機械力学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械力学I
科目番号 0092 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「機構学」 岩本太郎著 森北出版,「機械力学」 小寺・矢野共著 森北出版
担当教員 柿ヶ原 拓哉

到達目標

1.機構学の役割,機構の自由度,運動の瞬間中心を理解し,機構の速度・加速度を理解できる.またセントロードを求めることもできる.
2.平面リンク機構の解析方法を理解できる.
3.1自由度非減衰振動系において,単振動,自由振動,強制振動(調和)による振動が理解できる.
4.1自由度減衰振動系において,単振動,自由振動,強制振動(調和)による振動が理解できる.
5.様々な機構について,その役割と実際にどのような場面で用いられるのか理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.機構学の役割,機構の自由度,運動の瞬間中心を理解し,機構の速度・加速度を理解できる.またセントロードを求めることもできる.5節以上の任意のリンク機構の瞬間中心を求めることができ,図示法を用いてリンクの任意の箇所の速度・加速度を求めることができる.加えて任意の移動セントロードを求めることができる.4節リンク機構の瞬間中心を求めることができ,図示法を用いてリンクの永久中心の速度・加速度を求めることができる.加えて静止セントロードを求めることができる.瞬間中心や図示法,セントロードの意味が理解できず,求めることができない.
2.平面リンク機構の解析方法を理解できる.5節以上の任意のリンク機構の各部の座標を数式で求めることができ,さらに各部の速度・加速度を求めることもできる.4節リンク機構の各部の座標を数式で求めることができる.リンク機構の座標を数式で表現することができない.
3.1自由度非減衰振動系において,単振動,自由振動,強制振動(調和)による振動が理解できる.1自由度非減衰振動系の単振動,自由振動,強制振動(調和)を求める問題を解くことができる.1自由度非減衰振動系において,単振動,自由振動を求める問題を解くことができるが,強制振動について,共振が生じると解くことができない.1自由度線形系の調和運動,自由振動,強制変位(調和)を求めることができない.
4.1自由度減衰振動系において,単振動,自由振動,強制振動(調和)による振動が理解できる.1自由度減衰振動系の単振動,自由振動,強制振動(調和)を求める問題を解くことができる.1自由度減衰振動系の3つの単振動の違いが判り,公式があれば単振動,自由振動,強制振動(調和)を求めることはできる.1自由度減衰振動系の単振動,自由振動,強制振動(調和)を求める問題を解くことができる.
6.様々な機構について,その役割と実際にどのような場面で用いられるのか理解できる.色々な機構がどのような機械に使われているのか,または様々な機械にどんな機構が使われているのかを自ら調べ,その働きを理解し,何故その機構が用いられているのかを説明できる.色々な機構がどのような機械に使われているのか,または様々な機械にどんな機構が使われているのかを自ら調べることができる.色々な機械に用いられている機構を調べることができなかった.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまで学んだ数学,物理を基に,機械系技術者に不可欠な機械力学の知識を身につける.まず,基本的な機械の運動学,機構学等の基礎的事項を学ぶ.さらに,数多くの演習問題に取組み,それらを機械運動の解析に利用する実際的な方法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書を中心に行い,適宜,演習を行う.評価は達成目標(項目1~4)についての達成度によって判断する.
特に達成目標4は学修単位を満たすための自学自習の評価に関わる項目であり,各自でレポートを作成してもらい,そこから評価する.

〇自学について
(事前学習)
授業計画の授業内容および到達目標を確認の上,教科書の該当箇所に目を通しておくこと。
(事後学習)
授業中の説明や配布資料を参考に,指定した教科書の演習問題や,
配布した課題プリントに取り組むことで,学んだことの理解を深め,
学んだ内容の実践力を養うこと。

またレポート課題は学修単位を満たす自学自習を行っているのかの確認も含んでいる.
そのため,提出締切の直前に急いで取り組むのではなく,余裕をもって挑み,
分からないところがあれば,学友や教員に質問を行い,着実に理解を深めること.
注意点:
教科書をよく読み,例題,演習問題を自分で解くこと.授業の日に1時間程度の復習が効果的である.定期試験毎の定着を目指した自学自習を望む.講義後は、①要点をノートに整理してまとめ、②教科書や図書館の参考書を読み、③演習問題等を解いて内容の深い理解に努めること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
機構学について・機構学の基礎
機構学とは何か,機構学の基礎について説明し,その概要を理解できる.
リンクのスケルトン表示と対偶等を理解し,自由度を求めることができる.
2週 瞬間中心 瞬間中心を学び,4節リンク機構の瞬間中心を求めることができる.
3週 瞬間中心 5節以上のリンク機構の瞬間中心を求めることができる.
4週 セントロード セントロードについて学び,求められるようになる.
5週 図示法 図示法を用いて,リンク機構の動きの伝搬を表現し,各部の速度を求めることができる.
6週 リンク機構の数値的解析 リンク機構の各部を座標で表現し,各部の座標,速度,加速度を求めることができる.
7週 様々なリンク機構 実際の現場で使用されているリンク機構について調査し,まとめる.
8週 前期中間試験 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却と解説、まとめ
機械における振動学概説
試験返却と解説、まとめ
機械振動の基本構成、及びモデルによる検討の基礎を理解する
10週 1自由度不減衰系の単振動と自由振動 1自由度不減衰系の一般解を求め,初期条件から自由振動を求めることができる.
11週 1自由度不減衰系の強制振動 1自由度不減衰系に調和振動が加わった際の強制振動を求めることができる.
12週 1自由度減衰振動系の単振動と自由振動 1自由度減衰振動系の3種類の単振動をそれぞれ求めることができ,さらにそれぞれの自由振動も求めることができる.
13週 1自由度減衰振動系の強制振動 1自由度減衰系に調和振動が加わった際の強制振動を求めることができる.
14週 新・閃きイノベーション「プロペラ工場間台車物流キズ対策」の説明 YKPの「プロペラ工場間台車物流キズ対策」について説明,後期に向けて夏季休暇中の課題を出す.
15週 前期定期試験
前期定期試験
16週 試験返却と解説、まとめ 試験返却と解説、まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計軸の種類と用途を理解し、適用できる。4前7
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4前7
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4前4,前5,前6
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前12,前13
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4前3,前4,前5,前6,前12,前13
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4前6,前12,前13
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前4,前5,前6
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前4,前5,前6
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4前10,前11,前12,前13
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前5,前6
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4前5,前6
振動の種類および調和振動を説明できる。4前10
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前10
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前12
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前13
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力400000040
専門的能力3000003060
分野横断的能力0000000