物理I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 物理I
科目番号 0117 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「物理基礎」「物理」 中村英二他著 第一学習社 「リードLightノート物理基礎」「リードLightノート物理」 数研出版「フォローアップドリル物理基礎(運動の表し方・力・運動方程式)」 数研出版「フォローアップドリル物理基礎(仕事とエネルギー・熱)」     数研出版
担当教員 岩尾 航希

到達目標

1. 静力学的な力の概念と力のつり合いについて,正しく理解し適用することができる。
2. ニュートンの運動の法則を理解し、物体の運動に対してこの法則を的確に応用できる。
3. 仕事とエネルギーについて明確な概念を持ち、力学的エネルギー保存の法則を適用できる。
4. 熱とエネルギーの概念を用いて簡単な問題を解くことができる。
5. 波動について正しく理解し、波の色々な性質(反射、屈折、回折、干渉)を問題に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 静力学的な力の概念と力のつり合いについて、正しく理解し適用することができる。さまざまな問題に力のつりあいの概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な力のつりあいの問題を解くことができる。基本的な力のつりあいの問題を解くことができない。
2. ニュートンの運動の法則を理解し、この法則を的確に応用できる。さまざまな問題に運動の法則の概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な運動の法則の問題を解くことができる。基本的な運動の法則の問題を解くことができない。
3. 仕事とエネルギーについて明確な概念を持ち、力学的エネルギー保存の法則を適用できる。さまざまな問題にエネルギー保存の法則の概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な力学的エネルギー保存の法則の問題を解くことができる。基本的な力学的エネルギー保存の法則の問題を解くことができない。
4. 熱とエネルギーの概念を用いて簡単な問題を解くことができる。 さまざまな問題に熱とエネルギーの概念を正しく適応し,解くことができる。基本的な熱とエネルギーの問題を解くことができる。 基本的な熱とエネルギーの問題を解くことができない。
5. 波動について正しく理解し、波の色々な性質を問題に適用できる。 さまざまな問題に波動の概念を正しく適応し,解くことができる。 基本的な波動の問題を解くことができる。基本的な波動の問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理は自然現象を観察し,物体のもつ色々な物理量の間に成り立つ関係をしらべる学問であり,工学の基礎となる重要な科目である。各種の物理量について正しく理解し,その間に成り立つ関係や法則を的確に応用できる力を身につける。
授業の進め方・方法:
毎回の授業は,説明,問題演習,確認テストで構成される。まずスクリーンを使って短い説明をした後,グループで問題演習をし,学生間で教えあいながら理解してもらう。そしてその後確認テストを行い,学んだことを確認してもらう。また,単元ごとに適宜小テストを実施する。
注意点:
物理は積み上げ型の理解が要求される科目なので、復習を欠かさず行うことが大切です。その日理解できなかった点は理解し,学んだことを整理し,次の授業に備えてください。また毎回,学んだ範囲に相当する問題集の問題を示すので,自分で解くとさらに理解が深まります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 いろいろな力 重力,垂直抗力,摩擦力,張力,弾性力,摩擦力を理解し,その値を算出できる。
2週 力の合成と分解 力の合成・分解することができ,合力や力の成分の計算ができる。
3週 力のつりあい いろいろな場合について力のつりあいの式を立て,問題を解くことができる。
4週 作用・反作用の法則 作用・反作用の法則について理解し,つりあいと区別できる。
5週 圧力と浮力 圧力(大気圧,水圧)と浮力について理解し,その値を算出できる。
6週 運動の法則 簡単な問題について,運動方程式を立てて計算ができる。
7週 運動の法則2 さまざまな問題について,運動方程式を立てて計算ができる。
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。
10週 剛体に働く力 剛体にはたらく力のモーメントを計算できる。
11週 剛体に働く力の合成・物体の重心 剛体にはたらく力を合成することができ,物体の重心を計算できる。
12週 剛体のつりあい 剛体にはたらく力について,つりあいの式を立て問題を解くことができる。
13週 仕事と仕事率 仕事と仕事率について,その値を算出できる。
14週 運動エネルギーと位置エネルギー 運動エネルギーと位置エネルギーについて,計算できる。
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。
後期
3rdQ
1週 力学的エネルギー保存の法則 簡単な問題について,力学的エネルギー保存の法則の式を立て,問題を解くことができる。
2週 力学的エネルギー保存の法則2 さまざまな問題について力学的エネルギー保存の法則の式を立て,問題を解くことができる。
3週 熱と温度、比熱 熱・熱運動・温度について理解し,熱容量と比熱について計算ができる。
4週 エネルギーの変換 熱力学第一法則・第二法則について概要を理解し,簡単な問題が解ける。
5週 ボイル・シャルルの法則 ボイル・シャルルの法則や気体の状態方程式を利用し,簡単な問題を解くことができる。
6週 波のグラフ 波の要素(振幅,波長,周期)について理解し,縦波・横波についてグラフを描くことができる。
7週 波の重ね合わせと定常波 波の重ね合わせと定常波について理解し問題を解くことができる。
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。
10週 波の反射,干渉,屈折,回折 波の反射,干渉,屈折,回折について理解し,問題を解くことができる。
11週 音の速さと伝わり方 音の性質を理解し,波の問題として解くことができる。
12週 共鳴(共振),ドップラー効果 固有振動と共鳴(共振),ドップラー効果について理解し,問題を解くことができる。
13週 光の速さと伝わり方 光の性質を理解し,波の問題として解くことができる。
14週 光の干渉 光の干渉により生じる現象について理解し,問題を解くことができる。
15週 〔後期学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説 試験を見直すことで,間違えた点を理解するとともにこれまで学んだことを復習する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3前1
力の合成と分解をすることができる。3前2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前1,前5
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前1
慣性の法則について説明できる。3前6
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前4
運動方程式を用いた計算ができる。3前6,前7
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前1,前3
最大摩擦力に関する計算ができる。3前1,前3
動摩擦力に関する計算ができる。3前1,前7
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前13
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前14
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前14
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前14
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後1,後2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3後6
力のモーメントを求めることができる。3前10
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前12
重心に関する計算ができる。3前11
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3後4
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3後5
気体の内部エネルギーについて説明できる。3後4
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3後4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後4
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3後6
横波と縦波の違いについて説明できる。3後6
波の重ね合わせの原理について説明できる。3後7
波の独立性について説明できる。3後7
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3後10
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3後7
ホイヘンスの原理について説明できる。3後10
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3後10
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3後12
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3後12
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3後12
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3後12
自然光と偏光の違いについて説明できる。3後13
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3後13
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3後13,後14
物理実験物理実験熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後4,後5
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後7,後10,後11,後12
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力90000010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000