到達目標
1.有限要素法のプリプロセッシング(前処理)とポストプロセッシング(後処理)を行うことができる。
2.マトリクス計算の基礎を理解し、有限要素法に適用できる。
3.剛性マトリクスを理解できる。特に重ね合わせの原理の理解と荷重・拘束の境界条件を処理できる。
4.SolidWorks Simulation、Scilabを使って、有限要素法解析をできる。
5.設定による解析結果の変化や材料力学を使った検証の方法のいくつかを理解できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
プリプロセッシング(前処理)とポストプロセッシング(後処理) | プリプロセッシング(前処理)とポストプロセッシング(後処理)を解説できる。 | プリプロセッシング(前処理)とポストプロセッシング(後処理)を行うことができる。 | プリプロセッシング(前処理)とポストプロセッシング(後処理)を理解できない。 |
マトリクス計算 | マトリクス計算の意味を解説できる。 | マトリクス計算の基礎を理解し、計算できる。 | マトリクス計算の基礎を理解できない。 |
剛性マトリクス | 重ね合わせの原理の理解と荷重・拘束の境界条件を処理できる。 | 剛性マトリクスを理解でき、計算できる。 | 剛性マトリクスを理解できない。 |
有限要素法解析 | 任意のモデルに対して、有限要素法解析をできる。 | SolidWorks Simulation、Scilabを使って、有限要素法解析をできる。 | 有限要素法解析をできない。 |
検証 | 設定による解析結果の変化や材料力学を使った検証を解説できる。 | 材料力学を使った検証の方法のいくつかを理解し、検証できる。 | 材料力学を使った検証を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
CADの中には、基本的なCAEの機能を備えているものが増えてきました。CADと連携したCAEソフトウェアの使い勝手自体は良くなっており、端末の性能も上がっています。一方で、CAEがCADを使う設計者に広く受け入れられているかというと、まだそこまでは行っていません。本科目では、基本的な応力解析に焦点を当て、材料力学や有限要素法の基本的な知識とリンクさせながら、機械的な荷重と強制変位を原因として発生する応力に対してどのように対処するのかを学びます。
授業の進め方・方法:
対面授業の場合は、ICT3で実施します。SolidWorks Simulationおよびオープンソースの数値計算システムであるScilabを使います。研究室で使える端末や個人で所有する端末に、SolidWorksおよびScilabをインストールすることを推奨します。
Scilab Home page https://www.scilab.org/
注意点:
評価に「出席」および「態度」を加えます。教科書を持参し、自主的に取り組むことが求められます。また「試験」および「課題」の評価を加えます。課題の締切を必ず守ってください。遅れた場合、減点されることがあります。
この科目は、社団法人 日本機械学会に、計算力学技術者(2級)(固体力学分野の有限要素法解析技術者)の公認CAE技能講習会として認定されています。公認CAE技能講習会の修了者は、申請することにより計算力学技術者(初級)の認定を受けることができます。
計算力学技術者(CAE技術者)の資格認定 http://www.jsme.or.jp/cee/cmnintei.htm
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
オリエンテーション 環境確認 |
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2週 |
有限要素法とは プリプロセッシング、ポストプロセッシング 有限要素法の解析手順 有限要素法の基礎 |
有限要素法の解析手順を理解できる プリプロセッシングおよびポストプロセッシングを理解できる 有限要素法と材料力学の関係について理解できる
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3週 |
有限要素法と応力 |
引張試験と材料強度、破断様相、応力の表現方法を理解できる
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4週 |
Scilabによるトラスの有限要素法解析演習 |
Scilabによる有限要素法解析プログラムを実行する
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5週 |
Scilabによるトラスの有限要素法解析演習(境界条件処理含む) 有限要素法におけるベクトルとマトリクス 剛性マトリクスとは何か 重ね合わせの原理 |
Scilabによる有限要素法解析プログラムの境界条件を処理することができる 剛性マトリクスを理解できる 重ね合わせの原理を理解できる
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6週 |
設計検証に必要な構造解析の知識 |
SolidWorks SimulationによるCAE(有限要素法による解析)の流れを理解できる
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7週 |
コンター図とその扱い方 メッシュ |
コンター図とその扱い方を理解できる メッシュとはどんなものか理解できる
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
答案返却・成績確認 線形解析と非線形解析 ソリッド以外の要素活用 |
線形解析と非線形解析を理解できる ソリッド以外の要素も活用できる
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10週 |
ソリッド以外の要素活用 |
ソリッド以外の要素も活用できる
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11週 |
様々な応力軽減手段 |
様々な応力軽減手段を活用できる
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12週 |
様々な応力軽減手段 |
様々な応力軽減手段を活用できる
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13週 |
様々な応力軽減手段 |
様々な応力軽減手段を活用できる
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14週 |
実例で学ぶ設計検証 |
設計検証課題に取り組むことができる
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15週 |
定期試験(設計検証課題提出) |
設計検証課題を提出できる
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16週 |
成績確認 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 製図 | CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。 | 4 | 後1,後2,後6 |
力学 | 荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6 |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6 |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6 |
許容応力と安全率を説明できる。 | 4 | 後3,後6,後7 |
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6 |
多軸応力の意味を説明できる。 | 4 | 後3,後6 |
材料 | 引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。 | 4 | 後3 |
評価割合
| 出席 | 態度 | 試験 | 課題 | | | 合計 |
総合評価割合 | 10 | 10 | 40 | 40 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 10 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |
専門的能力 | 0 | 0 | 40 | 40 | 0 | 0 | 80 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |