電気電子回路II

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気電子回路II
科目番号 0125 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「電気回路の基礎」 西巻正郎 森北出版,「電子工学概論」樋口住久 コロナ社
担当教員 木場 信一郎

到達目標

1. 相互誘導と理想変成器を説明をし,相互誘導回路の計算ができる.
2. 直列共振回路と並列共振回路の計算ができる.
3. RL直列回路等の単エネルギー回路,およびRLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
相互誘導と理想変成器を説明をし,相互誘導回路の計算ができる.相互誘導と理想変成器について説明でき,複雑な相互誘導回路の計算ができる.相互誘導と理想変成器について説明でき,簡単な相互誘導回路の計算ができる.相互誘導と理想変成器について説明出来ず,基礎的な回路の計算もできない.
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる.応用的な直列共振回路と並列共振回路の計算ができる.基礎的な直列共振回路と並列共振回路の計算ができる.基礎的な直列共振回路と並列共振回路の計算ができない.
RL直列回路等の単エネルギー回路,およびRLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる.応用的な単エネルギー回路,および複エネルギー回路の直流応答の計算ができ,過渡応答の特徴を説明できる.基礎的な単エネルギー回路,および複エネルギー回路の直流応答の計算ができ,過渡応答の特徴を説明できる.基礎的な単エネルギー回路,および複エネルギー回路の直流応答の計算ができず,過渡応答の特徴を説明することができない.
トランジスタ回路の動作や等価回路について説明できる.トランジスタ回路について、その動作を把握し,特性の計算や等価回路を用いて説明ができる.MOSまたはバイポーラトランジスタ回路について,特性を把握し,動作を解析できる.MOSまたはバイポーラトランジスタ回路について,特性の解析をすることができない.
トランジスタ回路の増幅現象と等価回路回路の説明ができる.トランジスタ回路の増幅作用の説明と等価回路回路の計算ができる.トランジスタ回路の増幅について,等価回路を示すことができる.トランジスタ回路の増幅について,等価回路を示すことができない.
トランジスタ回路の発振現象の説明と等価回路回路の計算ができる.トランジスタ回路の発振現象の説明と等価回路回路の計算ができる.トランジスタ回路の発振回路について等価回路回路を示すことができる.トランジスタ回路の発振回路について等価回路回路を示すことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気は身の回りのありとあらゆるところで利用されている.機械工学においても,電気電子回路の基礎的な知識を有することは,技術者として必須の条件である.本科目では,交流の電気電子回路についての基礎的事項の習得を目的とする.
全30週のうち,第1週から第15週は、企業でCMOSテクノロジーによるデジタル・アナログ混載型大規模集積回路の設計開発を担当していた教員が,バイポーラトランジスタ・MOSトランジスタによる増幅,発振現象の基礎とその電子回路応用について講義形式の授業を担当する.
授業の進め方・方法:
本授業では,第3学年までに学んだ電気電子回路理論を基礎として,バイポーラトランジスタ・MOSトランジスタの増幅,発振現象と基本回路,電磁誘導結合回路,共振回路,過渡現象論について理解する.
注意点:
毎回,次回の講義の予告を行うのでその概要を事前に確認しておく.授業後は関連する内容や背景等を調べ広く知識を蓄えると共に,授業で実施した内容がいろいろな場面で活用できるように定着を図る.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 トランジスタの等価回路
4端子等価回路(hパラメータ)
トランジスタの等価回路を図示することができる。
2週 バイポーラトランジスタ増幅回路Ⅰ 4端子等価回路を用いて基本的な増幅回路の種類について説明できる。
3週 バイポーラトランジスタ増幅回路Ⅱ 基本的な増幅回路の増幅特性を説明できる。
4週 バイポーラトランジスタ増幅回路Ⅲ 典型的な増幅回路の増幅特性をhパラメータを用いて計算・説明できる。
5週 MOSトランジスタ増幅回路Ⅰ 基本的な増幅回路の増幅特性を説明できる。
6週 MOSトランジスタ増幅回路Ⅱ 基本的なアナログ回路・デジタル回路への応用ができる。
7週 OPアンプ回路を用いた増幅(理想OPアンプの考え方)
理想OPアンプの増幅動作を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 OPアンプ回路の応用回路 OPアンプで構成される増幅回路を示すことができる。
10週 発振回路と発振条件 発振器と発振条件について説明できる。
11週 RC発振回路 ターマン発振器とウイーンブリッジ発振器の回路を図示できる。
12週 LC・水晶発振回路 トランジスタ発振回路を図示することができる。水晶発振回路について説明できる。
13週 変復調回路 変調,復調回路を図示することができる。
14週 MOSトランジスタ集積回路への応用Ⅰ 基本回路をCMOSトランジスタ回路で構成できる。
15週 MOSトランジスタ集積回路への応用Ⅱ 論理回路をCMOSトランジスタ回路で構成できる。
16週 後期期末試験の返却とまとめ
後期
3rdQ
1週 直列共振回路 直列共振回路の計算ができる。
2週 直列共振回路とQ 直列共振回路の計算ができる。
3週 並列共振回路 並列共振回路の計算ができる。
4週 電磁誘導結合回路(1) 相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。
5週 電磁誘導結合回路(2) 相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。
6週 変圧器結合回路(1) 理想変成器を説明できる。
7週 変圧器結合回路(2) 理想変成器を説明できる。
8週 総合問題
4thQ
9週 中間試験
10週 中間試験の返却と解説
11週 過渡現象論(1) RL直列回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
12週 過渡現象論(2) RC直列回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
13週 過渡現象論(3) RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
14週 過渡現象論(4) RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。
15週 総合問題
16週 前期定期試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3後1,後2,後3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3後4
理想変成器を説明できる。3後6,後7
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3後11,後12
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3後13,後14
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3前1
FETの特徴と等価回路を説明できる。3前5
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3前3,前4,前6
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3前2
演算増幅器の特性を説明できる。3前7
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。3前9
発振回路の特性、動作原理を説明できる。3前10,前11,前12
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。3前13
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力90000010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000