科学技術史

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 科学技術史
科目番号 0213 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書 適宜資料を配布,参考書「科学技術史概論」 山崎正勝・奥村修平・内田正夫・日野川静枝編著 ムイスリ出版
担当教員 山下 徹

到達目標

1.機械工学分野を中心に科学技術史に関して歴史的発展の過程を理解できる。
2.機械に代表される科学と技術の発展が歴史的必然性によって生まれ,多くの貴重な実験・経験・理論展開に学びながら絶え間のない改良がなされることで現在に至っていることを理解できる。
3.現代における科学・技術をめぐる社会的諸問題を考えることから,将来の人類の幸福や繁栄,平和の増進につながるような科学・技術のあり方を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械工学分野を中心とした科学技術史に関する十分な理解があり,具体例を含みながら歴史的発展の過程について流れを説明することができる。機械工学分野を中心とした科学技術史に関する理解は十分ではないが,歴史的発展の過程について大まかな流れを説明することができる。機械工学分野を中心とした科学技術史に関する理解が不十分で,歴史的発展の過程を説明することができない。
評価項目2機械に代表される科学と技術の発展における歴史的必然性と,現在までの改良の過程について,具体例を含みながら正しく説明することができる。機械に代表される科学と技術の発展における歴史的必然性と,現在までの改良の過程について,多少の誤りはあるが大まかな流れを説明することができる。機械に代表される科学と技術の発展における歴史的必然性と,現在までの改良の過程について説明することができない。
評価項目3現代における科学・技術をめぐる社会的諸問題についての十分な考察ができており,将来の科学・技術のあり方について,自らの意見を明確に述べることができる。現代における科学・技術をめぐる社会的諸問題についてのある一定の考察ができており,将来の科学・技術のあり方について,ややあいまいながら自らの意見を述べることができる。現代における科学・技術をめぐる社会的諸問題についての考察が不十分であり,将来の科学・技術のあり方について,自らの意見を述べることができない。

学科の到達目標項目との関係

本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-2 説明 閉じる
本科(準学士課程)での学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現在,私たちが深く認識することなく享受している高度な文明社会はどのようにして発達してきたのか?これからの科学技術の未来を考えていくためのヒントが過去の科学技術の歴史を顧みることから明らかになってくる。本科目では,現代と将来の社会に責任を持つ技術者となるための発想のヒントを科学技術史,特に機械技術史に重点をおいて学ぶ。
授業の進め方・方法:
本講義では教科書を中心に講義形式で進め,「ものづくり」の基礎である科学と技術の歴史が,いかにして発展してきたかについて学ぶ。学生諸君が科学技術史を修得することにより,未来に繋がる新たな科学と技術を創造する考える力を身につけることを目標とする。
注意点:
・授業スケジュールを把握して,予習を行ない,授業での説明を理解すること.
・5回程度課題を与えるので,自分自身で考えて基礎知識の定着に努めること.
・授業では教科書を中心に進めるので,何より教科書をよく予習してくること.
・自分で考え,どうしても分らない場合は質問すること.授業に関する質問や要望は,オフィスアワーやメールなどで随時受け付ける.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,人類の誕生と道具の製作 有史以前の人類と道具の関係,および労働と道具の関係について説明できる.
2週 科学と技術の始まりⅠ 古代オリエントやエジプト期における科学の始まりと当時の社会における科学の在り方が説明できる.
3週 科学と技術の始まりⅡ 古代ローマ期から中世期における科学の発達とその具体例をあげて説明できる.
4週 近代科学の成立Ⅰ ルネサンス期における社会と科学の関わりと,その中で発展した古典力学について説明できる.
5週 近代科学の成立Ⅱ イギリスの海洋進出に伴う新しい科学の発展について具体例をあげて説明できる.
6週 産業革命の時代Ⅰ イギリス産業革命の契機となった木綿工業の発展について理解し,蒸気機関誕生までの経緯を説明できる.
7週 産業革命の時代Ⅱ 蒸気機関の誕生に伴う,他分野での科学技術の発達と社会に与えた変化について具体的に説明できる.
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 自然の総合的理解へ向かってⅠ 産業革命期における化学分野の誕生として,四元素説からの脱却と元素周期律の誕生までの過程を説明できる.
10週 自然の総合的理解へ向かってⅡ 産業革命期における化学分野の誕生として,四元素説からの脱却と元素周期律の誕生までの過程を説明できる.
11週 大工業と発明家Ⅰ 近代化学工業の始まりと電気・電信技術の発達について具体例をあげて説明できる.
12週 大工業と発明家Ⅱ 製鉄技術の発展の歴史について,具体例をあげて説明することができる.
13週 現代における科学技術Ⅰ 現代における物質科学の発展の歴史と生産技術の新しい変化について,具体例をあげて説明できる.
14週 現代における科学技術Ⅱ 現代社会の発展と,それに伴うコンピュータの発達の歴史を関連付けながら説明できる.
15週 〔学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000