機械工作学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械工作学
科目番号 0083 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 機械工作法 (増補) コロナ社
担当教員 西 雅俊

到達目標

1.モノづくりの基礎をなす能力に関して総括的に理解できる。
2.個々の加工法に利用されている自然法則や加工原理が理解できる。
3. 加工原理を再確認したうえで加工精度低下の要因を挙げることができる。
4.加工精度を向上させ,欠陥の少ない製品を作るため、材料工学等の幅広い知識を活かした対処法を考えることができる。
5.機械工作が現代社会で果たしている役割が理解できる。
6.新しい加工法である高エネルギー加工法等の発想について理解できる。
7.モノづくりを目標に、機械工場を主とした管理と自己啓発について学び、エンジニアの具備すべき条件を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
加工原理や法則個々の加工法の原理や法則を理解し,説明できる.個々の加工法の原理や法則を理解できる.個々の加工法の原理や法則を理解できない.
加工法の特徴個々の加工法の持つ特徴を理解し,説明できる.個々の加工法の持つ特徴を理解できる.個々の加工法の持つ特徴を理解できない.
加工精度の低下要因と向上加工精度の低下要因と対策を理解し,説明できる.加工精度の低下要因と対策を理解できる.加工精度の低下要因を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工作は機械をつくるための技術を体系化した学問であり、多くの知恵の輝きに満ちている。ここでは、多種多様な工作技術を体系的に学習しながら、その中に用いられている自然法則を理解する。工作技術の全体像を理解した後、前期は非切削加工法について、後期は切削加工法について学ぶ。併せて、モノづくりに際しての基本理念や態度についても言及する。
授業の進め方・方法:
個々の加工法の知識を得ると同時に、モノづくりの考え方や習慣を身につけるようにする。
演習およびレポートを織りまぜた講義とするが精密加工の講義内容は広範囲に渡るため、必要に応じて他の教科書、最新の研究論文を引用し補足説明を行なう。
注意点:
・講義の最後にまとめと次回の講義内容を予告するので、ノートおよび教科書の該当箇所を読んで復習・予習をすること。
・日頃から機械に興味を持ち、これは何を材料にしてどのように作られたかという様な技術者としての問題意識を持ち、地道に必要な知識を蓄えておく。質問はいつでも受けます。 学習・教育到達目標への対応3-3
・2020年度の前期中間試験の評価は形式的評価(課題提出状況による評価)とし,前期末試験以降は下記の評価割合で評価します.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鋳造の原理と方法(模型と鋳型)
鋳造の原理と方法(金属の溶解)
鋳造の原理と方法(模型と鋳型が説明できる.
鋳造の原理と方法(金属の溶解)が説明できる.
2週 各種鋳造法の原理と特徴
欠陥
各種鋳造法の原理と特徴が説明できる.
欠陥が理解できる.
3週 溶接の原理と方法、アーク溶接 溶接の原理と方法、アーク溶接が説明できる.
4週 ガス溶接、ガス切断
電気抵抗溶接、溶接の自動化
ガス溶接、ガス切断が説明できる.
電気抵抗溶接、溶接の自動化が説明できる.
5週 塑性加工の原理と特徴、鍛造
押出し、引き抜き
塑性加工の原理と特徴、鍛造が説明できる.
押出し、引き抜きが理解できる.
6週 圧延、曲げ、プレス加工 圧延、曲げプレス加工が説明できる.
7週 熱処理の必要性 熱処理の必要性が説明できる.
8週 〔中間試験〕 〔中間試験〕
2ndQ
9週 切削加工の原理と方法
切削機構、被削性
切削加工の原理と方法が説明できる.
切削機構、被削性が説明できる.
10週 切削工具と工作機械
切削工具と工作機械が説明できる.
11週 旋盤加工
旋盤加工が説明できる.
12週 フライス盤加工
ボール盤、中ぐり盤加工
フライス盤加工が説明できる.
ボール盤、中ぐり盤加工が説明解できる.
13週 研削加工の原理と理論
研削工具と寿命
研削加工の原理と理論が説明できる.
研削工具と寿命が説明できる.
14週 研削盤作業
研削盤作業が説明できる.
15週 砥粒による精密加工、ラッピング仕上
ホーニング仕上、超仕上

砥粒による精密加工、ラッピング仕上が説明できる.
ホーニング仕上、超仕上が説明できる.
16週 〔前期末試験〕

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4前1,前2
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4前1,前2
鋳物の欠陥について説明できる。4前1,前2
溶接法を分類できる。4前3,前4
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4前3,前4
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4前3,前4
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4前3,前4
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4前5,前6
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4前9,前10,前11,前12
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4前9,前10,前11,前12
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4前9,前10,前11,前12
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4前9,前10,前11,前12
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4前9,前10,前11,前12
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4前9,前10,前11,前12
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4前9,前10,前11,前12
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4前13,前14,前15
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4前13,前14,前15
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4前13,前14,前15

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力300000030
専門的能力4030000070
分野横断的能力0000000