力学基礎

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 力学基礎
科目番号 0115 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「工業力学(改訂版)」 吉村靖夫・米内山誠共著 コロナ社
担当教員 西 雅俊

到達目標

物体に作用する力,物体の運動,運動と仕事の関係などを理解できることを目標とする.
1.力,重心,慣性モーメント,エネルギーといった工学になじみの深い概念について理解できる.
2.積分を使って物体の重心が計算できる.
3.運動する物体に作用する力を把握し,運動方程式をたて,その解を求めることができる.
4.運動量保存の法則やエネルギー保存の法則を理解できる.また,これらの法則と運動方程式との関係を
捉えることができる.
5.上記の運動方程式や法則を用いて,実際の機械の運動を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力の表し方一点に作用する力のつりあい 条件を説明できる.一点に作用する力の合成と分 解を図で表現でき,合力と分力 を計算できる.力は,大きさ,向き,作用する 点によって表されることを理 解できない.
重心立体の重心位置を計算できる.重心の意味を理解でき,平板の 重心位置を計算できる.重心の意味を理解できない.
運動運動の法則を説明できる.力,質量および加速度の関係を 運動方程式で表すことができ る.運動の法則を理解できない.
仕事,エネルギーと 動力動力の意味を理解し,計算でき る.仕事,エネルギーの意味を理解 し,計算できる.仕事,エネルギーの意味を理解 できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械系学科において基礎的学問分野として位置づけられている「工業力学」を取り上げる.数学,物理の知識を用いながら,静力学,運動学および動力学の基礎を学ぶ.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って進める.例題と演習問題を数多く自分およびグループで解かせる.
注意点:
授業スケジュールを把握して,予習を行い,授業での説明を理解すること.ノートを用意し,時間をかけて数多くの問題を自分で解くこと.
教員や友人が解いた解答例を見ながら理解しようとしてもあまり実力につながらない.この科目で時間をかけて自分で解く習慣を身に着けて欲しい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,
静力学の基礎Ⅰ
力とベクトル
物体に作用する力を図示することができる。
力の合成と分解をすることができる。
2週 静力学の基礎Ⅱ
力のモーメント
力のモーメントを求めることができる。
3週 剛体に働く力Ⅰ
力のつりあい
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。
4週 剛体に働く力Ⅱ
トラス
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。
5週 重心Ⅰ
重心
重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。
6週 重心Ⅱ
回転体の表面積と体積
重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。
7週 まとめ
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 摩擦Ⅰ
静摩擦,動摩擦,摩擦角
摩擦力がはたらいている場合の、力のつりあいについて理解している。
10週 摩擦Ⅱ
転がり摩擦,機械要素における摩擦
摩擦力がはたらいている場合の、力のつりあいについて理解している。
11週 運動学Ⅰ
並進運動
速度と加速度について説明できる。
座標を時間で微分し、速度や加速度を求めることができる。
12週 運動学Ⅱ
回転運動
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。
13週 運動学Ⅲ
等速円運動,等角加速度円運動
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・距離の関係を説明できる。
14週 運動学Ⅳ
相対運動
同一直線上を等速運動する2物体について、相対速度を求めることができる。
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 動力学Ⅰ
ニュートンの運動の法則,慣性力
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。
2週 動力学Ⅱ
求心力,遠心力
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。
3週 剛体の動力学Ⅰ
角運動方程式,慣性モーメント
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。
4週 剛体の動力学Ⅱ
剛体の平面運動
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
5週 運動量と力積Ⅰ 運動量および運動量保存の法則を説明できる
6週 運動量と力積Ⅱ 運動量および運動量保存の法則を説明できる
物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。
7週 まとめ
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 運動量と力積Ⅲ 物体が衝突するさいに生じる現象を説明できる。
10週 仕事・動力・エネルギーⅠ 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
11週 仕事・動力・エネルギーⅡ 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
12週 仕事・動力・エネルギーⅢ 力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
13週 振動Ⅰ 単振動における速度、加速度、力の関係を説明できる。
14週 振動Ⅱ 単振動における速度、加速度、力の関係を説明できる。
15週 〔学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2前11
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2前11
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2前11
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2前11
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2前11
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2前11
物体に作用する力を図示することができる。2前1
力の合成と分解をすることができる。2前1
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2後1
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2後1
慣性の法則について説明できる。2前9
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2後1
運動方程式を用いた計算ができる。2後1
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2後1
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2前10
最大摩擦力に関する計算ができる。2前9,前10
動摩擦力に関する計算ができる。2前9,前10
仕事と仕事率に関する計算ができる。2後10,後11,後12
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2後10,後11,後12
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2後10,後11,後12
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2後10,後11,後12
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2後11,後12
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2後1,後5
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2後5
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2後5
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2後13
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2後13
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2後10
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2後10
力のモーメントを求めることができる。2
角運動量を求めることができる。2前13
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2後10
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2前6
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2前12
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。2前1
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。2前2
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。2前2
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。2前2
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。2前2
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。2前2
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。2前5
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。2前11
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。2
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。2
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。2後1
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。2後1
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。2前13
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。2
仕事の意味を理解し、計算できる。2後10
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。2後10
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。2後10
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。2後10
動力の意味を理解し、計算できる。2後10
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。2前9
運動量および運動量保存の法則を説明できる。2後5
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。2後4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。2後4
振動の種類および調和振動を説明できる。2後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000