応用数学II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用数学II
科目番号 0087 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 統計学(第2版)検定から多変量解析・実験計画法・ベイズ統計学まで/栗原 伸一/オーム社
担当教員 小田 明範

到達目標

1.確率の基本的な事項を理解し、和・積・余事象、独立事象や条件付きなど、簡単な現象の確率を求めることができる。
2.一次元および二次元のデータの平均・分散・標準偏差などを求めることができる。
3.様々な確率変数に対し適切な確率分布を適用し、事象の確率を求めることができる。
4.標本確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定ができる。
5.二次元のデータの相関・回帰などを求めることができる。
6.データに対して、表計算ソフト等を利用し、確率統計処理等を行い、客観的に考察することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.様々な確率変数に対し適切な確率分布を適用し、事象の確率を求めることができる。様々な確率分布の特徴を理解し,確率変数に対して適切な確率分布を適用することができる。さらに事象に対する確率や期待値などを求めることができる。基本的な確率分布の特徴を理解し,確率変数に対して適切な確率分布を適用することができる。さらに事象に対する確率や期待値などを求めることができる。二項分布や正規分布など代表的な確率分布の特徴を理解できず、確率や期待値などを求めることができない。
2.一次元および二次元のデータの平均・分散・標準偏差などを求めることができる。一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差などが計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる。一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差などが計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる。一次元,二次元のデータの平均・分散・標準偏差などが計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない。
3.二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定ができる。二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について自ら考えることができる。二項分布や正規分布を理解し,これらの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行え,工学分野での応用について例示することができる。二項分布や正規分布などの確率分布を用いて,母平均,母分散の推定と検定が行えず,工学分野での応用についても例示できない。
4.二次元のデータの相関・回帰などを求めることができる。二次元のデータの相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について自ら考えることができる。二次元のデータの相関・回帰などが計算でき,これらの工学分野での応用について例示することができる。二次元のデータの相関・回帰などが計算できず,これらの工学分野での応用についても例示できない。
5.推定・検定等について理解し、統計処理に利用することができる。自ら収集した資料やデータについて,自分の知識を活かし,推定・検定などの処理を行うことができる。与えられた資料やデータについて,自分の知識をもとに,指示された方法で,推定・検定などの処理を行うことができる。自分の知識をもとに,指示された方法で,推定・検定などの処理を行うことができない。
6.データに対して、表計算ソフト等を利用し、確率統計処理や多変量解析等を行い、客観的に考察することができる。自分の知識を活かし,適切な手法を用いて確率統計処理や多変量解析等を行うことができる。また、その結果をもとに考察や知見を述べることができる。自分の知識を活かし,指定された手法を用いて確率統計処理や多変量解析等を行うことができる。また、その結果をもとに考察や知見を述べることができる。自分の知識を活かしたり、指定された手法を用いて確率統計処理や多変量解析等を行うことができない。または、その結果をもとに考察や知見を述べることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる
熊本高専 数理・データサイエンス・AI 教育プログラム(リテラシーレベル) 基礎2 説明 閉じる
熊本高専 数理・データサイエンス・AI 教育プログラム(リテラシーレベル) 基礎2 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
本科目は、データの分析手法の学習を行う科目である。
工学では実験や調査において様々なデータを取り扱う。特に、研究や開発は、実験や調査により得られたデータから客観的な結論を示す作業である。そのためには、データを適切に取り扱い、分析を通して新たな知見を見いだすことが求められる。データ分析は、工学において不可欠なスキルの1つであるといえる。
ここでは、前半でデータ分析の基礎理論である確率について学び、後半では代表的な分析手法に触れる。
■関連科目 1~3年:数学Ⅰ~Ⅲ 2年:プログラミング入門 3年:応用情報処理Ⅰ、応用情報処理Ⅱ 4年:課題研究 5年:卒業研究 など
授業の進め方・方法:
この科目では、データ分析に関する学習を取り扱うので、理論と演習により構成する。
データ分析に必要となる理論は「講義」を中心に、データを取り扱う演習については「課題」を中心に体得していく。
したがって、授業の教科書に従って概念や理論の理解が進むように指導する.
さらに.課題に取り組むことで、確率。統計の概念の理解と適用例の定着とあわせて、データから分析を通して知見を示す一連の作業の習得を図るものとする。
データ分析は,データへのアプローチ、切り口に対していくつもの解法がある.自分なりの好きな方法・やり方を発見して欲しい.
そのためには多くの演習を自主的に取り組んでほしい。
授業時間外の疑問・質問は,随時受けつける。
注意点:
2回の試験および課題により到達度を評価する.
試験を 85%(中間40%、期末45%) 、 課題を 15%で評価し,60点以上を合格とする。
上式での評価が60点に満たない者については,試験後に再試験を実施、または課題の再提出等を課すことがある。

(事前学習)
授業計画の授業内容および到達目標を確認の上,教科書の該当箇所に目を通しておくこと。
(事後学習)
講義資料、教科書から要点をノートに整理してまとめる等によって,内容の深い理解に努めること。また、提示された演習問題に取り組むことで,実践力を養うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、データの整理
確率の諸定理について
記述統計学について理解し、データの統計量(平均や分散等)を求め、図表等に整理できる。
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。
2週 確率分布1 代表的な確率分布 二項分布、正規分布について理解し、それらの確率分布の確率および期待値Eと分散Vを求めることができる。
3週 確率分布2 正規分布の標準化を理解し、標準正規分布表を用いて確率を求めることができる。ポアソン分布から確率やE、Vを求めることができる
4週 推定と誤差1 推測統計学の概要を理解し、点推定を適用し問題を解くことができる。
5週 推定と誤差2 標本分布と誤差、標本平均の標準化
6週 信頼区間の推定1 中心極限定理を説明でき、正規分布により母平均の区間推定ができる。
7週 信頼区間の推定2 t分布による母平均の区間推定や、母比率の区間推定ができる。
8週 中間試験 中間試験
2ndQ
9週 χ2分布 χ2 分布について説明でき、母分散の区間推定ができる。
10週 仮説検定1 仮設検定の概要を説明でき、母平均の検定ができる。
11週 仮説検定2 z分布やt 分布の役割を説明でき、それらを用いて母平均の検定ができる。
12週 仮説検定3 母平均の差、母分散の比、母比率の差の検定ができる。
13週 回帰分析1 最小二乗法を用いて、相関係数と回帰係数を求めることができる。
14週 回帰分析2 重回帰分析により推定式を求めることができる。
15週 期末試験 期末試験
16週 期末試験の解説他 期末試験の返却と解説、講義のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前1,前2
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前1,前2
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前5
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前13,前14

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8515100
基礎的能力8515100
専門的能力000
分野横断的能力000