力学基礎

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 力学基礎
科目番号 0103 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「工業力学(改訂版)」 吉村靖夫・米内山誠共著 コロナ社
担当教員 西 雅俊

到達目標

物体に作用する力,物体の運動,運動と仕事の関係などを理解できることを目標とする.
1.力,重心,慣性モーメント,エネルギーといった工学になじみの深い概念について理解できる.
2.積分を使って物体の重心が計算できる.
3.運動する物体に作用する力を把握し,運動方程式をたて,その解を求めることができる.
4.運動量保存の法則やエネルギー保存の法則を理解できる.また,これらの法則と運動方程式との関係を
捉えることができる.
5.上記の運動方程式や法則を用いて,実際の機械の運動を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力の表し方一点に作用する力のつりあい 条件を説明できる.一点に作用する力の合成と分 解を図で表現でき,合力と分力 を計算できる.力は,大きさ,向き,作用する 点によって表されることを理 解できない.
重心立体の重心位置を計算できる.重心の意味を理解でき,平板の 重心位置を計算できる.重心の意味を理解できない.
運動運動の法則を説明できる.力,質量および加速度の関係を 運動方程式で表すことができ る.運動の法則を理解できない.
仕事,エネルギーと 動力動力の意味を理解し,計算でき る.仕事,エネルギーの意味を理解 し,計算できる.仕事,エネルギーの意味を理解 できない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械系学科において基礎的学問分野として位置づけられている「工業力学」を取り上げる.数学,物理の知識を用いながら,静力学,運動学および動力学の基礎を学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って進める.例題と演習問題を数多く自分で解かせる.
注意点:
授業スケジュールを把握して,予習を行い,授業での説明を理解すること.ノートを用意し,時間をかけて数多くの問題を自分で解くこと.
教員や友人が解いた解答例を見ながら理解しようとしてもあまり実力につながらない.この科目で時間をかけて自分で解く習慣を身に着けて欲しい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,
静力学の基礎Ⅰ
力とベクトル
物体に作用する力を図示することができる。
力の合成と分解をすることができる。
2週 静力学の基礎Ⅱ
力のモーメント
力のモーメントを求めることができる。
3週 剛体に働く力Ⅰ
力のつりあい
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。
4週 剛体に働く力Ⅱ
トラス
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。
5週 重心Ⅰ
重心
重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。
6週 重心Ⅱ
回転体の表面積と体積
重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。
7週 まとめ
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 摩擦Ⅰ
静摩擦,動摩擦,摩擦角
摩擦力がはたらいている場合の、力のつりあいについて理解している。
10週 摩擦Ⅱ
転がり摩擦,機械要素における摩擦
摩擦力がはたらいている場合の、力のつりあいについて理解している。
11週 運動学Ⅰ
並進運動
速度と加速度について説明できる。
座標を時間で微分し、速度や加速度を求めることができる。
12週 運動学Ⅱ
回転運動
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
13週 運動学Ⅲ
等速円運動,等角加速度円運動
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・距離の関係を説明できる。
14週 運動学Ⅳ
相対運動
同一直線上を等速運動する2物体について、相対速度を求めることができる。
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 動力学Ⅰ
ニュートンの運動の法則,慣性力
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。
2週 動力学Ⅱ
求心力,遠心力
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。
3週 剛体の動力学Ⅰ
角運動方程式,慣性モーメント
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。
4週 剛体の動力学Ⅱ
剛体の平面運動
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
5週 運動量と力積Ⅰ 運動量および運動量保存の法則を説明できる
6週 運動量と力積Ⅱ 運動量および運動量保存の法則を説明できる
物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。
7週 まとめ
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 運動量と力積Ⅲ 物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。
10週 仕事・動力・エネルギーⅠ 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
11週 仕事・動力・エネルギーⅡ 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
12週 仕事・動力・エネルギーⅢ 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
13週 振動Ⅰ 単振動における速度、加速度、力の関係を説明できる。
14週 振動Ⅱ 単振動における速度、加速度、力の関係を説明できる。
15週 〔学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。3
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。3
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。3
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000