ランキンサイクルについて説明できる。カルノーサイクル、ランキンサイクルについて説明でない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-1 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱力学は材料力学、流体力学、機械力学とともに機械工学基礎4力学と呼ばれている重要科目である。なぜ燃焼の際に発生する熱は運動をひきおこすことができるのか。内燃機関、蒸気原動機、またはジェットやロケットなど、さまざまな熱機関を通して、熱エネルギーから力学エネルギーへの変換原理を学ぶ。
授業の進め方・方法:
燃焼ガスと蒸気の状態変化により、熱エネルギーを力学エネルギーに変換するというエンジン作動の本来の意味を把握させることが授業目標である。そのために熱力学の二本柱である、熱力学の第一法則と第二法則を修得するための演習問題を配布する。
注意点:
教科書、電卓は必ず持参して下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学第0法則、熱力学で取り扱う物理量 熱力学第0法則を理解し、各物理量の定義を説明できる。
2週 状態量、単位系 示強性状態量と示量性状態量を説明できる。
3週 動作物質ならびに系と周囲 物質、エネルギー、系の概念を説明できる。
4週 エネルギー保存則、熱力学第1法則 エネルギーの総和は一定であること、熱エネルギーもエネルギーの一種であることを説明できる。
5週 閉じた系に対する熱力学第1法則の適用 閉じた系における熱力学第1法則を利用し各種計算ができる。
6週 開いた系に対する熱力学第1法則の適用 開いた系における熱力学第1法則を利用し各種計算ができる。
7週 演習問題 教科書、ノート等を参照すれば自力で演習問題を解くことができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却、解答 試験結果を検討し、理解不足の部分を解消する。
10週 理想気体の状態式 理想気体の状態式を使って、温度、圧力、体積を計算できる。
11週 理想気体の内部エネルギー、エンタルビ、比熱 内部エネルギー、エンタルビと比熱の関係が理解する。
12週 理想気体の状態変化1 等温、等圧、等積変化での状態量の変化を計算できる。
13週 理想気体の状態変化2 断熱、ポリトロープ変化での状態量の変化を計算できる。
14週 演習問題 教科書、ノート等を参照すれば自力で演習問題を解くことができる。
15週 前期期末試験
16週 試験返却、解答 試験結果を検討し、理解不足の部分を解消する。
後期
3rdQ
1週 混合気体 混合気体の状態方程式を理解し、計算に利用できる。
2週 熱力学第2法則 熱力学第2法則を理解し、熱力学第1法則との違いを理解できる。
3週 熱機関、冷凍機・ヒートポンプのサイクル 熱機関と冷凍機・ヒートポンプは同一サイクルであることを理解する。
4週 カルノーサイクル 熱機関の基礎となるカルノーサイクルを説明できる。
5週 エントロピー、可逆・不可逆サイクル エントロピーの概念を理解し、可逆サイクルと不可逆サイクルの違いを説明できる。
6週 エクセルギーと無効エネルギー エクセルギー、無効エネルギーを理解し、エクセルギー効率等を計算できる。
7週 演習問題 教科書、ノート等を参照すれば自力で演習問題を解くことができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却、解答 試験結果を検討し、理解不足の部分を解消する。
10週 蒸気の一般的性質 理想気体と蒸気の違い、蒸気の一般的性質を理解できる。
11週 蒸気表、蒸気線図と乾き度 蒸気表と蒸気線図の対応関係が理解できる。乾き度の定義を理解し、各種状態量を計算できる。
12週 蒸気の状態変化 蒸気表を利用して蒸気の各種状態変化を計算できる。
13週 ランキンサイクル 蒸気サイクルの基本であるランキンサイクルを理解し、熱効率等を計算できる。
14週 演習問題 教科書、ノート等を参照すれば自力で演習問題を解くことができる。
15週 後期期末試験
16週 試験返却、解答 試験結果を検討し、理解不足の部分を解消する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。2
熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4
熱の有効エネルギーを説明できる。4
水の等圧蒸発過程を説明できる。4
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。4
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。4

評価割合

試験その他合計
総合評価割合9010100
基礎的能力40040
専門的能力501060
分野横断的能力000