応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0211 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料(電子データ提供等)
担当教員 小田 明範,毛利 存

到達目標

1. 熱の諸特性を説明できる。
2. 熱機関とヒートポンプの原理を理解し計算できる。
3. 原子核の構造や放射崩壊を説明できる。
4. 放射線の検出法や放射崩壊を説明できる。
5. 放射線、核分裂・核融合の利用例を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱の諸特性を説明できる。熱容量と熱伝導と熱放射の計算ができ、エネルギー保存則を説明できる。熱容量と熱伝導と熱放射の計算ができる。熱容量の計算ができない。
熱機関とヒートポンプの原理を理解し計算できる。熱機関の仕事と熱効率と、ヒートポンプの成績係数を計算できる。理想気体の状態方程式を用いて仕事量を計算できる。熱機関の熱源温度から熱効率を計算できない。
原子核の構造や放射崩壊を説明できる。 アルファ・ベータ・ガンマ崩壊の原理を理解し、原子核の構造や各種の崩壊を説明できる。原子核の構造やアルファ・ベータ・ガンマ崩壊を説明できない。原子核の構造やアルファ・ベータ・ガンマ崩壊を説明できる。
放射線の検出法や放射崩壊を説明できる。放射線の検出原理を理解し、放射線の検出方法、放射線量の表記方法、崩壊の法則と放射能の強さについて説明できる。放射線の検出方法、放射線量の表記方法、崩壊の法則と放射能の強さについて説明できる。放射線の検出方法、放射線量の表記方法、崩壊の法則と放射能の強さについて説明できない。
放射線、核分裂・核融合の利用例を説明できる。核分裂・核融合の原理を理解し。放射線の利用例、核分裂・核融合の概要とそのエネルギー利用例を説明できる。放射線の利用例、核分裂・核融合の概要とそのエネルギー利用例を説明できる。放射線の利用例、核分裂・核融合の概要とそのエネルギー利用例を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 この講義では、現代の便利な生活を支えている自動車やエアコンなどの機器の基本的な原理である熱力学と、放射線利用や原子力エネルギー利用の基礎となる核化学を学ぶ。熱力学では、熱容量などの熱現象基本から熱機関の原理を取り扱い、核化学では、原子核の構造や放射崩壊や放射線検出法や、核分裂・核融合の利用例をなどを取り扱う。
授業の進め方・方法:
*できる限り応用例も示しながら理解を促していく。また、問題練習を通して原理への理解の定着を図る。
*授業では,配布プリントやWebサイトの動画等を中心に講義を進める。前半は熱力学(気体運動論)、後半は核化学の内容である。
注意点:
*新型コロナウイルス対応によっては、試験を実施せず、課題のみで成績を決めることがあります。
(事前学習)
*授業計画の授業内容、到達目標等を確認の上,事前に提示された電子データ等に目を通しておくこと。
(事後学習)
*配布資料や提供された電子データ等から要点をノートに整理してまとめる等によって,内容の深い理解に努めること。また、提示された演習問題に取り組むことで,実践力を養うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、熱力学入門 熱現象とその特徴を説明できる
2週 熱の移動 熱伝導と放射について説明できる
3週 理想気体の状態方程式と気体分子運動論 気体分子の運動について説明できる
4週 気体分子運動論と熱力学の第一法則 理想気体の状態方程式から、仕事量を計算できる
5週 熱力学の第一法則、問題演習 理想気体の状態方程式から、仕事量を計算できる
6週 熱機関 カルノーサイクルを説明できる
7週 ヒートポンプと熱力学第2法則 ヒートポンプを説明できる
8週 〔中間試験〕
試験解説はオンラインまたは空コマで対応する。
4thQ
9週 原子核の構造 原子核の構造を知る.
10週 核化学(原子核の崩壊と放射線 I)
アルファ・ベータ・ガンマ崩壊を説明できる.
11週 核化学(原子核の崩壊と放射線 II) 代表的な放射線の検出方法と放射線量の表記方法を説明できる.
12週 核化学(崩壊の法則と放射能) 崩壊の法則と放射能の強さについて説明できる.
13週 核化学(放射線の利用) 放射線の利用例を説明できる.
14週 核化学(原子力の利用) 核分裂と核融合とそのエネルギー利用例を説明できる.
15週 〔期末試験〕
16週 期末試験の返却と解説
試験結果を見直し、理解させる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3後2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3後4
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3後6,後7
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3後3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3後3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3後5
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後5
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後7
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後7
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。3後14

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力601070
専門的能力201030
分野横断的能力000