到達目標
1.デジタルICの基本回路がわかる。
2.基本ゲート回路の動作が理解できる。
3.基本ゲート回路からいろいろなデジタル回路ができることがわかる。
4.各種のデジタル回路の動作を理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
デジタルICの基本回路がわかる | デジタルICの基本回路を図示し、論理とトランジスタ回路との関連性について説明できる | デジタルICの基本回路を図示し、論理を説明できる | デジタルICの基本回路を説明できない |
基本ゲート回路の動作を説明できる | 基本ゲート回路の論理とトランジスタ回路の動作を関連づけて解析し説明できる | 基本ゲート回路の動作を説明できる | 基本ゲート回路の動作を説明できる |
基本ゲート回路からいろいろなデジタル回路を構成できる | 基本ゲート回路を基礎にして、いろいろなデジタル回路を構成し、発展的な問題に応用できる | 基本ゲート回路を基礎にして、いろいろなデジタル回路を構成できる | 基本ゲート回路からいろいろなデジタル回路を構成できる |
各種のデジタル回路の動作を説明することができる | 各種のデジタル回路の論理動作を正しく説明し、機能の拡張などに応用できる | 各種のデジタル回路の論理動作を正しく説明することができる | 各種のデジタル回路の論理動作を正しく説明することができない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電子計算機の中央処理装置やマイクロコンピュータ,スマートフォンの処理装置は、さまざまな論理や記憶といった機能を実現するデジタル回路の大規模集積回路(VLSI)化によって実現している。マイクロコンピュータに代表される様な計算処理機能は、2進情報の論理機能のみを扱う論理回路により表現されるが、これだけでは絵に描いたもち(表現された設計図)であり、これらの論理回路がもつ論理・演算・記憶の機能を実現するトランジスタ回路をシリコンウエハー上に実現して(設計図どおりの工事がなされて)はじめて、われわれはマイコンやスマートフォンを実際に利用することができる(家に住むことができる)。
この科目では、デジタル回路の基礎をハードウェアを主眼において学習する。デジタル回路は、電気信号を2進情報として扱うことのできるトランジスタ回路の働きにより、四則演算や論理演算,記憶などの機能を持たせた電子回路といえるのだが、いくつかの基本となる論理機能を実現するトランジスタ回路を理解すれば、これらを組み合わせることにより、種々の機能が可能な論理回路を構成することができる。日常的に利用している電子製品の中核となる機能のおおよその仕組みを知ることにより、将来のいろいろな装置の基礎を理解することが重要である。
授業の進め方・方法:
授業では、基本的な論理回路とトランジスタ回路の関係を学習し、これを基礎に種々の論理機能をもつ論理回路へと応用していく。
注意点:
2回の定期試験の平均点を80%、演習に関するレポート及び発表を20%で評価し、60%以上を合格とする。授業中の演習問題等で積極的に発表すること。
合格点に達しない者には、再試験を実施することもある。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
デジタル回路の基礎 |
整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。基数が異なる数の間で相互に変換できる。
|
2週 |
基本ゲート回路の論理とトランジスタ回路 |
基本的な論理演算を行うことができる。 基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。
|
3週 |
ゲート回路の論理とトランジスタ回路 |
組合せ論理回路を設計することができる。 トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。 トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。
|
4週 |
組み合わせ回路 |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明することができる。
|
5週 |
加算回路 |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 組合せ論理回路を設計することができる。
|
6週 |
基本フリップフロップ回路 |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 与えられた簡単な順序回路の機能を説明することができる。
|
7週 |
フリップフロップ回路とトランジスタ回路 |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 与えられた簡単な順序回路の機能を説明することができる。 簡単な順序回路を設計することができる。
|
8週 |
マスタースレブフリップフロップ回路とトランジスタ回路 |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる 与えられた簡単な順序回路の機能を説明することができる。 簡単な順序回路を設計することができる。
|
4thQ |
9週 |
中間試験 |
|
10週 |
カウンタ回路 |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。
|
11週 |
シフトレジスタ |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。
|
12週 |
エンコーダ |
与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明することができる。
|
13週 |
デコーダ |
与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明することができる。
|
14週 |
マルチプレクサとデマルチプレクサ |
与えられた簡単な組合せ論理回路の機能を説明することができる。
|
15週 |
後期末定期試験 |
|
16週 |
メモリ回路(RAM, ROM) |
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 3 | 後16 |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 3 | 後1 |
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 3 | |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 3 | 後1,後2 |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 3 | 後2 |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 3 | 後4,後5 |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 3 | |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 3 | 後4,後5 |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 3 | 後2,後4,後12,後13,後14 |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 2 | 後3,後5 |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 3 | 後6,後7,後8 |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。 | 3 | 後10,後11 |
与えられた順序回路の機能を説明することができる。 | 3 | 後6,後7,後8 |
順序回路を設計することができる。 | 2 | 後7,後8 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |