マテリアル学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 マテリアル学
科目番号 0116 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 「材料学」久保井徳洋,樫原恵蔵著 コロナ社(前期) 「電子材料」澤岡昭著 森北出版 (後期)
担当教員 豊浦 茂,毛利 存

到達目標

1.金属材料の結晶構造,転位,塑性変形および金属の相と平衡状態,状態図などについて理解できる.
2.鉄鋼材料,非鉄金属材料,非金属材料および新素材の種類と特徴などを習得し,使用目的に応じた最適な材料設計について説明できる.
3.
4.原子の構造と化学結合の種類,結晶構造の違いについて説明出来る.
5.誘電性材料の性質を理解し,どのようなところに応用されているのかを説明できる.
6.磁性材料の性質を理解し,どのようなところに応用されているのかを説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.金属原子の配置および結合による相変化と特性について説明出来る.金属原子の配置および結合による相変化について理解し,実際の材料の特性変化を説明出来る.金属原子の配置および結合による相変化と特性について簡単な説明が出来る.金属原子の配置および結合による相変化と特性について簡単な説明も出来ない.
2.鉄系材料の変態に伴う相変化とそれを示した状態図について説明出来る.鉄系材料の変態に伴う相変化とそれを示した状態図について理解し,実際の材料の応用について説明出来る.鉄系材料の変態に伴う相変化とそれを示した状態図について簡単な説明が出来る.鉄系材料の変態に伴う相変化とそれを示した状態図について簡単な説明も出来ない.
3.異種金属を加えた合金鋼や非鉄金属の特性について説明出来る.異種金属を加えた合金鋼や非鉄金属の特性について理解し,実際の材料の応用について説明出来る.異種金属を加えた合金鋼や非鉄金属の特性について簡単な説明が出来る.異種金属を加えた合金鋼や非鉄金属の特性について簡単な説明も出来ない.
4.原子の構造と化学結合の種類,結晶構造の違いについて説明出来る. 原子の構造と化学結合の種類,結晶構造の違いについて説明でき,実在の材料の性質をこれらの観点から説明出来る. 原子の構造と化学結合の種類,結晶構造の違いについて簡単な説明が出来る. 原子の構造と化学結合の種類,結晶構造の違いについて簡単な説明も出来ない.
5.誘電性材料の性質を理解し,どのようなところに応用されているのかを説明できる. 誘電体の物理的性質を理解しており,どのようなところに応用されているのかを説明できる. 誘電性材料の基本的な性質を理解しており,どのようなところに応用されているのかを説明できる. 誘電性材料の性質を理解しておらず,どのようなところに応用されているのかも説明できない.
6.磁性材料の性質を理解し,どのようなところに応用されているのかを説明できる. 強磁性,常磁性の違いを物理的に理解した上で磁性材料の性質を説明でき,どのようなところに応用されているのかを説明できる. 磁性材料の基本的な性質を理解し,どのようなところに応用されているのかを説明できる. 磁性材料の性質を理解しておらず,どのようなところに応用されているのかも説明できない.

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 4-3 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 4-4 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 5-2 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 6-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は機械材料および電気電子材料について,それらの種類と特徴について習得する.具体的には機械類を設計するに際して仕様を理解し,かつ材料の本質を理解して最適な材料を選定できる能力を身に付ける.本校のカリキュラムでは,専門工学の基礎知識と位置付けられる科目である.
授業の進め方・方法:
本講義では教科書を中心に進め,各種の部材を組み合せて製作する機械や電気機器類の材料設計の基本となる項目について講義を行う.実際に用いられている機械や電気機器類の構成材料の選択を習得して,安全な材料設計を理解することを目標とする.
注意点:
(事前指導)毎回,次回の講義予告を行い,教科書の該当箇所を読んでくる.
(事後指導)講義で取り扱った内容について,内容の理解を深めるためにも,
①ノートなどにポイントを整理してまとめる.②教科書や問題集の各種問題を解く.③図書館などを利用して,基本的な知識の獲得に努力する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 本講義についてのガイダンス
2週 金属材料の一般的性質
3週 金属の相,平衡状態,状態図
4週 鉄鋼材料1
5週 鉄鋼材料2
6週 鉄鋼材料3
7週 鉄鋼材料4
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 非鉄金属材料
10週 鋳造用金属材料
11週 工具用金属材料
12週 耐食材料
13週 耐熱金属材料
14週 特殊機能金属材料
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 原子構造と周期表 原子構造と周期表を学ぶ
2週 原子構造と周期表 元素の性質について理解する
3週 化学結合 共有結合とイオン結合について理解する
4週 化学結合 金属結合について理解する
5週 結晶構造 基本的な結晶構造を学ぶ
6週 結晶構造 結晶の充填度,空隙を理解する
7週 結晶学の基礎 結晶の変形機構を理解する
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 導電材料 導電材料の性質を理解する
10週 誘電体 誘電体の特性を理解する
11週 誘電材料 さまざまな誘電材料とその使われ方を学ぶ
12週 磁性体 磁性体の特性を理解する
13週 磁性材料 さまざまな磁性体とその使われ方を学ぶ
14週 導電・抵抗・超伝導材料 材料の伝導機構を学ぶ
15週 まとめ 試験対策
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料金属と合金の結晶構造を説明できる。3
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3
合金の状態図の見方を説明できる。3
塑性変形の起り方を説明できる。3
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3
鉄鋼の製法を説明できる。3
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3
焼きなましの目的と操作を説明できる。3
焼きならしの目的と操作を説明できる。3
焼入れの目的と操作を説明できる。3
焼戻しの目的と操作を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000