熱流体現象論I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 熱流体現象論I
科目番号 0104 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「流体力学」 鈴木・関谷・彭・松島・沖田 共著、コロナ社、Exercises for Fluid Engineering M.M. Ashraful他 共著、パワー社
担当教員 田中 禎一

到達目標

1.層流と乱流の速度分布が理解でき、層流と乱流の管摩擦損失ヘッドを計算することができる。
2.急拡大・急縮小流れの損失について理解でき、それらの簡単な流れに適用できる。
3.連続の式,オイラーの運動方程式が理解でき,簡単な流れに適用できる。流体塊の変形と回転を把握し,流れ場の循環と渦度の関係が理解でき,簡単な流れに適用できる。
4.速度ポテンシャル,流れ関数および複素ポテンシャルの概念が理解出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
層流と乱流の速度分布が理解でき、層流と乱流の管摩擦損失ヘッドを計算することができる層流と乱流の速度分布が理解でき、層流と乱流の管摩擦損失ヘッドを計算することができる。層流と乱流の速度分布を把握し、層流と乱流の管摩擦損失ヘッドについて理解できる。層流と乱流の速度分布をの理解が不足している。層流と乱流の管摩擦損失ヘッドについて理解が不足している。
急拡大・急縮小流れの損失について理解でき、それらの簡単な流れに適用できる急拡大・急縮小流れの損失について理解でき、それらの簡単な流れに適用できる。急拡大・急縮小流れの損失について把握し、それらの簡単な流れの損失について理解できる。急拡大・急縮小流れの損失についての理解が不足し、それらの簡単な流れの損失について理解が不足している。
連続の式,オイラーの運動方程式が理解でき,簡単な流れに適用できる。流体塊の変形と回転を把握し,流れ場の循環と渦度の関係が理解でき,簡単な流れに適用できる連続の式,オイラーの運動方程式が理解でき,簡単な流れに適用できる。流体塊の変形と回転を把握し,流れ場の循環と渦度の関係が理解でき,簡単な流れに適用できる。連続の式,およびオイラーの運動方程式が理解できる。流体塊の変形と回転を把握し,流れ場の循環と渦度の関係が理解できる。連続の式,およびオイラーの運動方程式の理解が不足している。流体塊の変形と回転を把握し,流れ場の循環と渦度の関係の理解が不足している。
速度ポテンシャル,流れ関数および複素ポテンシャルの概念が理解出来る速度ポテンシャル,流れ関数および複素ポテンシャルの概念が理解出来、それらの関係を例題等に適用することができる。速度ポテンシャル,流れ関数および複素ポテンシャルの概念が理解出来る。速度ポテンシャル,流れ関数および複素ポテンシャルの概念の理解が不足している。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は流れ現象を取り扱う流体力学を主な対象としている。
流体力学は,流線,すなわち流れ場がどのような形になるのかを明らかにする学問である。これらは,工業製品で広く利用されるポンプや水車の設計・評価等において重要な知識である。
授業の進め方・方法:
流体力学では,流れ場の運動を記述する連続の式,NS運動方程式,オイラー運動方程式について講義・演習を行なう。
注意点:
講義後は,①配布プリントから要点をノートに整理してまとめる,②教科書や図書館に置いてある参考書を読む,③問題集の練習問題を解く等の自学によって,内容の深い理解に努めること。演習を主体とした復習を行なうと良い。演習を主体とした復習を行なうと良い。その際,教科書の問題や配布課題について,まず参考書を使わずに独力で取り組むことで,理解度の確認を行うこと。式を丸暗記するのではなく,現象の本質について理解を深める努力を欠かさず行なうこと。
オフィスアワーなど授業時間外でも質問に対応します。どうしても教員と時間が合わない場合は,シラバスに記載のメールアドレス宛てに質問してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 層流と乱流 層流と乱流を理解し,説明できる.
2週 流体摩擦と境界層 流体摩擦と境界層を理解し,説明できる.
3週 流体の損失① 流体の損失について,説明できる.
4週 流体の損失② 流体の損失について,計算できる
5週 流体の損失③ 流体の損失について,計算できる
6週 物体に働く力① 物体に働く力を理解できる
7週 物体に働く力② 物体に働く力を計算できる
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説
10週 流体運動のオイラー表示,ラグランジュ表示 流体運動のオイラー表示,ラグランジュ表示の方法を理解し,説明できる.
11週 流線の式と連続の式 流線の式と連続の式を導出でき,理解・説明できる.
12週 理想流体の運動方程式とベルヌーイの定理 流体運動の加速度とそれを用いたオイラーの運動方程式を導出でき,説明できる.またオイラー運動方程式からベルヌーイの式を導出,説明できる.
13週 速度ポテンシャルと流れ関数① 速度ポテンシャル,流れ関数と流れ場の関係を説明できる.
14週 速度ポテンシャルと流れ関数② 速度ポテンシャル,流れ関数と流れ場の関係を説明できる.
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
パスカルの原理を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4
物体に作用する浮力を計算できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
流線と流管の定義を説明できる。4前2,前4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前2,前4
オイラーの運動方程式を説明できる。4前3,前5
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前3,前5
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4前5
層流と乱流の違いを説明できる。4前1,前3,前4,前5,前10
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4前4,前5,前10
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4前3,前4,前5
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4前3,前4,前5
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4前6,前7
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4前6,前7
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4前6,前7
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00